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急成長スタートアップでのエンタープライズセールスの実践

自己紹介

LayerXのエンタープライズ部に所属している細木と申します。(社内のSlack名はgeorgeです)

スタートアップの株式会社LayerXでエンプラ事業立ち上げ中。
前職は株式会社セールスフォース・ジャパンでエンプラIS・エンプラFSを経験。
その前は新卒で株式会社ミスミに入社し、事業開発・事業企画に従事。

スタートアップの中でのエンタープライズ事業の立ち上げ

弊社LayerXはバックオフィス領域のSaaSを提供している日本発のスタートアップです。一般的にT2D3と呼ばれる成長指標を優に上回る速度で事業成長を実現している会社です。

その中で、エンタープライズ市場への挑戦を進めています。(今までSMB市場を中心に急速な成長を実現しています)

チームとしては去年の4月頃から本格的に活動を開始し始めました。活動の中で一定の成果も出始めています。今日はうまくいっている要因をまとめてみたいと思います。

熱狂組織でOneTeamとなって働く

マーケティング・インサイドセールスとOneTeamでのパス連携

ある日、とある大手企業様との商談が獲得出来ました。マーケティングチームが企画した展示会のブースに寄って頂いたことがきっかけです。

インサイドセールスが商談前にかなり詳しいヒアリングをしてくれました。これによって初回商談から提案をすることが出来て、お客様からも「初回からここまでの話して頂けたのは御社が初めてです」と仰って頂き、信頼獲得に繋がりました。

マーケティング・インサイドセールスからの適切なパスにより、初回お打ち合わせから仮説と提案の持ち込みができたためです。

プリセールス、プロダクトマネージャーとも協力してOneTeamでの商談推進

初回で信頼獲得出来たため、次回お打ち合わせは初回実施日の翌々日となりました。(スタートアップらしいスピード感を意識しました)
次回は
 ①導入までのスケジュールとマイルストンをご案内することと
 ②同一業界のご支援事例から見えた導入時の注意点などをご紹介すること
をお約束しました。ただしご説明資料はなかったので急ぎ作成する必要があります。

プリセールス、プロダクトマネージャーと連携して、すぐに資料準備のための作戦会議を実施します。

入社して当時まだ1ヶ月目のプリセールス大活躍の様子。

こうしたスピード感やチーム一体となったご支援体制も評価を頂き、
結果としてこちらの案件は無事にご契約を頂きました。


社内の役員も巻き込んだOneTeamでの商談推進

ちなみに、取締役会では「スタートアップで赤字だけど大丈夫?」と不信突破(いわゆる4つの不の一つ)が出来ずに、再上申となりました。スタートアップならではのエンタープライズ市場を登っていく際の苦労です。詳細は割愛しますが弊社取締役を巻き込み、組織全体のOneTeam対応で取り組むことでクリア出来ました。役員と一丸となって取り組める柔軟性も弊社の強みだと思います。

ChatGPT先生による描画。"WAIIT"パネルが光っています。


余談:熱狂組織

熱量が伝播していく純度の高い組織で、優秀な人たちとスピード感のある仕事が出来ることはとても楽しいです。(純度の高い組織=お客様・物事に向き合う姿勢が強い組織)
こうした雰囲気も伝わり、前職で尊敬していた人も大手企業から弊社に転職頂きました。(転職理由:Noteはこちら
余談ですが、先日実施した従業員満足度調査では全社スコア(eNPS)がプラス36.6でした。
ネットで検索すると日本の一般平均がマイナス50〜60点程度らしいので、いかに熱狂しているのかがわかります。(10段階評価で6以下はマイナス換算されるため、マイナス点になるらしい)


ChatGPT先生が描いてくれた熱狂したOneTeamのイメージ図。


機能不足に対してプロダクトを一緒に育てる

機能ギャップの課題

またエンタープライズ市場を目指す中でも機能ギャップが明らかになってきます。
あるお客様では初回商談後に下記メールを頂きました。

非常に使い勝手が良さそうで、個人的には◯◯(不足機能)が惜しいところです。
とは言え、今後の御社の対応状況も変わってくるかと思いますので、候補の俎上に載せて検討していきたいと思います。

お客様からのメール

さらに別のお客様でも機能不足に直面したことがありました。こちらは経費精算サービスを数千人がお使いいただく予定で、弊社の製品コンセプトやコア機能を高くご評価頂いていました。ただしトライアルの中で「その機能がないと運用が回らない」という状況も出てきます。利用人数が多いのでスクラッチシステムも比較検討に上がる中で、システムの柔軟さが論点として出てきました。

機能開発する? それともやらない? 組織間の合意形成

上記のような状況に直面した時に組織で意見が割れることは非常に悩ましいです。

関係部門としては「仕様検討をしてロードマップを整理するプロダクトマネージャー組織」「実装を行うエンジニア組織」「他にもお客様から沢山の要望を頂いているセールス・カスタマーサクセス組織」がいて、限られたリソースの中でのトレードオフ問題のため、一般的には(健全な)コンフリクトが起きがちです。

弊社の場合はエンタープライズセグメントに登っていくという経営メッセージが社内でも出ていたこともあり、このあたりはスムーズなコミュニケーションが取れました。(また弊社の現エンタープライズ部長が元々エンジニア・プロダクトマネージャーの組織も見ていたこともスムーズに進んだ大きな要因の一つです)

テックタッチCTOの日比野さんのNoteでもエンプラセグメントに入る際のギャップと葛藤、進め方が生々しく語られていて、非常に参考になりました。
https://note.com/techtouch_hibino/n/nfe58f2925d1d

お客様と一緒にプロジェクトを進める

お客様からいただく要望のうちで
・お客様の温度感(優先度)を分類し、
プロジェクトのマイルストンから逆算して
・いつまでにどの機能が必要なのか、
・その機能をプロダクトマネージャーと合意出来ているか、
・いつのリリースを目指すのか
を可視化してチームで管理するようにしています。

こんなイメージです

必然的にお客様と一緒にプロジェクトを進めるようなセールス活動になります。貴重なリソースをどこに投下すべきかをセールス自身が意思を持ち、その上で社内・社外の人たちとのコミュニケーションを取る必要があります。


社内もお客様も納得頂けるように、使われないものは作らない。汎用機能を目指す。

また、ここで意識すべきは「目先の案件にとらわれ過ぎない」ことだと思います。セールスだと「目の前のお客様の期待に応えないと」という引力が働きます。(これ自体悪いことではなく、良く言われる「当事者意識の強さ」や「お客様視点」とも言い換えられると思います)
一方で「それって本当に必要なんだっけ?」「他の運用方法で回避出来ないか」「実現出来ない場合、どうなるの?」という冷静な視点も持つべきだと思います。
また作るにしても、「一社だけではなく、多くのお客様にとっても嬉しい機能なのか?」という汎用機能を目指すべき論があります。

弊社の経営方針(通称:羅針盤)の一枚。社外にも公開しています。

こうした塩梅はとても難しいです。状況によっても変わりますし、画一的な判断軸はないと思います。
結局のところ、「全社視点と顧客視点を行き来しながら考え続ける」というマインドの話になる気がしますが、スタートアップのエンプラセールスとしては意識すべき点だと思います。その上で、社内もお客様も納得頂けるようなコミュニケーションを取っていけるとセールスとしての介在価値が生まれるのだと思います。


スタートアップのエンタープライズセールスで働く醍醐味とは

そしてなによもり、外資ITのようなエンジニアが遠い組織にいた身からすると、プロダクトマネージャー、エンジニアとも同じ目線で一緒に仕事ができる楽しさ、プロダクトを一緒に育て、それを多くのユーザーに届ける楽しさ
を実感できるのはとても充実感があります。


まとめ

スタートアップのエンタープライズ開拓は多くの壁があります。
・リソース不足
・アセット不足(過去資料等の蓄積)
・機能不足
などなど。。。
今回記載した話以外にも例えば、まだ事例が少ないことで「4つの不」を突破するのが大変だったり。。
ですが、こうした状況を一つずつ乗り越えながらチーム一丸で仕事を進められる楽しさがあります。
その結果、事業が伸びていく手応えを最前線で実感できるのは最高の体験です。

この記事で一番言いたかったこと

LayerXではエンタープライズセールスを絶賛募集しております。
あなたも熱狂組織で一緒に働いてみませんか?

ChatGPTに作成してもらったポスター。やっぱりちょっと誤字がある。


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