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聴覚情報処理障害の難しさ。

 331回目です。φです。

 昨日はグループでのテレビ電話をしまして、「やっぱり私の耳不便ー!」と感じました。耳というか、脳の聴覚野というか、音全般。

 普段の会話では「あ、意外に簡単な受け答えなら仕事でもやっていける?」と感じ出したこの時期だったので、若干のショックがありましたが、数度目の「やっちゃったね☆苦手な仕事選び」は回避できたように思えます(笑)

 英語、いくら上達しても私は検定で点数はとれなさそう。リスニング、できません母語でも。

 私の機能の経験を踏まえて、聴覚情報処理障害について書こうと思う。この障がい、広く知られるべきだと思います。


 さて、ご存じの方はいらっしゃるとは思いますが、改めて確認。Wikipediaさーん、出番ですー。

 聴覚情報処理障害(ちょうかくじょうほうしょりしょうがい、英: Auditory Processing disorder, APD)とは、聴力は充分にあって可聴音は聞こえているものの、脳に機能障害が存在するために、特定の条件での聞こえにくさを呈したり、聞こえた音の解釈に問題が生じる状態。「Central Auditory Processing Disorder」と同義。

 NHKもどうやらラジオで報道したことがあるようで、記事を貼っておきます。

 *ざわざわとした状況下では話しかけられても分からない(音の大小に関わらず)。

 *早口や小声で話されると聞き取れない。

 *電話の音声が聞き取れない。

 などが基本的な訴えかなぁ。

 聞き取れないから、聞き返す。それでもやっぱり聞き取れない。そんなことなんて日常茶飯事、って感じです。

 私の意見ですが、これは学生時代ではあまり目立ちません。聞き返しても問題がそこまで発生しないから。問題になるのが、社会人になってから。

 指示を口頭で出されて、聞き返して、何度も聞き返して、相手から「使えない」「ちゃんと覚えて」「ちゃんと聴いて」と言われるのです。社会人は学生とは立場が全くもって違うから、指示ひとつ聞き逃したら大変なことになります。

 私は文章にして1行くらいの言葉を、言われたように繰り返して言えなくて、それはそれは…すごい言葉を言われ続けました。さくっと言うと「馬鹿?」みたいな感じの☆

 まぁ人は同じことを(特に面白くないのね!)繰り返されることがあまり好きではないので、みなさんお怒りになります。意図的じゃないにしても、相手にとっては不快な行為なのでしょう。繰り返し聞き返されること。

 聞き返さずに行動すると、ミスが多発。今度はそっちで指摘されて「ちゃんと聞いて!」になります。無限ループですね!

 忙しい現場だと特に、大変なことになるのです…一回で聞き取らないといけない、聞き返せない、分からない。

 耳が悪いのではなく、「聴覚情報処理障害」の文字通り、聴覚情報を処理できないのであって、音としては聞き取れているんですよね。不可解なことに(笑)

 これがまた誤解を招くのです。わざとやっているんじゃないかー、みたいな。

 さて、本題。私が今まで「テレビ電話だと電話より話理解できる!」と思っていたことが覆されたことについて。

 私が電話よりもテレビ電話の方が、私にとって都合が良いと思うことは、相手の顔が見えるからです。顔というより口。口元。口の動き。

 日頃から私がこっそりと行っている読唇術が可能ですテレビ電話。画面フリーズの瞬間の「あ、私終わった」という絶望感はありますが(笑)

 声音で感情を理解するのが私は得意ではないので、表情って大事。あと動き。

 私は疑問文を認識するのが苦手です。「~ですか?」なのか「~ですか。」なのか、判断が難しいんですよね。音のトーンを見極めるのが…聞き分けるのが?どっちだろう。まぁ苦手。

 余談ですが、未だに「柿」か「牡蠣」か、みたいな認識ができていなくて、同音異義語は不得意。どうやって人は習得するのか…というのは私の永遠の問いです。

 で、表情は大切です。私は人の顔を覚えることはかなり困難だけど、表情大事。私が見分けられるのって簡単なものくらいしかできてはいないだろうけれども、それでも貴重な情報のひとつです。

 動きは一番大切な情報。首を傾けていたら「これは…問われている…!」と確信を持てます(笑)

 基本的にみなさん穏やかな顔でお話しするから、感情表現を見極めるのって難しいのだけども。動きもジェスチャーもないので、難しいよね…。

 そんな聴覚以外の情報を得られるテレビ電話ですら困難と感じたのは、やはり「長い問い」への返答。

 一問一答形式なら得意だけど、「要約・前提・疑問・意見・感想」みたいなたくさんの言葉で構成されている問いは、途中で忘れてしまう。ちゃんと集中して聴いていても。

 例えば、ABCDの流れで話をしている人に私が答えなければならないとします。

 Aを聴いて、Bを聴いて、C…あ、AとBなんだったっけ…C終わってた話、ええとD…え、何て?

 と、いう感じです。

 AとB思い出すからC聞けないんでしょ?と思われるかもしれないけれど、仮にAとBに思いを馳せなくてもCとDは聞き取れませんし、多分忘れます。

 なので、最終的に「え、なんだっけ?」になって、質問のほとんどを覚えていない状況になるわけです。Dが記憶にわずかに残っている感じ、かなぁ。

 話が途中で紆余曲折ある系だと、もう私の返事なんて的外れも的外れ!「どこ聞いてたの?!」みたいなことになります。

 覚えようとしても、頭に入らなくて、逆にどんどん抜けていきます。ちゃんと聞いているんだけどね。

 如何に聴覚以外の情報を手に入れても、やっぱり大切なのは聴覚からの情報。あくまで聴覚以外の情報は補助的なものにすぎません。

 それを今回のテレビ電話で感じました。言葉を文字にしたら覚えられるのに、音声だと全く覚えられない。補助があっても、本来のものを理解するには聴覚から入る言葉の情報が必須なのです。

 テレワークで、必ず字幕付きのものじゃないと難しいだろうな。聴覚情報処理障害の方。

 この障がいは、治ることはないし、改善法もない。未だに謎が多いものです。

 謎が多いにもかかわらず、困っている人はたくさんいる。だからこそ、正しい情報で、正しい対処法を広く知られることが大切だと思います。悩んでいる側は、本当に悩んでいるのですから。

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