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第8054回青ブラ文学部「短編小説」募集要項 |「笑える夏が来るのはいつの日か?」


「笑える夏が来るのはいつの日か?」という文で『終わる』短編小説を書いてみませんか?

①文字数2000字以内。
②物語の終わりは「笑える夏が来るのはいつの日か?」で結ぶこと。
③「#青ブラ文学部」のタグをつける。
④可能ならば、この記事を投稿記事に埋め込む。

⑤2023年7月9日(日)23:59までに投稿された記事を「山ちゃんランキング」マガジンに登録します。
⑥公正に審査しますが、最終的には私の独断と偏見により、最優秀賞を決定します。



笑える夏が来るのはいつの日か?



暑いのは嫌いだ。
これからもっと暑くなると思うと
気が重い。
夏か冬かの二択なら
間違いなく私は冬を選ぶ。

私とは真逆で
夏と冬の二択なら
「絶対に夏!!」という
女の子がいた。
その理由は
「おしゃれができるから」。

「冬だっておしゃれできるでしょ?」
と私は尋ねた。
「冬はコートを着るから、夏のようなおしゃれはできないでしょ」

そう言われればそうかもしれない。
冬はだいたいいつも同じようなものを一番上に羽織る。夏に比べれば、見た目のバリエーションは少なくなる。

「いや~でもね、ぼくはオシャレには、全く興味ないからなぁ」と内心で思う。口に出して言うことはないけれど。

ぼくは彼女に会って顔を見てるだけで十分だし、一緒に、どうでもいいような話をして二人で笑えれば、着てる服なんてどうでもいいと言えばどうでもいいんだ。

心の中でそうなふうに思っていたら、彼女が口を開いた。

「でもさ、ボロボロの服でも気にならない?」

「えっ?!ぼくの心の中を読めるの?」

「やっぱり。そんなふうなこと、思ってるんじゃないかなぁ、と思って」

「どうして分かったの?」

「どうしても何も、アキラくんの着てるもの見れば一目瞭然でしょ!」

「どこが?」

「少し糸のほどけたTシャツ。色褪せたズボン。古いサンダル」

「悪い?」

「悪くないけどさ、こっちがオシャレして来てるのにさ、あたしと会うときにはもう少しイイモノ着て来てほしいな、テキな」

「ミナだからボロ着て来たわけじゃない。いつもと同じだけど」

「いつもと同じ格好だから、少し嫌なんだよね。あたしと会うときは、一番いいやつ着て来てよ」 

「服なんかにカネかけたくないな」

「男の子なら、安くてもいいやついっぱいあるから買いに行ってもいいよ」

「いや、遠慮しておく。女の子だって、清潔なら、そんなに服の心配しなくたっていいんじゃない?」

「女の子の場合はね。ブランド物の一つでもつけてなくちゃ、他の女から下に見られる。いつもジャージか、しまむら着てたら、嫌でしょ?」

「しまむらでもいいと思うけどね」

「バカ!!」
そう言い残して彼女は帰ってしまった。

 ぼくは、また、去年と同じ過ちをおかしてしまった。笑える夏が来るのはいつの日か?



おしまい

フィクションです💝


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