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(自分は)頭脳流出?

毎日暗くなっている中、この写真は天気が偶然良かった日。

定義の確認は?

頭脳流出とは看護師や医師などの医療従事者や情報技術分野における先端的技能を有する高技能労働者が母国を離れ他国へ移住する現象だそうだ。
一応、医師免許を持っている僕も仲間に入りそう。
周囲の同僚を見ていても似たような背景の人がいるので彼らも頭脳流出ということだろうか。
この場合、ノルウェーに流入しているということになる。
世界のタレントを惹きつけるランキングでもノルウェーは2021年度で四位だった。

自分を見ると

僕は定義的に医師免許があるのでクリアかと思う。
別にクリアする必要はないのだけど。
一応研究者目線で見てみよう。
ノルウェーに来るまでに筆頭論文を5本、共著2本、国際学会で賞をもらったりした。
ノルウェーについてから日本の仕事を引き続き行い、筆頭論文をさらに一報、2nd authorとして一報増えた格好だ。
下世話だが、一応Impact Factorでどのような雑誌に載せたか書いておこうと思う。
Impact factorとはなんだね、というとその雑誌に載った論文をどれだけ引用されているかというのを見てみた指標だ。
意義としては、良いとされる雑誌はIFが高い。
一般的に知られているNature, Cell, Science等は勿論高い。
ここでは臨床分野でも医学分野でも有名な雑誌を例に挙げておく。
The New England Journal of Medicine: 176
これは異常な値ですごすぎる。
基本的にIF2~5点くらいが一般的な目標の雑誌になることが多い気がする。
僕が筆頭著者として載せた雑誌のIFは6点弱一報、2点台二報、3点台二報(2021のIF)。
今回、ノルウェーに来て継続でやっていた仕事がIF 10点代の雑誌に載せれた。
これは結構な快挙だったようでプレスリリースをするとかなんとか日本で上司達が嬉しがっている。

PhD前の業績

以上がPhD前に掲載決定した業績だ。
筆頭論文が6つ、共著で3つ。IFも5点以降が一つ、10点以降が一つ。
ノルウェーでもかなり褒めてもらえるような業績量だと思う。
最近ふと思ったことは、ここまで業績を出した上で更にIF二桁を達成する研究者もどきが日本から流出して良いのかということだった。
勿論、一人でできる研究なんて存在しないから独力でやったなんていう気も無いし、それは事実ではない。
しかし、客観的に見て若手で医師免許を保持していて英語も問題なく、論文も研究もまあ出来ないわけじゃない人材が日本でPhDに入らないというのは不味くないか。

なぜ離日した?

PhDの給料が払われない日本はおかしいと思う。
ノルウェーではPCもデスクもディスプレイも研究資金から負担してもらえる。
学費なんて払ったことない。
これを知ったからでもあるが、日本でPhDをやる価値を見出せなかった。
勿論海外で挑戦したかったし、新しいチャレンジを求めたのも事実。
一方で同じ待遇で同じ指導を受けれたら、確かに日本も十分に視野に入ったと思う。でもwork life balance悪いから結局海外に行ってたと思うけど。

帰国はしない!

以前も何回か書いているが、帰国する気がない。
ポスドクを日本でやるなんてありえないと思っているし、ポストがあっても戻る気が全くしない。
なんなら頑張ってノルウェーで医師免許を取ろうかと思ったりしている。
帰国する方が楽そうだけど、それを超えるような魅力があるということか。
頭脳循環といって頭脳流出した人材が帰国して母国がよくなるということもあるらしい。
なんとなく循環する気がしない。
誰かに言いたいわけでもないけど、国内の環境をよくしていかないと海外の優秀な人材も日本に行きたがらないし、頭脳循環も起きないよ。
研究者と医師の待遇改善しないと(まあ一般職から全部良くしないと)、当分日本で良い人材を止めることには苦労するんじゃないだろうか。


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