「郷愁ポルトガルー地果て海始まるところー」を読んで。
705回目です。φです。
微熱があったということもあり、読書に勤しみました。気温が急に上がったり下がったり、で体温調整上手くできてないんだろうなぁ。春は難しい。
急にハマった国が”ポルトガル”でして、「よーし本読むぞー!!!」という勢いのまま、図書館に突撃し、閉架図書まみれのリストアップになりました。さすが私、閉架図書ばっかり(笑)
古いものの方が性に合うんですよ。多分。
こちらを読みました~。1993年の本で、だいぶ情勢は違っているんだろうなぁと思いつつ。その時代を生きた方々から、国の過去を知るような気持ちで読みました。政治情勢とかね。経済とかは5年で変わることもあるし、ポルトガルはV字回復していてかなり変わっているそうだから。
ちょっと前までPIGSで呼ばれてたけどね…Portugal(ポルトガル)Italy(イタリア)Greece(ギリシャ)Spain(スペイン)、の頭文字。もしくはPIIGSで、上記した国に追加してIreland(アイルランド)。
この言葉、作ったのがイギリスの銀行だから「ああ、言うよねイギリスなら」と私は納得しちゃいます。イギリスだもの。
そんなこんなで色々なあだ名が「よくもまぁ思い付いたことで」と感心できるくらいに生まれています、経済に関して。面白いので、ご興味ある方はぜひぜひご覧あれ。
この本が出版された1993年でも”欧州で最も貧しい国”と紹介されていましたが、それが長期化していましたポルトガル。2019年にやっと回復。長いものですね。
ポルトガルの没落はポルトガルで起こった大地震、リスボン大地震から…なんて言われています。1755年。ちなみにこの大地震があったからこそ、今の地震への研究が始まった、とも言われているのだとか。この地震でポルトガルは壊滅的被害を受けた。Mw8.5 - 9.0、だったのだとか。
さて話はずれましたが、本の話に戻りましょう。楽しかったんですよー!!
私が特に興味深いと思ったところは、”ポルトガル文学”について。
正直に言ってしまうと、ものすごくマイナー。私のよく行く地元図書館は規模が小さいけれど、そこでも一応は海外文学のコーナーがある。少ないけど。英米文学って具合に、アメリカとイギリスも混ぜるくらいだけど。ドイツ文学の中にスイスの作者とか混じってるけど。
その図書館では、”スペイン・ポルトガル文学”と分けられています。今回読んだ本でもそう書かれていました。つまり一緒にされている。そこら辺からも、マイナー具合を知ってしまう。さらに言うと、スペイン・ポルトガル文学は棚2段くらいしか本がいない。切ない。
ペソアの本を見つけられたことは幸福だったのだと思います。あれでちょっと興味を持ったんですよね、独特の文学に。まぁペソア=ポルトガル文学、というわけではないのだけれど。
独特であり、はっきりとした特徴がない。そう称されたポルトガル文学。なんとも不思議です。ものすごく掴みづらい例え(笑)
けれど、さすがは大航海時代の幕開けと言われる国。何かを求めて遠くに行く、というノンフィクション系が多いらしい。〇〇紀行、みたいなのが多いのかな。
私はそこまで文学に明るくない。有名なところのアガサ・クリスティだって諦めた。なんというか探偵ものって苦手なんですよね、長いし。人間関係が複雑。
なぜ私がロシア文学を読めたのかは正直謎。極限までネガティブに、けれど妙に明るく、自分と向かい合うのが面白かったのかもしれない。結構ぶっ飛んでるよね、ロシア文学。急に怒ったり泣いたり。感情の幅が大きいのも、ロシア文学の面白さ、だと思う。
ドイツ文学は思考と人間味の揺れが面白いかな。ファウストをなぜ私が読破できたのかは謎。人間らしさ、つまりは欲望と理性、これがリアルに描かれていて、なんだかドイツ語の神髄を見たような気分。気分なだけだと思う。
そういえばフランス文学はあまり知らないかも。読んでみよう。スペイン文学も、北欧系も。ううむ、読む本が多い!楽しい!
さて逸れてしまいましたが、ポルトガル文学はなんとなく自分でも読めそうな気がします。大海を渡った国民の血は絶えていない、というような言葉が文学の説明に書かれていたのが、印象的でした。海に出ることが、何かしらの形でポルトガル人の心に存在しているのかもしれない。
マニアックに解説されているところもあって、全体的に「ポルトガル好きの人には面白いと思う!」と言える本でした。私は文学に目を向けるきっかけももらったし、細かいことをあれそれ知ることもできた。やっぱり文化って面白いですね、違いがあって、それには歴史があって、人間が何世代と変わっても変わらないものがあって。それが受け継がれてきたものなんだなぁと思う。
余韻が素晴らしいこの本、ポルトガル好きさんにおすすめ。古すぎて見つけられないかもしれないけどね!(笑)
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