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喪服の花嫁|BL漫画|詩的感想


寝起きの。
あのまだちょっと眠っているんだか起きているんだかわからないくらいのときにさ、思い出したんだよ。
線香の香りと後頭部の手のぬくもりを。

それでもすぐに何もかもをどうこうできるっていうほど大人じゃないしさ。
今いるところと今のままの状態を維持する方がはるかに楽だしさ。
流されているっていえば元も子もないけど
常套句だけど。
「彼は(中略)ひとりの人間ですよ」っていってくれた。
さすがに揺れるよね。揺れる。

自分のことはわかんないけど
他人のことはよくわかるってやつ
このひと、ここから動けないんだ、って
「出口」が必要だ、って
そこで足元がやっとみえてくる
「なんだ、自分もじゃんか」


言葉通りに受け取る方が楽だ
深読みしたり慮るのは歳をとるほどしんどいから

相手の人生までも肩代わりするみたいで……

この職業は軽々に物事が済ませられるからいい
時間的にも精神的にも”重い”って感じることがないから……

自分には、もう、そういうのは許しちゃいけないって。
そんなふうに感じちゃいけないって。
自覚しちゃいけないって。
そんな感情は……

亀裂が入ったのはいつから?
そのひび割れからどくどくと流れてくるもの。
「待って」


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