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[読書日記]ありえない仕事術 正しい”正義”の使い方

ありえないって自分で言っちゃってるけど、あれでしょ?
どうせ少し盛ってるんでしょ?
と読む前に大変失礼なことを心の中で思っていたことを正直に告白します。
本当に”ありえません”でした。
心からお詫び申し上げます。

「ありえない仕事術 正しい”正義”の使い方」
著:上出遼平

もしこのnoteをご覧の方で未読の方がいらっしゃったら是非本作を読み終わってから再度お越し頂きたい。
これは事前にネタバレしてしまうと本作の読書体験の一番面白いところが台無しになってしまうのでどうかその貴重な機会を逃さないで頂きたい。
と言うわけでここからは大いにネタバレありの内容です。

こちらも星野源さんが星野源のオールナイトニッポンで紹介されていたなかの1冊です。
(源さんはもはや私の読書コンシェルジェ、いつも大変お世話になっております)

二部構成の第一部では、仕事術というタイトル通りの内容。
「すべての原因は睡眠不足にある」とか「飲みは控えよう」など実用的なアドバイスにうんうんとうなづきながら読み進めた。
※ここで言う「飲み」とは社内の飲み会のことを指しています。

次に第二部、ここから様子が変わる。
進行中のプロジェクトを制作日誌形式で紹介となっているのだが、いつしかそのドキュメンタリー”風”の内容にどんどん引きつけられ頁を捲る手が止められない。
そして最後まで読んだ後に、
あれ?私は今何を読まされていたの??
と我に返り、思い出す。
序文の「はじめに」の最後に仕事術の本としてはありえない注釈が付記がされていたことを。

※これはフィクションです

すっかりやられた。
第一章で書かれていたことが全て第二章の中に盛り込まれていたのだ。

失礼ながら上出さんの他の著書やドキュメンタリー作品を存じ上げないのだがこの本を読んだだけで上出さんのクリエイターとしての素晴らしさが十二分に伝わってきた。
いやーーーーーこれはすごい!
久々に本を読んで興奮した。

私は上出さんとは全く異なる業界で働く身だがそれでも共感することや参考になることがとても多くあった。
ましてや、それこそこの本を紹介してくれた源さんや創作で生計を立てている人はかなり響いたのではないだろうか。
実際、本作の中で上出さんがおっしゃっていることに源さんが普段言っていることと通じる点も多いと感じた。

あと視点が少しずれるけれど、作中でデマの拡散や誹謗中傷の構造について触れられている部分があり、つい先日まさにその悲しい体験をした身からすると他人事とは思えずに読んだ。

最後に著者が最初と最後に同じメッセージを載せていたのでここに紹介する。

ひとつだけ、どうか忘れないでほしい。
何よりも大切なのは心。
目の前の誰かの、あるいは隣の誰かの、
そして何より、あなた自身の心だということを。

上出遼平著 ありえない仕事術
〔あとがきにかえて〕より

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