バーチャル世界をクリエイターとして生き延びる為の5つの戦略
バーチャル空間は、この2年ほどで急激に豊かになったように思う。
Vtuberという「どんなジャンルのクリエイターでもガワを持つことで一つの箱に収まることができる仕組み」の発明によって、匿名個人が一気に力を持った。
VRChatは、クリエイターに「自身のクリエイティブを具現化する場所」を与え、BOOTHやFantiaがその収益化を担った。
VR空間で過ごす人が増え、物(モデルやワールド、他デジタルプロダクト各種)が増え、還流するお金の量も増えた。
バーチャル空間はレッドオーシャン化したのか?
一方、様々な界隈からあまりにも大量のクリエイターが一気に押し寄せたことで、あっという間にバーチャル空間のプロダクト開発はレッドオーシャンになった(ように見える)。
VR空間で使用する用途のデジタルプロダクトは、現時点でも9000種以上あり、Vケットが1度開催されるごとに1000〜1500種の商品が新たに生まれる(おそらくVケット4ではもっと多くなるだろう)。
ここで改めて意識しておきたいことは「バーチャル世界はまだまだこれから」だということである。
2017年末に炸裂したVtuberブームは、2018年初頭に個人勢の下支えの元で発展したものの、その後企業の参入によって個人勢の大半が淘汰された。2019年は、企業勢の引退や事務所の撤退が相次いだ。DJ RIOちゃんこと荒木さんが「2019年はVtuber業界は幻滅期になる」と言ったが、正にその通りの結果となった。
勝手に期待し、勝手に幻滅して市場を去っていったプレイヤーは、有り体もなく言ってしまえば勝負に負けたのだと言える。では、どうすれば勝つことができたのだろうか。
いかにして幻滅期を生き延びるか
答えは簡単で、
「最後まで立っていれば勝ち」である。
一時的なブームがあろうが、周囲が勝手に幻滅して「オワコン」扱いされようが、志を貫いて、例えその間細く長くになろうが泥水を啜ることになろうが、市場が本当の意味で熟すまで「耐えた者の勝ち」だ。
2020年は、バーチャル空間に生きるクリエイターにとって厳しい年になるだろう。その道のプロも含めた競争相手が増える一方で、需要や用途の開発にはまだ時間がかかる。Vtuber業界で起きたことがここでも起きる。勝手に期待して勝手に幻滅して去っていく人の背中を幾度も見送ることになるだろう。
見切りをつけて去る者になるか、それとも耐え忍び生き抜くか。選択は自由だが、「バーチャル世界はまだまだこれから」ということを考えれば、自ずと答えは出るように思う。
一見レッドオーシャンだと思われる今ここは、小さな水溜りの中に過ぎない。隣には、水溜りの中からは決して観測することのできない大きな池や湖がある。既に水路は引かれ始めている。技術の発展と時間の流れが、恵みの雨をもたらし、酸素不足の水溜りは豊かな海に変わっていくだろう。変化の波に上手く乗り、去ることも溺れることもなく、大海の恵みを享受できるようになるまで、生き延びるのだ。
バーチャルマーケットを主催する立場である私は、アバター文化の始まりと隆盛、バーチャル空間での利用を前提としたデジタルプロダクトについて、人よりもかなり長い時間を使って渦中から観測してきた自負がある。
その視点から、黎明期にもまだ至らないバーチャル空間を、クリエイターとして「いかに生き延びるか」の戦略について考えてみた。
自分にはこの戦略が合いそうだ、というものを見つけてもらえたら嬉しく思う。
はじめに
まず最初に、全ての物事に共通して言えることとして「天才はいない」ということを認識しよう。
あなたは天才じゃないし、あなたが羨むようなスタークリエイターだって天才じゃない。
全ては、継続と努力と知恵の結果に過ぎない。
スタークリエイターだって悩んでいる。
隣の芝は青く見えがちだが、見なくて良い。
あまりにも羨ましく思ってしまうなら、例え尊敬するクリエイターであってもミュートして見ないようにしよう。
向き合うべきは自分と自分のクリエイティブだ。外に答えは無い。
人類皆凡夫であり、同じ場所に立っていて、上も下も無いのだ。
まずはその前提に立った上で、自分にとって最適と思われる戦略を考えていこう。
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