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スクワット | 膝関節前面の痛みをモーメントアームで理解する

「スクワットで膝を痛めたけど、なぜ痛くなるのか理解したい!」

そんなお悩みを解決します。

『学習の目標』

・モーメントアームの基礎を学び3つのスクワットの違いを理解する
・膝関節前面部の痛みを力学的な視点から紐解く

記事の信頼性

スライド1

バーベルを用いたウェイトトレーニングにおいて、スクワットはBIG3の中の1つであり脚の筋肉をはじめとして体幹筋も鍛える事ができる素晴らしい種目です。

しかし方法を間違うと膝関節に大きなストレスをかけ、ケガの原因となってしまうことも少なくありません。

今回は代表的な3つのスクワットを例にモーメントアームの基礎を理解し、膝関節前面部の痛みを力学や運動学を用いて理解していこうと思います。

目に見えないモーメントアームを理解することは、他の種目でも非常に役立つ知識なのでぜひ最後までご覧下さい!

モーメントアームとは?

スクワットモーメント1.001

扉をイメージしてみましょう!

物体に回転運動を生じさせる力の効果を、

→力のモーメント、またはトルク、回転力とも言います

この回転軸から力のモーメントへの垂直距離を【モーメントアーム】と言います。

力のモーメントは、垂直だけではなくもちろん斜めにも作用します。斜めに作用した時がこのようなイメージです。

スクワットモーメント1.002

同じ場所から押しても、扉に対して垂直に押すのか、斜め方向に押すのかでモーメントアームが異なり扉を開けるときの重さ(体感)も変化します。

同じく扉を開ける時をイメージして下さい、同じ重さの扉でも、押す場所によって必要な力は異なります。

スクワットモーメント1.003

例えばBの位置で扉を開ける力が100必要なら、Aはモーメントアームが半分なので単純に倍の力200が必要となります。

扉を開ける時にわざわざ蝶番(回転軸)に近い部分を押して開ける人はいないですよね?(でも最近ではドアノブを触りたくないのであえて人が押さない場所を触る人も多いんでは、余談です)

それくらいモーメントアームの長さは力に影響を与えるということです。

では人体ではどのように考えるのか?

動作解析分野における関節モーメントの定義は非常に混乱しやすいが,関節モーメントは内部モーメントのことを示し,外力の影響によって回転させられる回転力(以下:外部モーメント)に対抗しようとする生体内部で働いている抵抗力である.すわなち筋や靱帯、骨や皮膚抵抗と考えてよいのである.このような筋・靱帯による内部モーメントのことを関節モーメントという。

引用:義士装具学のための知識モーメントについて

例えばバーベルのハイバースクワットの膝関節を考えてみましょう!

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