見出し画像

カレー哲学の視点(21/6/27〜21/7/3)

文章を書くリズムを作るため、何も考えずに毎週日記を書くことにした。主にカレーを食べた記録とカレーを作った記録、カレーについて考えた記録。

推敲も校正もせずに気軽に更新するnoteです。
2021年下半期、既存のコンテンツもちゃんと更新していきます!
最後に購読者限定コンテンツをつけます。

日曜日

うさぎのカレーを作った後、例の間借りへ行った。

画像4

うさぎは初めて料理したが弾力のあるあっさりとした鶏肉のような感じ。チェティナード風にしたのだが、わりかしなんでもないふうに食べられる。

こういう珍しい肉は麻布十番の日進ワールドデリカテッセンでだいたい買える。鳩とかワニとかカンガルーとか色々売っていて楽しい。

例の間借りの体験は改めて別で書いておきたいが、言語化するのがなんとも難しい。ベースはフレンチでありながらスパイスや香りで最大限に遊んでいて、杉や牧草までも香りに取り入れられている。自然音や生活音を取り入れる楽曲にも近いような思想を読み取れる。香りのするものは全てスパイスであり、そこに特に決まりはない。

画像5


月曜日

月曜日は常にだるい。自分の部屋は一階キッチン兼リビングの真横なので、毎朝他の住人の話し声で目が覚める。住人Aが朝からチェティナード風のうさぎのカレーとビーツのパチャディを前に盛り上がっているようだった。

「ビーツのパチャディはピンク色でかわいい」という声をよく耳にする。たしかに並んだアイテムの中にショッピングピンクの星のカービィのようなドロドロが一つだけ混ざっているのは視覚的にも不協和を引き起こして、全体にアクセントを与えていいのかもしれない。などと考えていたら冷蔵庫にカレーが10種類くらいあって大変だった。朝からたくさん食べた。

やはり土日になるとカレーが繁殖しがちで、月曜日にカレー消費のピークがやってきて、水曜くらいに残りのカレーが少なくなって不安になり、木金にまら新たなカレーが生み出される、というのが最近の流れである。

サンバルが2つ、水牛カレーが2つ、ウサギカレーとラッサム、レッドキドニー、ビーツパチャディ、スンダルなど。

画像1


火曜日

スンダルというのはタミルでよく食べられている豆のサラダというか炒めもののようなものだが、なんとかというお祭りでは9種類のスンダルを9日間かけて食べるらしい。スンダルってそんなに種類たくさんあったの?
よくわからないけど住民Cが発芽したえんどう豆を買ってきてグロかった。

鶏をさばいてみるときなどもそうだが、普段自分は生き物を食べているという自覚がなく食べていることが多いなと突然気付かされる。当たり前だが豆は豆であり、食べ物以前に発芽して新たな命を宿すための栄養タンクである。

発芽したえんどう豆に「グロい」という感情を抱いてしまうのは、普段気づいていながらも無意識に蓋をしている事実が明らかにされてしまうからなのだろうか。

画像2

などと思いながらえんどう豆のスンダルを食べた。

えんどうまめ


夜は鳩のカレーを作った。英語でレシピを検索しているとインド人よりも欧米のインド料理マニアのブログがよくヒットしてきて、この鳩のチェティナード風もそんな感じだと思う。

鳩の肉というのを初めて食べたんだけど胸肉まで血が通っていてレバーみたいでウケた。かなりオーバースパイスなのだがなかなか臭みが強くてワイルドになり、チリと塩を足してしまった。

画像6

画像7



水曜日

近所のネパール料理店に水牛の肉を買いに行くも品切れとのことで、雨の中必死で新大久保まで自転車で走った。ジャンナットハラルフードに目的の水牛肉が見つかり3kgほど購入した。その他にも必要な物品がいくつかあり、二階が無事建設されたグリーンナスコを覗いているといきなり店の外から声をかけられた。見てみると瞬間的にはわからなかったが、どうやら日曜日に間借りでお邪魔したフレンチのシェフで、流れでネパール料理を食べることになり、BUFFALOの肉を3kg背負ったまま、最近オープンしたネパール料理店のヒマラヤンマルシに行った。

シェフはフレンチの修行をしておりかなりの実力だが最近はネパール料理にハマっており、新大久保ではソルティーカジャガルがお気に入りとのこと。渋いね。

話題はカレーのことから鳩のさばき方、料理人としての今後のことなど多岐にわたり、興味深かった。

画像8

画像9

画像10

初めて食べる赤米は思ったより水分が多めで、日本の田舎でもこういうものを食べていそうだ。ダルはシャバ目の仕上がり。この店は特にモモが白眉で、てづつみの生地に小籠包のようなスープが詰まっていてアツアツだ。

ってか、こんなことあるんだ。


木曜日

7月からスリランカ月間に突入して着々と東京マサラ部室のスリランカ化が進行しているのだがなかなか気持ちはタミルから切り替わらない。もう半年ほど毎月のテーマを変えて活動してきているのだが。月初はどうしても気持ちを引きずってしまう。一ヶ月では何もわからずわからないことが増えるだけだからだ。余計なことを何も考えずにカレーに没頭できたらいいが、雑事に追われて時間は無情に過ぎゆく。

夕食にプリを揚げじゃがいものマシャルを作り、住人Bの持ち帰ってきたカレーを載せたらなんとなく豪華で満たされた気持ちになった。

プリはチャパティ生地を揚げたパンだが、油が多いカロリーおばけである。注意が必要だが美味しい。なるべくちいさく薄めに伸ばし、強火でさっと揚げたほうがそれっぽくなる気がする。

画像11


金曜日

下北沢の本屋B&BにカレーZINE Vol.2を置いてもらえることになった。うれぴよである。カレーの棚の一角に、同人誌ではあるが自分の出した本があるというのはなんだか誇らしい気持ちになる。とはいえまだまだやりたいことはたくさんあるし、カレーには可能性しかない。

画像12

画像13

ZINEによくあう香りのマサラも作って、まぶしてもらいました。

せっかく下北沢にきたのでADDAさんとアンジャリさんに寄った。
シェアハウスを始めてから外食の頻度がかなり減ったのだが、久しぶりにちゃんとお店のカレーを食べると発見がある。

日頃塩分に頼りすぎていないか?とか、目で楽しませているか?とか、型にこだわる限りとらわれていないか?とか。

画像14

画像15

アンジャリさんではサンバルにきゅうりがはいっていて、ちょっとマンガロールのこと思い出したり。あれはマクワウリらしいけど。ごちそうさまでした。


土曜日

ある筋から協力の要請を受け、『ジャッリカットゥ牛の怒り』にインスパイアされたカレーとして何品か作った。映画の中では屠殺されそうになった水牛が村中を暴れまわり、キャッサバ畑が踏み荒らされる。作中ではさんざん食べ物の話が出てきて、印象的なセリフは「水牛を捕まえたらタピオカと一緒に食ってやるぜ」というものだった。

必然的に水牛とキャッサバ芋を食べたくなる映画だった。キャッサバのビリヤニは米の代わりに芋とカレーを和えるだけなのでビリヤニの概念が崩される。8月になったら、毎日ビリヤニを炊く生活をしよう。

画像17

画像18

画像16

・水牛の屋台風カレー
・ケラララッサム
・水牛とタピオカ芋のビリヤニ
・ケララパロタ
・タピオカのハルワ

7月に入ってスリランカの探究活動を開始した。
スリランカゼミを実施し専門家の話を聞いてみたけど、やはり自分はスリランカのことを意外と知らなかったと気づいた。毎日パリップを作ろう。


登場したレシピやお店の情報


うさぎのカレー

ここから先は

206字

◾このメンバーシップについて 日本にインドをつくる。カレーとインド料理研究のためのオンラインコミュニ…

ガラムマサラプラン

¥999 / 月

いただいたサポートは全てカレーの材料費と東京マサラ部の運営資金となります。スキやSNSでのシェアもお願いします。 インド料理やカレーの本を出したいです。企画案がたくさんあるので、出版関係の方、ぜひご連絡ください。