短編小説 | 母の日

 母の日。まったく意識していなかったのだが、いくつかのSNSの記事を見て今日(5/14)は母の日なのだと知った。

 思い起こしてみると、母の日あるいは父の日に、なにもしたことがない。事後に気付くことが多い。
 仮に事前に知っていたとしても、何かプレゼントとしようとは思わない。「ぜったいプレゼントなんかしたくない!」と強く思っているわけではないが、あらためて何かするというのは違う気がする。

 なにかみんなでやるイベントって嫌いなのだ。母の日だから、全国みんなでお母さんにカーネーションを贈りましょうとか、バレンタインだからチョコレートを大切な人に贈りましょうとか、今日はクリスマスだからケーキを食べましょうとか、恋人やパートナーとホテルでエ◯チしましょうとか、なーんか違和感があるのだ。

 そういうイベントって、やりたい人がやればいいんじゃない?まわりの何となくの雰囲気にのまれて、自分も合わせなくちゃ、なんて思う必要はない。義務感みたいな感じになるのは嫌だなぁ。

 といって、別に盛り上がっている人が嫌いだというわけではないんだ。そうやってすぐにみんなに合わせることができる人を羨ましいと思う気持ちすら、少しはある。ただ、私は普通の人が何の疑問ももたずに、すぐに他の人のイベントにのることができることが不思議で仕方ない。

 母の日。まだ終わったわけではないが、今日、母について考えたこと。

私が幼稚園の頃の母は、今の私よりずっと若かったんだなぁ。
私が小学生の頃、何度か転校したとき、母はやっぱり今の私よりずっと若かったんだなぁ。
私が大学を卒業して、しばらくたった頃が今の私の年齢の母だったのか。

たいへんだったろうな。
自分が母だったら、子どもに愛情を注げただろうか?

 まぁ、こんなことを書くと、マザコンだの何だのとディスる人もいるだろうけど、男子にとって、やっぱり母は特別な存在なんですよね。
 だって私が生まれてくる前の、10ヶ月も前からずっとお世話になってきたのだから。。。

 なんの贈り物もせず、特に感謝の言葉を伝えるでもなく、「あの時の母は…」なんて感傷的に思い出した。もっと優しくしておけばよかった。もう遅いかもしれないけれど。

 ごめんね。お母さん。ありがとう。

記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします