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マドゥライのホームステイで家庭料理を教わってきた!

しばらく旅をしていると外食ばかりになってしまいがちだが、インドにおける外食と家庭料理はかなり差が激しいものである。

ホテルやレストランの料理は塩と油がキツイ傾向があり肉料理が中心になる。ベジ料理もレストランはコッテリ系のものが多く、非日常的経験を得るにはよいのだが毎日食べるのはしんどい。

一方、家庭料理は経済的な理由も大きいが野菜中心で素朴、つくるたびに味が変わったりすることが逆に毎日食べるにはちょうど良い。

チェティナード料理教室のためカライクディのThe Bangalaでみっちり料理を教わった後はマドゥライに戻り、一般家庭で一泊ホームステイをさせていただいた。目的はもちろん家庭での料理を見学すること。

マドゥライの街の北部住宅街に位置するCriston Home Stayという所で、救急センターで働いている息子さんと警察官のお父さんの家族が運営しているアットホームなホームステイ。息子さんのお嫁さんとお父さんの孫にあたる小学生のお子さんも同居していた。

ちなみにこちらは名古屋too much indiaのトミーさんに紹介していただいた場所で、建物の向かいに離れの客室があり快適な一泊をすることができた。

食事をするのは母家というか普段家族が生活しているスペースであり、インド人の一般家庭の台所の様子を知ることができ大変貴重な経験であった。

備え付けの調理器具としては主に鉄製の小さなカダイを使っており、食材のカットはまな板と包丁を使用。
ウェットグラインダーとミキサーはフル稼働で毎日のように使っているようだった。

キッチンの野菜ストック。ニンニクを2種類使い分けていた

夕食

ダル、キャベツポリヤル、ポテトマサラ、チキンカレー(ドライ)、ポンニライス、ビーンズマサラ、自家製ピックル、自家製ヨーグルト、ラッサム

食事は有料なのだが、いつも通りの食事をリクエストして作っていただいた。いつも通りといいつつもチキンは週一くらいでしか食べないようなので特別なご馳走を用意してくれた。

チキンカレーはかなりシャバシャバになるまで一度水を入れたものを煮飛ばしドライな仕上がりにしていたため骨つき肉が柔らかく絶品。ダルには既製品のサンバルパウダーも使われており再現性がない。しかしそれが逆に「これぞ家庭の味」と思わせるような体験だった。なぜか普段日本で食べているマサラ部室の料理を思い出し、ポンニライスを何回もおかわりしてしまった。

作るところを見せてもらったので以下に簡単なレシピを書くが、家庭のレシピで目分量であることもあり再現性はない。

スパイスボックスの中身。ウラドホール、フェンネルシード、フェヌグリーク、ブラックペッパー、クミンシード、ウラドダル入りマスタードシード、チャナダル

ダル Dal

タマリンドの入らないサンバルのようなダル。

レシピ

洗ったトゥールダルに角切りしたトマト 1つ、スライスしたシャロット 4つ、クミンシード少々、ブラックペッパー5粒、ターメリックを少し、青唐辛子2本とヒング12振りを加えて圧力鍋で10分ほど煮る。
加圧が終わったら塩小さじ1を加え、ピーナツ油でテンパリングする。
テンパリングの際にSAKTHI SAMBAR MASALAという既製品スパイスミックスを投下。
テンパリングスパイスはメティシード小さじ1/2、マスタードシード小さじ1/2、赤唐辛子1/2を4本、カレーリーフ10枚、SAKTHI SAMBAR MASALA小さじ2程度。温めた後水50ccを入れてから煮たダルの方に混ぜる。

キャベツポリヤル Cabbage Poryal

レシピ

細かめに切ったキャベツ1cupくらいにムングダル、生姜のすりおろし、ターメリック小さじ1/4、水50cc程度、塩一振りを入れ圧力鍋で5分加熱。
別鍋に油大さじ1、ピーナツ大さじ1、マスシ小さじ1/2、チャナダル小さじ1、ウラドダル小さじ2を加熱し青唐辛子2本、カレーリーフ10枚を炒めたら煮たキャベツを加えて混ぜ、仕上げにココナツをふりかける。

ポテトマサラ Potato Masala

レシピ

じゃがいも4つを茹で、皮を剥いて一口大にカット。
ピーナッツ油大さじ2を熱しマスタードシード、ウラドダル、フェンネルをひとつまみずつ加える。ニンニク3片のみじん切りとカレーリーフ20枚、玉ねぎスライス70gくらいを強火でカンカンに炒める。塩少々と謎のマサラ*小さじ2-3を振った後じゃがいもを混ぜ、弱火でしばらく蒸し煮にする。

*謎のマサラ…コリアンダーベースのホームメイドマサラ。上記スパイスボックスの中身のミックスでベジに使える万能系マサラ。


チキンカレー(ドライ) Kozhi Masala


骨つきチキン1kgをターメリック水で洗い、レモン汁をかけてマリネしておく。

カダイに小さじ2のピーナッツオイルを熱しクミンシード小さじ1、ブラックペッパー小さじ1、フェンネルシード小さじ1、カシア2片、クローブ1、カルダモン2、カルパシ2㎠片を加熱する。
玉ねぎ1/4個スライス、シャロット20個(そのまま)を強火で炒め4つ切りのトマト1個、カレーリーフ10枚を加えたら弱火で5分炒める。コリアンダーリーフ適量とドライココナッツ1/4個分を削ったものを加え、ミキサーでグラインドする。別鍋で油大さじ2を熱し、カシア1、クローブ2、フェンネル小さじ1、スターアニス1片を熱する。玉ねぎ1/4スライス、カレーリーフ10枚を茶色になるまで強火でフライしたらレモンでマリネしておいたチキンを加える。塩2つまみと青唐辛子2本を強火で蓋して煮る。RiRice waterを50cc加え、10分ほど煮込んだら既製品のAnand Masala大さじ2、チキン65用のマサラ小さじ1を加え、全体が浸るくらいの水から煮始め最終的にドライになるまで水分を煮飛ばす。

ポンニライス Ponni Rice

ポンニライス1 に対し水を2倍量加え、圧力鍋で10分加熱し蒸らす。


朝食

イドゥリ Idly

5cupのIdly riceに1cupのUrad dalを混ぜ、4時間浸水して30分くらいウェットグラインダーにかける。塩を一掴み入れ、少ししょっぱめのバッターにする。
下から持ち上げるように素手で丹念にかき混ぜるのがよく発酵させるためのポイント。

ワダ Vadai

右手だけでボールを作り、親指で穴を開けて油に投入する。


チャイ Chai

牛乳 200cc、水100cc、茶葉小さじ2杯、砂糖大さじ3 、生姜とカルダモンをほんの少し。少しずつ煮立て、沸かして止めるというのを数回繰り返す。

たった一泊だけのホームステイだったが、家族の一員に加えてもらったかのようなとても気持ちの良い体験をさせてもらった。
出発した後、近くにあるおすすめのBun Parotta屋さんの食事で激しくお腹を壊してしまったのはまた別の話。


インドでホームステイ先を見つけるには

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