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詩 | ほんとうの私


いつも笑っていれば
人は集まる

いつも怒っていれば
人は離れる

いつも泣いていれば
寄ってくる人もいれば
去っていく人もいる

無理して微笑んでいるのに
微笑んでいると思う人もいれば
悲しみを理解してくれる人もいる

演技して泣いていたら
本気だと受け止める人もいるし
演技を見破る人もいるし
演技だと見破りながら
本気なんだと受け取ったフリを
する人もいる

ほんとうの私はね…と語るとき
ウソを言っている自覚がなくても
ほんとうの過去の自分ではなく
「こうありたい」という
これからの自分を
語っていることもある

ほんとうの自分はね…と語るとき
過去の出来事の外観は同じでも
それを見つめる内観は変化していく

ほんとうの私などなく
あるとするならば
「いま、ここ」の私しかいない
過去の私を語る私は
現在の私であり
未来の私を語る私も
現在の私でしかない

自分探しをするために
旅に出てみても
そこにいるのはやはり
現在の私のみ
今の自分でしかいない

そして現在の私という者は
「かつ消え かつ結びて」という
在り方でしか存在しえないもの

流れる川の水や流れる雲のごとく
立ち止まることなんてない

変身を絶えず繰り返すのみ


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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします