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常にライカを持ち歩く、という喜び - LEICA D-LUX7半年使用レビュー

綺麗な写真を撮りたいけれど、大きなカメラは持ち歩きたくない。

スマートフォンのナイトモードもポートレートモードもすごいけれど、なんとなく不自然だったり、撮り方に制限があったりして微妙。そんな風に思ったことはありませんでしょうか。
今回はそんなあなたにピッタリの、持ち歩くこと自体が喜びになってしまうようなカメラをご紹介します。


LEICA D-LUX7とはなんなのか

LEICA D-LUX7は、2018年に発売されたコンパクトデジタルカメラです。
2023年の春頃までは新品が販売されていましたが、現在は中古でしか見つけることができない状態かと思います。
D-LUX7は非常に高価なことで有名なLEICAブランドの中では比較的購入しやすいものですが、それでも一般的なカメラと比較するとかなり高価です。2024年1月時点のAmazon中古価格は21万円ほどでした。

LEICA D-LUX7のここが良い

①クラシックな見た目

シルバーとブラックのツートンカラーの王道クラシックカメラの佇まいに、赤いライカバッジという最強の組み合わせ。これをかっこいいと言わずしてどう表現するのでしょうか。
もはや写真を撮らなくても、持っているだけでかなりの満足感があります。しかもかなり小さいので(コンパクトデジタルカメラなので当然ですが)、カメラを持っていくのにカバンを意識して大きいものにする必要が無いというのもあります。サコッシュにさえ入ります。

それでいてかなり綺麗なEVFを搭載しており、撮影に集中したい時や液晶画面での撮影に抵抗がある場所でとても助かります。

②持ち歩きに便利なオートレンズキャップ

オートレンズキャップはカメラを使うと必ず思う「キャップの付け外しが面倒」「キャップを失くす」といった問題を解決する便利なアイテムです。
一番のメリットは片手でカメラを手に取ってから撮影まで行けること。大きな荷物、お子さん、ペットなどを抱えながらでもカバンからサッと取り出して撮影できることです。本当に便利。

レンズに一般的なフィルターを取り付けるとその厚みでオートレンズキャップが閉まらなくなってしまうのですが、「eins super protect filter 43㎜」という極薄の特殊なフィルターのみ、問題なく使えます。

②唯一無二の明るいズームレンズ

LEICA D-LUX7は10.9-34mm F1.7-2.8(35mm換算24-75mm)という沈胴式標準ズームレンズを搭載しています。
マイクロフォーサーズのミラーレス一眼カメラでこの明るさと焦点距離を持つレンズは存在しておらず、このカメラ専用のものです。元々ミラーレス一眼カメラのほうを使っていましたが、このレンズが使いたくて乗り換えたと言っても過言ではありません。

しかも、iAズーム(SONYでいう全画素超解像ズーム)を利用すれば換算150mmまで望遠ができ、その状態でもAFが通常通り動作します。
SONYのものは全体に固定されてしまうので、ここは大きなアドバンテージではないでしょうか。150mmあれば動物園などでも使えると思います。

③多くのマニュアルダイヤル

このカメラはモードダイヤルと呼ばれるものがなく、絞り、シャッタースピード、露出をすべて手動で設定しながら撮影します。
オートにすることも一応できますが、これらを駆使して自分の思い通りの写真が撮れるように目指していくと、非常に写真が上達すると思います。

④自分好みの色味を作成可能

ノーマルはライカらしくこってりしたコントラストとシャドウも強めに出る特徴があります。これがそのままでも素晴らしいのですが、自分はあえて少し抑えめにしたカスタマイズで運用しています。

通常のカメラにあるようなフィルター機能だけでなく、各モード毎にコントラスト、シャープネス、彩度などを編集可能です。
また、ホワイトバランスの色設定も細かく指定できますし、色温度まで設定できますので自分好みの色味を追求することができます。

LEICA D-LUX7のここが残念

①オートフォーカス性能

「屋外や照明が明るい室内で止まっているものをAF-Sで撮影する」などの状況ではAFに不満を感じることはありません。

ただし、コントラストAFのみで5年前の基準のものなので、さすがに走り回る動物を追いかけるようなAF性能はなく、暗所になると一気にAFの精度は低下します。元々そういったものをターゲットにしたカメラではありませんので、仕様だと受け入れましょう。

②液晶が固定式

ファインダーの性能が良いので、覗いて撮影することを推奨するカメラです。それでも、腰に構えて撮影する時などに液晶がチルトしたらいいなぁと思うことはよくあります。

③標準ズームが電動

電源を入れてからレンズに通電されるまでに時間がかかるのか、ズーム操作が開始されるまでにかなりの時間を必要とします。ズーミングもかなりゆっくりした動きであり、急いで望遠側にしたい時などに不便です。

試しに電源オンから望遠端で撮影するまでにかかった時間は「9秒」でした。一瞬のシャッターチャンスが撮れなかった、なんて時はあるかと思います。

④バッテリーの減りが早い

電動ズームであることと、機能をオンにすれば常時Bluetooth接続などもあるため、バッテリーの消費は早いです。それでも一般的な1泊2日の旅行スナップとかであればもつかなという感じで、不安であれば予備バッテリーを購入しましょう。

⑤写真転送アプリ「LEICA FOTOS」

カメラからスマートフォンにWi-Fi/Bluetoothで転送する「LEICA FOTOS」が非常に接続しづらく、出先で送りたい時にイライラしてしまうことが多いです。
SONYやOLYNPUS、FUJIFILMのアプリも使ったことありますが、このような事態にはなっていないので、ストレスの元凶になりがちです。

作例

22.7mm F4.0 1/800 ISO200

昼間の屋内で愛犬を撮影した公園(千葉県:清水公園)の写真です。
色味は結構カスタマイズしているのですが、コスモスのしっかりとした解像感、黒つぶれしない愛犬の毛並み、後ろのボケ表現まで非常に綺麗に撮影できています。こんな写真が撮れるズームレンズのコンデジ、本当に他に無いんです。

34mm F2.8 1/125 ISO320

こちらは素のままの色で撮影したパン屋さん(栃木県:ペニーレイン宇都宮店)の写真です。
こってりとした色味でライカらしい感じです。こっちの方が好みという方も多いのではないでしょうか。こういったお店でカメラを出しても悪目立ちしないというのもこのカメラの大きな魅力です。

10.9mm F1.7 1/100 ISO200

広角端では最短撮影距離が3cmとなりますので、マクロとまでは言いませんが相当寄って撮ることができます(千葉県:シャーウッドガーデンレストラン)
F値も1.7と非常に明るいので、センサーがそれほど大きくなくてもかなりの大きなボケをつくることができます。ただ35mm換算で24mmなのでさすがに寄りすぎると少し歪んでしまいます。

10.9mm F1.7 1/60 ISO1000

ISOを1000くらいまで上げるとさすがにノイズが出てきます。(千葉県:東京ディズニーランドホテル)
でもSNSに載せるくらいならば全然使えますね。明るいところに引っ張られたり、植物のディテールが失われたりはしていません。

総評

過去にはSONY RX100、SONY α NEX-6、FUJIFILM X100F、OLYMPUS PEN E-P7など数多くのカメラを使ってきた自分の主観ではありますが、このカメラは「サブカメラとして一番しっくり来たカメラ」でした。
気になる点もありますが、これに代わるカメラはここ5年間は発売されていないので、これからも唯一無二であり続ける、普段の暮らしを美しく切り取ってくれる存在です。

LEICA D-LUX7は以下のようなカメラをお探しの方にぴったりです。
・おしゃれなスナップカメラ
・小さくてもちゃんと写るカメラ
・人と違うカメラ
・持つことに意味を持ちたいカメラ


逆に以下のようなカメラをお探しの方には向いていません。
・コスパの良い(安い)カメラ
・走り回る人や動物、テーマパークの夜のパレードなどを撮れるカメラ
・簡単なカメラ

Yuz.

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