十一 癌と診断されるまでの話
ひとことで癌と言っても様々な種類があり、想像もできないような部位に巣食う癌もあることは知っていた。
10年前、父が70歳の時に咽頭癌と診断され、記憶に新しいところでは歌手のつんく♂氏が同じ癌であった。
発覚時、すでにステージ3だった父は声帯を残したい一心で放射線と抗がん剤に耐え長い入院生活を経て無事寛解。以降の検査でも転移は今のところ認められていない。
そんな父の体験を目の当たりにしていたことと、父の親族の多くは癌で亡くなっていた為、癌の家系であることは昔から理解していた