僕の小さい頃の夢は福島の原発の放射線の汚染問題を解決する事だった。小学4年生ぐらいの頃、授業参観で夢を発表する機会があって、僕はその大トリでそう述べて母親の顔を真っ赤に染めてしまったことがあった。小さい頃から科学だったり数学だったりが好きだった。祖母の家にあったNewtonという科学雑誌を読むのが僕のお正月とお盆の楽しみであった。トイレの前に何十冊と並べられたその本は僕の人生の道標のようであった。

 僕が小学2年生の頃、ある出来事でその本の山は海に消えていった。それと同時に冒頭述べた夢を僕に与えた。アインシュタインは僕にとてつもない試練を与えたのだ。

 結局、僕は夢を叶えられずに終わりそうな人生を歩んでいる。中学生のときに罹った病で研究という道を歩めなくなってしまった。3年間の空白期間は僕を科学という友人との疎遠な関係を作り出した。高校生になって挽回しようにも受かったのは地元の中堅大学。夢なんて遠い星の煌めきのように思える。

 けれども、小さい頃夢見た科学を職業とする事はできそうである。僕の最初の友人である科学は今もそしてこれからも僕の道標だ。僕の力になってくれる。だからこそ僕は初めて手にした、人生でその後も友として僕に力をくれた本、newtonに僕は感謝をしたい。僕の人生はあの本を手にした瞬間に始まったのだ。たった20年、けれどもその20年を作り出したのはたった一冊の本である。人生を変える一冊の本に出会えた僕は本当に幸せである。

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