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バイクで美術館巡り:千葉市美術館

〒260-0013 千葉県千葉市中央区中央 3-10-8
https://www.ccma-net.jp/

駐車場

バイク:無料駐輪場あり (地下、大型も可だが合計でも10台は無理な程度)
自転車:無料駐輪場あり (地上、建物の東側、ただの空きスペースに臨時駐輪場と張り紙がしてあるだけで、輪留めや柵など自転車をつなげられるものは何もない)
クルマ:無料駐車場あり (地下、満車になりやすく要注意)
入場料:常設展 300 円 (JAF 割引で 200 円になる)、企画展は時価

千葉市美術館地図

千葉市の周辺は交通量が多く、高速道路は慢性的に渋滞だし、市内もいつもスイスイとは全然言えない。さらに千葉県は交通事故の件数も犠牲者数も全国トップレベルである。クルマもバイクも自転車も時間に余裕をみておいた方がいいと思うし、特に二輪は安全なルートを前もって探しておいた方がいいと思う。ツーリングを機に任意保険を確認しておくのもよい。

美術館

千葉市美術館の建物は 10 階建てで、かなり大きく見える。

美術館外観

それは、1〜3階の吹き抜け部分は旧川崎銀行千葉支店の建物で、

川崎銀行千葉支店模型

歴史的建造物ということでこれがそのままホールとして利用されており、その上に5階分くらい美術館が乗っているという構造のためである。ホールは西洋古典様式の堂々とした美しい空間で、企画展に利用されていなければ無料で見られる。

ホール彫刻展

収蔵品は 1) 千葉市を中心とした房総ゆかりの作品、2) 近世・近代の日本絵画と版画、3) 現代美術とのことで、基本的には江戸初期から現代までの国内作家の作品である。常設展ではこれらを入れ換えで展示しているが、時節柄や社会情勢に合わせて展示作品が選ばれており、それは興味を引くし、実際に見て面白い。かと言って世俗的なものばかりというわけではなく、常設展でも見ごたえのある現代美術が展示される。

企画展も、江戸時代から現代美術まで、バラエティに富んだ内容で行われる。その一角として、毎年春には千葉市美術協会の会員や委嘱による「千葉市民美術展」が開かれる。これは千葉市で行なわれている日本画、西洋画、陶器などの工芸、写真、書道、彫刻、デザインなど幅広い分野における活動を総合的に展示するもので、展示数も多いが、なによりバラエティに富むので、誰もがなんかしら心に残るものがあると思う。なお企画展の切り換えの時に、常設展のみの期間が1週間から 10 日 くらいある。

ところで、一階の男性トイレの個室には、洋式と和式が一つずつある。和式ならドアノブと水洗レバー以外には触らずに用を足せるので、このご時世、非常にうれしい。女性用も同様と推測するが、こちらは推測の域を出ない。

食事

館内に食事を提供するところが三ヶ所あるが、その三ヶ所が同時にはオープンしない営業スケジュールになっている。

最上階:ランチのみのレストラン、火曜休
1階:夕方までのカフェ、パスタなどがある、月曜休
地階:夜の居酒屋、月火曜休

最上階のレストランは、美術館に入館してなくても、美術館の駐車場料金を無料にしてくれる (カフェと居酒屋もそうだと思うけど未確認)。レストランは見晴らしがよく、晴れていれば富士山が見える。ランチ営業だが、日本酒やワインもある。

レストラン

レストラン富士山

(写真のちょうど中央に、ちょこっと富士山が写っている)

一方で美術館の周囲は、方角によっては歩いてすぐ何か食事どころが見つかる、とは限らない。しかし西にまっすぐ歩けば 10 分足らずでモノレールの駅 (葭川公園 (よしかわこうえん) 駅)、そのまま 150 m 進むと京成千葉線/千原線の駅 (千葉中央駅) があり、二つの駅の間は繁華街である。さらに千葉中央駅から JR の千葉駅までは商店街で繋がっており、この辺りに行けばその時の気分に合わせて、食べたいものはたいてい見つかる。または、クルマ、バイク、自転車ならどこでも、美術館から5分も走れば何かはある。公園も多いので、何か買って休息がてら食べるのもよい。

周囲

美術館は、千葉駅から南東に広がる繁華街と、亥鼻 (いのはな) 公園北東のお役所地帯の境界といえる辺りにある。徒歩なら JR の千葉駅から 1.5 km、モノレールを終点まで乗った県庁前駅から 1 km 弱である。

美術館から北に2〜3分歩くと千葉神社である。非常に長い間 (1000年くらい?) 神仏習合の「妙見様」としてやってきていたのが、神仏分離令で明治政府から神社か寺かはっきりしろと言われて神社になった、との事だが今も妙見様として親しまれている。参拝者もいつも多い。宝物殿などはないが、摂社として境内に天神様がある。

さらに北、美術館から 2 km ほどのところには、大賀ハス (2000年前の地層で見つかった種から育った、千葉県の天然記念物のハス) で知られる千葉公園がある。ハスが茂っている季節なら、公園内の綿打池でボートを漕ぎながら大賀ハスの咲く様子を眺められるかもしれない。

神社や千葉公園と逆方向 (南) の丘は亥鼻公園になっており、その頂上に千葉市郷土博物館が建っている。公園は城跡で、平安から戦国時代にかけての下総の豪族、千葉氏の居城があったらしい。博物館の外見はお城のようだが、中身は普通の鉄筋コンクリートで、耐震性も安心の現代建築である。千葉氏関連の武具などを展示しており、最上階は展望台になっている。

美術館の南西、徒歩2分くらいの複合施設 Qiball (きぼーる) 内には千葉市科学館がある。天文、生命、科学、工学に関する常設展示に加え、プラネタリウムがある。

美術館から西に 3 km ほどで海 (東京湾) で千葉中央埠頭があるが、そこの千葉ポートタワーの横には千葉県立美術館がある。こちらは千葉市美術館に比べると、新進気鋭の現代美術というよりは、ある程度は評価の確立した実力者の作品の展示が多いように思う。海外作品も多い。千葉市美術館とは性質がかなり違うので、両方を続けてみる価値は充分にある。

美術館から 6 km ほど北に行くと、直立するレッサーパンダ「風太」で有名になった千葉市動物公園がある。いつ見てもかわいい。

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