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第六回文学フリマ札幌

俺自身が文学になることだ。どうも、神山です。

さて、第六回文学フリマ札幌の開催が決まり、エントリーが始まりました。

「文学」は小説や詩歌などを示しているわけではありません。
では、何を示しているのか(アニメか?)。
齧り読みした本に書いていたことなので真に受けないでほしいのですが、文学業界(ギョーカイ)的には芥川賞の対象となるものが(純)文学、直木賞の対象となるものがそれ以外(所謂「エンタメ」)らしいです。困ったものですね。
だからどうした、自身が文学と信じるものが「文学」だ、というのが文学フリマの趣旨です。参加者―作り手・書き手―の信じる「文学」を信じて、是非様々なものに手を伸ばしてみてください。第二回文学フリマ札幌で、あるいは他の都市の文学フリマでまた会えることを祈っています。
〈第一回文学フリマ札幌おまけ本/fromHより〉

かつて、私が所属している批評・評論ユニットfromHが第一回文学フリマに参加する際にフリーペーパーとして配布したものに記載していた文章からの抜粋です。ちょうどこの頃、「人生に、文学を。」プロジェクトの広告コピーが炎上していたことが伺えますね。会場はさっぽろテレビ塔であり、こういったランドマーク的な会場での開催は珍しかったかと思います。もっとも、テレビ塔は暑いし狭いしで、だいぶ大変ではありましたが…。

このあと、第二回・第三回については安田短歌会として参加しており、好評を博しておりました(第四回については抽選漏れ)。第五回については、自治労会館にて開催となり、ランドマークでの開催ではなくなりました。

そして今回、第六回については、札幌コンベンションセンターでの開催となります。ランドマークでなければ、都市の中心部でもない、文フリ以前に存在しているイベントと変わり映えしないのでは、という危惧があります。確かに予算や会場規模などによって決めているのかもしれませんが、そこに物語や理由を接続することがクリティカルではないでしょうか(文学を冠しているのなら、尚更)。

……こういった危惧をもつのは多分少数派で、イベントが地元で開かれれば、多少不便でもいいし、なんならコンベンションセンターは車で搬入もできて、道民としては便利な場所とは思いますが。

けれど、それは100都市計画は100都市をバラバラにするものなのだ、という言明と紙一重です。ばらばらと各地に存在する「文学」が交差する場所としての(コミケやインターネットのような)文学フリマ #bunfree に求めたいですね。

文学フリマの基本的にメインストリームは小説や詩歌などの創作作品であり、評論や批評などはマイナー分野です。このマイナーさが地方都市では時に命取りです。たとえば、ある年の文学フリマ札幌では、評論系出店者のみ別室となっていたりしました。又、同一ジャンル者がひとりふたりしかいないことによって、あまり近隣サークルとの交流などもうまくいかないなどがありました(安田短歌会のときは短歌ジャンルで参加したこともあり、いろいろなひとと話せました)。昨今の事情的には、あまり長時間会話することはよくないのかもしれませんが、こういった誤配的なコミュニケーションが発生することは、即売会の楽しみの一つでもあると思います。

「文学フリマ」は既成の文壇や文芸誌の枠にとらわれず〈文学〉を発表できる「場」を提供すること、作り手や読者が直接コミュニケートできる「場」をつくることを目的としたイベントです。
その意味するところは、〈文学〉を閉鎖的な営為の中から解き放つことであり、すべての人に〈文学〉の担い手となってもらうことでもあります。
文学フリマの理念と目的より引用〉

毎回、文学フリマの申込時期になると迷う。私(たち)のジャンル・カテゴリとは何か、と。

自身が信じるものが文学である、というのは先程の引用にもありましたし、以下の参加要項にもあります。

出品できる物
「自分が〈文学〉と信じるもの」ー本、雑誌、コピー誌、CD-R、Tシャツなど、どのような物でも構いません。各自の良識の範囲で、自らが〈文学〉と信じる物を自由に出品してください。(参加要項より引用)

更に、文学フリマ札幌は独自カテゴリとして①郷土アイヌをもっています。①については第一回から〈日本で最も広大な大地を有する北海道は、海や森に恵まれ、かつ四季折々の風景が育んできた豊かで多彩な文化が息づいています。この地域ならではの風土・風物・地域史、伝統産業・観光に関連した作品を扱っている場合に選択・ご利用ください〉となっており、第六回で②〈日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であるアイヌ民族は、独自の言語や宗教観、生活習慣をもち、固有の文化を発展させてきました。その文化はこれまでも小説・映画・漫画など様々な形で表現され、研究・評論の世界でも注目を集めるテーマの一つとなっています。アイヌ民族やその文化について扱っている場合に、このカテゴリを選択・ご利用ください〉が追加されました。

郷土とアイヌが切り離されてしまったことが少し不安ですが、一方でこれまで「文学」には興味を持っていないが、アイヌに興味を持っているという人へのアプローチにはなっているのだと思います。そのようにして特定の対象とのコミュニケーションを円滑にするという意味で、ジャンル分け・カテゴリ分けは必要だと認識しています。

確かに文学のメインストリームは創作かもしれないし、札幌(北海道)で特筆されるのは郷土性やアイヌのことかもしれない。しかし、普遍的に全国に存在しながらも、即売会における「文学」としては弱いジャンル、評論・批評をやっていきたいと思っているひともいるはずだし…。そもそも僕が文フリに興味を持ったのが東浩紀とかゼロアカ界隈だった、ということもあるのですが…。

月末読書会side札幌は、第六回文学フリマ札幌に参戦します。カテゴリは(いまのところ)、ノンフィクション/エッセイ・随筆・体験記です。これまでも純粋フィクションだったと思ってはいないですが、意識としてノンフィクション的なものを書くでしょう。書くかな、noteの切り貼りをコピー本にするだけかもしれないですね。これを「文学」と虚実織り交ぜて言い張ることを頑張ります。

100都市計画、難しくなってきましたが「パリ開催、決定です!」をずっと待っています。

ではでは。

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