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ハラスメントを気にしすぎると損をする。現代を生きやすくするためには何が必要?

ハラスメントとは

現代において一般的に使用される用語「ハラスメント」。
この言葉が出始めてから数年経ちましたが、時間の経過とともに世間の認識が異なってきているかのように思います。
改めてハラスメントとはどういうものだろうか。

ハラスメント(Harassment)とは、他者に対して迷惑や不快感を与える行為や言動のことで、その対象者に精神的、肉体的な苦痛を強いる行為を指す。ハラスメントはさまざまな形態があり、職場や学校、公共の場などで発生することがある。

一般的には、以下のような種類があります。

  1. セクシャルハラスメント(セクハラ): 性的な言動や行為によって相手に不快感や嫌悪感を与える行為。

  2. パワーハラスメント(パワハラ): 職場などで権力関係を利用して、暴言や不当な命令を行い、相手に精神的な圧力をかける行為。

  3. モラルハラスメント(モラハラ): 言葉や態度で相手を精神的に追い詰める、いじめや攻撃的な言動。

  4. マタニティハラスメント(マタハラ): 妊娠・出産・育児休暇などに関連する嫌がらせや不利益な扱い。

  5. アカデミックハラスメント(アカハラ): 学問や研究の場で権力を振りかざして行われる嫌がらせや不当な扱い。

  6. アルコールハラスメント(アルハラ): 無理に飲酒を強要する行為や、飲酒をめぐる嫌がらせ。

また、よく世間で耳にする

「被害者が嫌な思いをしたらハラスメント」

というような概念ががあるが、本当にそうなのだろうか。

もしそうであれば社会生活が成り立たなくなってしまうと思い、
具体的にどのようなシチュエーションでハラスメントが成立するのかも整理してみました。

世の中の判例や私の会社経営の経験上、被害者が嫌な思いをした場合、それだけで自動的にハラスメントになるとは限りません。

実際にはハラスメントが成立するかどうかは、以下のような要素が関わってきます。

1. 行為の意図や状況

•ハラスメントは、意図的であろうとなかろうと、被害者に苦痛を与える行為。しかし、行為者がどのような意図を持っていたかや、どのような状況下でその行為が行われたかも考慮される。単なる誤解や行き違いで不快感が生じた場合、必ずしもハラスメントとはみなされないこともある。


2. 行為の継続性や頻度

• 一度限りの言動であっても、被害者にとって非常に深刻であればハラスメントと見なされることがあるが、継続的に嫌がらせを行ったり、しつこく同じ行為を繰り返したりすることは、ハラスメントの可能性が非常に高い。

3. 社会的な常識や基準

• 社会や職場の常識的な基準に照らして、その行為が相手に苦痛を与えると認識されるかどうかも判断材料になる。たとえば、軽い冗談でも、性差別的な内容や不適切な内容であれば、それがハラスメントと見なされる可能性がある。

4. 権力関係

• 職場や学校などの場面では、上司と部下、教師と生徒といったように、権力や影響力の差が存在する場合、被害者が反論できない状況であれば、ハラスメントと見なされる可能性が高まる。被害者が自由に拒否できない状況や関係性があるかどうかが重要。

5. 受けた被害の深刻さ

• 言葉や行動が、被害者の健康や生活にどれほどの悪影響を与えたかも重要。単なる不快感ではなく、精神的なストレスや身体的な影響が深刻であれば、ハラスメントと認定されることが多い。

これらから見える結論として、
被害者が嫌な思いをしただけでは必ずしもハラスメントとなりません。

相手に苦痛や不利益を与える行為や言動が繰り返され、社会的に不適切である場合は、ハラスメントとして扱われる可能性が高いということ。

妥当な内容かと思います。

20年前はハラスメントという言葉はなかった(一般的ではなかった)が、今も昔もその当たりは変わらないはずです。

なぜハラスメントが注目され始めたのか

では、なぜ現代はハラスメントのニュース、話題が多いのか。

昭和の時代からハラスメント行為は行われたはずであり、むしろ今より多かったことは想像できます。

しかし、なぜ数十年間放置されていたのか。

それは景気が良かったから表面的に現れなかったと思います。

非常に単純な話だが、景気が良いと次のことがあります。

  • 賃金もドンドン上がるしそれなりの見返りがあるから

  • 国家レベルで成長している実感があるので小さな問題には執着しない

平たく一言でいうと、

「生活していると悪いこともあるが、総じて良いことのほうが多い。我慢していれば良いことがある(生活が豊かになる)」

に尽きると思います。

私は景気が良かった時代は学生であったので、社会人として好景気を具体的に語ることは出来ませんが、昔を振り返ると30年前と今では国民のムードは明らかに異なっているの事実。

当時学生だった私でさえ、今の学生より豊かな学生生活を送っていたと思います。
何より、大人の顔がイキイキしていたのは強く記憶に残っています。

これを踏まえ、現代はどうだろう。

ハラスメントに限った話ではないが、総じて以下ではないだろうか。

「我慢しても良いことは何も無い。(生活が豊かになることはない)」

悲しいけどこのマインドになるのはよく分かります。

年1回の昇給では、良くても1万円/月前後のUP。
年収にして10万円程度。
10年後になっても年収は100万円くらいしか上がらない。
先輩を見ても小遣い3万円/月な人が多い。
少子高齢化の加速。。。

こんな現実を見たら誰だってネガティブマインドになるのは仕方ないことでしょう。

不景気だからこそ自衛の意識を強く持とう

では、
「不景気だから、不満を言えば良い!」
というのはあまりにも稚拙な行為です。

こんな苦しい時代だからこそ原点の基礎を思い出し徹底する必要があります。

スポーツでもビジネスでもピンチのときほど、一発逆転の博打をせず、コツコツ基礎的行動(基本行動)を行い次の機会を待つ(作る)もの。

人間社会において、今も昔もそして未来も変わらないのは、

「社会とは、理不尽・不都合の連続である」

これを忘れてはいけません。

  • 道路に転がっている石につまずいて転んだ

  • 雨が降ってきたので濡れた

これを不満だからと言って行政や警察、そして会社に文句を言う人はいるだろうか。

流石にそんな人は居ないだろうが、これならどうだろうか。

  • 鍵をかけずに外出したら泥棒に入られた

  • 電車の中で友達と歌を歌っていたら隣のおじさんに「うるせー!」と怒鳴られた

  • 露出の多い服装で外出したら周りの人にジロジロ見られた

  • 客先訪問予定があったが行きたくなかったので予定をすっぽかしたら2時間も説教された

これらの、

「泥棒に入られた」
「怒鳴られた」
「ジロジロ見られた」
「説教された」

だけを見れば確かに被害にあっている。

しかし、どうだろうか。

自ら被害を招いていないだろうか。

社会生活における物事には必ず以下があります。

  1. 起こった事象

  2. 事象を受けた人の感情

  3. 事象を起こした人の感情

  4. 原因、経緯

最近の世の中は(1)(2)だけを切り取って

「加害者は許せない」
「被害者のメンタルが心配」
「価値観の押しつけ、今は多様性の社会」
「ファッションは個性、見られるためにやってない」
etc

という意見が散見される。

しかし、これはメディア的な無責任なアピールであって、非常に稚拙な意見でしかない。

自分都合の記事で販売部数やPV稼ぎのメディア、被害者に寄り添う姿勢を見せて薄っぺらいコメントしか出来ないタレントの意見に一喜一憂するのは非常に危険な事態です。

社会生活をしていたら(1)〜(4)を踏まえて意見を交わすべきです。

「電車で歌を歌う」
「露出の多い服装」
「すっぽかし」

これは自称被害者の前に、むしろ加害者としか思えない。

ハラスメントも全く同じです。

原因、経緯が必ず存在するし、前述した

「社会とは、理不尽・不都合の連続である」

これが非常に重要です。

理不尽、不都合は自分の意図した事象・結果のことと思って差し支えありません。

重要なのは、これが連続的に常に起こるという認識をし、自衛と覚悟を持って社会生活を送る必要があるということです。

ハラスメントは起こるもの

「自衛と覚悟を持って社会生活を送る」
そんなことしたくない気持ちはよく分かります。

しかし残念ながら理不尽と不都合は常に発生します。

天候、天災と同じです。嫌でも必ずやってきます。

これとどう付き合うかが、
生きやすさ、生きづらさ
につながります。

  • 雨は嫌い。傘を買うために仕事をしているわけではない。だから傘は買わない。

  • 家に鍵を掛けるは面倒くさいし亡くす危険がある。泥棒は犯罪。だから鍵は掛けない。

こう思うのは自身の勝手ですが、傘を持たない生活、鍵を掛けない生活をした結果を受け入れる覚悟が必要になります。

繰り返します。

ハラスメントも同じです。

被害にあった時の対処が必要ですし、実はあなたが加害者になっている場合もあります。

感情を起点に理論を展開してはいけません。

必ず原因に目を向けて下さい。
原因があるからただ我慢しろという事を言っているわけではありません。

  • 雨が降ることを前提に傘を持っておく。

  • 雨が降ったら傘をさす。

これと同じで被害を最小限にする準備と行動をしてください。

具体的には、次のことなどが良いと思います。

雨が降ることを前提に傘を持っておく。

「理不尽、不都合は起こるもの。相手も人間、相手にも不都合が起きるはず」と心構えをしておくことで有事の際にパニックを起こさなくなります

雨が降ったら傘をさす。

原因を把握し、相手の不利益も考慮した対応を行う。
自分の感情だけで行動を起こさないことで適切な処理を行うことが出来ます。

ハラスメントについて執拗に警戒したり、
自分の感情に任せて自称被害者になってしまっては、
結果自分が損をすることがあります。

ネットやテレビで騒いでいることと、現実社会は大きく異なることがあります。

しっかりと現実を見据えて行動することが現代を生きやすくする秘訣かと思います。

それでは。

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