昔の筋トレ 今の筋トレ

今から30年くらい前は高齢者の筋トレというと、20回できる重さで10回という感じのことが言われていたような気がします。 
高齢者じゃなくてもそんな感じになってる人も多かったと思います。
無理するな、無理させるなといった感じでした。
それとは逆に、アスリートのトレーニングはひたすら追い込んでました。
20RMというと1RMの50%くらいでしょうか。
それを10回ということはそんなにしんどくなさそうな気がします。
ただ、ちょっと違うのは4秒でおろして2秒で上げるなんて言われていたのです。
ってことは1セット60秒です。
実はまあまあしんどいです。
その名残かなんなのかはわかりませんが、筋トレというと何を持っていようがゆっくり動かす方は多いです。

それでいいのか?的な話をします。

持つ重さという話だと、1回しかできない重さの70%以上でやりたいです。
軽いと筋力の向上はあまり期待できません。
なので50%というのは無しといえば無しなのです。
しかもゆっくりだなんて。
オリンピックリフティングとなると別ですが。

できそうな回数の半分というのはラクをしすぎなんじゃないか?と思う方もおられるかもしれません。
実は、ゆっくり挙げるというのは大した力を出していません。
陸上競技で例えると、100メートル走ることを指示されたときに、10秒で走ることができる人が20秒で50メートル走る感じなのです。
速くなるとは到底思えません。
筋トレも同じです。
とはいえ、高齢者も全力でやらなきゃいけないの?というとそうなのです。
そこで文句を言われるのは危険だーとかです。
トレーニングには漸進性の原則というものがあります。
なんでもちょっとずつだから大丈夫です。
全力でと書きましたが、反復するのがキツくなっても搾り出して頑張れという意味ではありません。
それは100メートルの選手がゴールしたかと思ったら余分に20メートルあったみたいなもんです。
そこで搾り出したって速くなるとは考えにくいです。
ただ絞り出すやり方は筋肥大という点ではアリといえばアリですが。

筋肥大と言いましたが、高齢者は筋の太さと筋力はあまり関係がないようです。
細くても強い人もいれば太くても弱い人もいるということです。
ウエイトトレーニングに求めることは老いも若きも神経系機能の改善なのです。
強い力を出す努力をしましょうということです。
こういうことをいうと危険だーという人が現れますが、先述の通り斬新性の原則に則ってやれば良いのです。

今でも筋トレといえば1回できる重さの70%くらいの重さで10回〜12回のような感じで、できなくなるまで頑張るという感じでやってる人が多いです。
本来ならば挙上速度も強度の一つなのですが、そこが考えから抜けています。
自転車で例えると、ギアを重くしてゆっくり回しても1回転だし、速く回しても1回転です。
パワーメーターを見なくても意味がないことはわかると思います。
自転車のトレーニングは何ワットで何分という感じでやるのですが、ギアはその人にお任せのことが多いです。
筋トレでは、筋力の向上という点では運動の継続時間に何秒とか何分というのは特にありません。
ざっくりというと速度が落ちたらやめましょうでいいのです。
筋トレは意外と楽なんです。
先述の4秒で下ろして2秒で挙げるなんてのは10回やったら1分です。
じゃあ速度が落ちたら終わりというのは大体どれくらいなのさ?と思うとおもいます。
10秒くらいでしょうか。
何をもって10秒かと言うと、以前は降ろす時はゆっくり降ろすなんて言われていましたが、どうも速く下ろした方が筋力の向上には良いらしいのです。
挙げる方も全力なので1回の上げ下げを2秒としました。
もちろんこれより早くなることも遅くなることもあります。
それを5回で約10秒です。
レップ間に休憩を入れたらもう少し長くなります。
持つ重さですが、筋力向上には1RMの60%以上の重さでとは言われていますが、美味しいところ取りをすると80%くらいがいいんじゃないかと思っています。
挙上速度を測る計測器があれば良いのですが、ない場合は1RM  TABLEを都合よく使います。
これは個人差が大きいのですが、80%の強度だと反復限界が8回とされています。
この80%の強度で5回やればいいんじゃないの?と考えています。
なんと、反復回数と筋力の向上はあまり関係がないそうです。
加速度計で計測した際に、20%速度が落ちた時点やめた場合と限界まで反復した場合とで筋力の向上に差がないということです。
だったら楽な方がいいじゃんという感じです。
筋肥大となると別ですが、限界まで追い込んでも最後の方は出てる力は大したことがないのです。
400メートル走の最後の方みたいな感じです。
そこで頑張ったって100メートルは速くはなりません。
筋力も同じです。
もし5回やるよりも前にしんどくなったらその時点でやめてもいいです。
追い込まなくてもいいということです。
ただし、全力でやる必要があります。
というか全力でやった方が効果が高いです。
じゃあピッタリ80%の重さでやるのかというと、ピッタリじゃなくても良さそうです。
70%から90%の間なら筋の活動は似ているので、その間で全力でやれば同じような効果が期待できるそうです。
回数ですが、現場の感覚だと5回ってなんとなく頑張れるのです。
8回できそうな重さで5回やって、あと3回できそうなら次のセットも同じ重さ、あと2回しかできなさそうなら2.5%軽くする、あと4回できそうだったなら2.5%重くするといった感じです。
これだと次のセットも5回やった時点で3回余裕があるという感じになります。
もちろん加速度センサーがある場合はそちらを上手く使いましょうとなるのですが。
加速度センサーが無い場合でも強度も保てるし、追い込み過ぎないといった感じでできると思います。

まとめると、
高強度でやりましょう。
高強度というのは重さだけさしているのではなく、全力でという意味です。
全力というのは反復できなくなってからも絞り出すという意味ではなく、速く挙げる努力をするということです。
それを余裕を持って終わりましょう。

1セット約10秒です。
筋肉痛も起きにくいです。


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