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ニャンコの目(1)無垢な目
穢れのない
ピュアな輝きを
虚空に向ける
何処を見て
何を考えるのか……?
きっと彼女は
何も見ていない
何も考えていない
【ニャンコの目】
『猫の目』と言えば、物事がコロコロと変わることの喩えとして使われる言葉ですが、それだけ猫の目は表情豊かだということでしょう。それだけ、複雑な輝きを放っているのだと思います。
私はよく猫の鉛筆画を描いていますが、最初は目を描くのがすごく苦手でした。
ニャンコの目(11)看視する目
あらゆるリスクを想定し
瞬時の判断で行動に移す
何が何処からやって来て
それは何処に向かうのだろう?
人も時間も記憶も風景も
意識も理性も本能も
全てが通過し
または停車する
君は駅のように
現象を受け止め
時に受け流す
ニャンコの目⑴
ニャンコの目(12)澄ました目
その澄ました瞳で
君は何を見ているの?
おやつ? おもちゃ?
それとも家族? 仲間かな?
もしかすると
真実や真理が見える?
嘘も醜さも本性も
優しさも愛情も友情も
全てお見通しなのね
ニャンコの目⑴
ニャンコの目(13)逡巡する目
進むか戻るか
怒るか流すか
あらゆる想定をシミュレートし
統計と確率を吟味して
最適な解を模索する
自然の摂理は
直観と経験と計算に委ねられる
だけど
隙間からチラリと見えるオモチャには
躊躇いなく
本能的に飛び掛かる
ニャンコの目⑴
ニャンコの目(14)洞察の目
言葉の向こう側には
醜い世界が広がることもある
時に知恵は本質を隠す
善か偽善か
本音か欺瞞か
人は取り繕うのが上手い生き物
でも
通じない相手もいる
君の眼差しは
常に本質を射抜き
言葉の裏側を理解する
君を検診に連れ出すことほど
困難なタスクはない
ニャンコの目⑴