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本の落書きに思うこと。

725回目です。φです。

図書館の本を借りて、色々と読んでいます。私が借りるものはどちらかというと専門的なものが多くて、自分でも「マニアックな人しか読まないよね~」なんて言っている。

先日読んだのはドイツがまだまとまっていなかった時代に乱立していた300もの諸侯の歴史。この時点で、すでにマニアック感が分かるかもしれません。ちなみにこちら。

そうそう、私は最初「ドイツって歴史が長い建物とかあるのに、どうして新しい国なの?」と思っていた頃がありました。世界史とってなかったし、そこまで興味があったわけでもなかった。ただドイツの馬が好きなだけで(笑)

”ドイツ連邦共和国”は新しい。けれど、それに至るまでには長い歴史があって…とは、なかなか思いつきませんでした。

知識として”ドイツ連邦共和国。中欧に位置する欧州の一国。環境問題に力を入れている。母語はドイツ語。云々”みたいなことを知っておくのは十分だと思う。。そこから踏み込んだ知識を持っていると、役に立つ立たないは別にして、なんだか面白い世界に出会うことができます。

まぁそこら辺でこの話は置いておいて。

図書館の本で、最近私が気になること。2つの図書館から私は本を借りるのだけれど、どちらとも共通していること。

”本への落書き”

さて、本への落書きもしくはメモ書きってしたことありますか?

私はありません。書きたいことがあったら、本のそのページの写真を撮って、もしくはパソコンのワードとかで書いて、もしくは手書きでノートに書いて、本には絶対に書かない。

本が傷むからです。自分のものであっても、誰かのものであっても、国のものであっても、本は本。紙でできている本は大切にしないとすぐに悪くなってしまいます。

それに、図書館は「本への落書きはNG]というアナウンスをしている。つまり、禁止行為に近い。

そういう事実がある一方で、正直めちゃくちゃ落書きは目にします。先日「これはないでしょ!」と思ったのは、蛍光マーカーの線入りの本。

このドイツ300諸侯の本には、ご丁寧に訂正がされていた。例えば地名にバツ印&訂正(?)。

本人が書きたいから書いたのか、それとも何かしらの意図があるのかは知らないけれど。もしその意図が「ちゃんとした知識を教えてあげよう」だったら、なんだかなぁ、と思う。

本目線で言うのもあれだけど、本からすると「いや書かないでよ」とか思う気がする。誰かが訂正せずとも、興味があれば調べる人もいるだろうし、本だって専門家が書いていることだ。特に専門書と言われるようなものに関しては。読み手があれこれせずとも、十分に考察されているんじゃないかなぁ、なんて思う。

まぁ私も本を読んでいて、「あれ、漢字違う」とか「誤植?」とかに遭遇することは多々ある。それはそれで良いし、ミスなんて誰でもあるもの。私が訂正する意味はない。「だろう」という文章が「であだろう」になっていてもね。多分「である」を訂正しようとしてあれこれなってしまったんだろうなぁと(笑)

本当に間違っている、もしくは当時には発見されていなかった事実があって、それをどうしても書きたいなら。出版社に問い合わせた方がいいんじゃないかなぁとも思う。本に誰かが書いたところで、その本に落書きのようなものが増えるだけで。誰でも更新できるようなシステムは、本には存在しないのだから。

そしてこれは私の個人的な意見だけど、本の中には更新されなかった情報を残しておくのも、十分な価値だと思う。当時のことが事細かに残っている方が、価値があがる。土地名だったら、「当時はそう呼ばれていたんだ」とか「当時は別の国のものだったんだ」とか。本を通して、歴史を感じることができる。

日本人がドイツについて書いた本を読んでいて、そう思いました。発刊された時代は東西ドイツが分断されていて、別の国だった。それがどういった状況だったのかを、本を通して分かる。今東西ドイツについて書いても、あのリアルさはできないだろうと思う。歴史になったものを書くのと、進行形で書くのでは大きく違う。

色々書いたけれど、結論。「本には落書きしちゃだめだよね!」ということ。そもそも自分のものじゃないものに、自分の跡を残すのは相応しくない行為だと思う。

誰かにとっては「ちょっとやったこと」でも、善意を含んでいても悪意を含んでいても、本にとっては大ダメージで。それは修正できたとしても、多大な時間を要する。司書さんたちの仕事を増やすことにもなるし、修正できないものだったら「どうしようもない」のだ。

ルールを守って、誰もが図書館の本を楽しめたらいいな。そう思います。

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