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『2030年ビジネスの未来地図』誕生秘話

『2030年のビジネスの未来地図』制作経緯について、担当編集者に語っていただきました。

「2040年」「2030年」「2025年」など、近未来の具体的な西暦がタイトルに入った本を、ベストセラーランキングの上位でよく見るようになりました。
 わずか5~10年後でさえも、未来はどうなっているのかわからない。だから、識者の見解を知りたい。そう思う人が増えているのではないでしょうか。
 もっとも、「未来はどうなっているのかわからない」というのは、長らくずっと言われていることです。最近になってさらに未来への関心が高まっているのは、やはりコロナ禍の影響ではないかと思います。
 新型ウィルスによって世界中が混乱するという事態は、多くの人にとって、「予測しなかった未来」でもありましたが、「いつかは起こり得るかもしれないと思っていたけれども、いま来るとは思わなかった未来」でもあったのではないでしょうか。
 ビデオ会議システムを使って会議や商談をすることも、いまや当たり前になりましたが、わずか1年数カ月前までは、多くの人にとって「いつかはそうなるだろうけれども、いまはまだ実現していない未来」だったと思います。
 しばしば言われることですが、コロナ禍には、未来を早くもたらした面があります。早くやってきた未来に触れたことで、さらに先の未来への関心が高まっているのではないでしょうか。
 そこで、弊社の月刊ビジネス誌『THE21』では、2021年6月号(5月10日発売)と7月号(6月10日発売)の2号にわたって「2030年の世界はこうなる!」という企画を組み、合計18名の識者の方々にインタビュー取材を行ないました。本書『2030年 ビジネスの未来地図』は、その記事を、誌面に収まり切らなかった部分も含めて、1冊にまとめたものです。
 取材したのは、楠木建氏ら経営学者、小室淑恵氏らコンサルタント、マネックスグループCEOの松本大氏ら経営者など、さまざまなかたちでビジネスに携わっている方々です。
 未来予測を求める心理には、いままでのビジネスや働き方が通用しなくなるのではないかという不安と、見たことがない素晴らしい世界がやってくるのではないかという期待が、同居しているのではないでしょうか。本書にも、未来に向けてのリスクとチャンスの両方が書かれています。読者の方々の「不安」をリスク対策に変え、「期待」をさらに高められれば、と思います。

副編集長 岸正一郎

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