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製薬会社でのキャリア形成の考え方①

キャリアを考えることは社会人であればどの業界や領域でも考える課題と思いますが今回は製薬会社・業界において注目していきたいと思います。

製薬業界に入られる方の多くの学歴として最終学歴が大学卒業の方が多いと思います。中には院卒業や医歯薬系で卒業年数自体が通常学部よりも長い方も他の業界と比較しても多い傾向にあります。このことから社会人として社会で働くときの年齢が24,5またはそれ以上の年齢であることも珍しくありません。
とはいえ、現代の日本では年金問題も含めて、社会人として勤務する年齢は60歳を超えても働く時代が見えておりますので約35-40年間の長いjourneyなわけです。

新卒時に苛烈な就職活動を勝ち抜き、希望の会社に就職してその会社で一生過ごせる人、転職する人、様々なキャリアがあることは製薬業界でも同様です。

ではこの製薬業界でどの様なキャリアを目指していくことが自身にとって望ましいのか、その為の近道や努力の方向性は?という問いに明確に答えている記事や情報はありません。
転職アドバイザーや会社でもあまり建設的な相談が出来る状態ではありません。

なぜなのか?

それは、、業界に特化した活動が多く外部からは時代の流れや状況を正確に把握できないからです。

製薬業界は良くも悪くもグローバル規模で大きな力を持つ業界です。故にIT導入や時代の流れに敏感に反応して組織の最適化や必要なJobの精査、人員の調整が頻繁に起こります。これは内部にいる方なら当たり前ですが外部組織からはその流れの兆候や兆しに気付くことにラグが発生するのでいざ転職するときにJobベースの相談やこれまでの経験からしか選ぶことが出来なくなってしまうのです。

このような特徴を理解していることを前提に製薬業界でのキャリアを考えていきます。ここで考えていきたいのは以下の軸で場合分けをしたいと思います。
①製薬業界で長く社会人生活を送る
②製薬業界において自身の好きな仕事(やりがいを感じる)に従事する
③出世や権威性を高めていく(社内・業界での影響力を高める)

なぜこのように場合分けをしたのかというと、何を目標にしていくのかによって努力する方向性や範囲が異なるからです。特に新卒入社から中堅社員になるまで(感覚的には約7-12年間程)の期間にどんな投資をしていくかその分配が変わると感じています。

今回は①の「製薬業界で長く社会人生活を送る」ことにForcusしていきたいと思います。ここでの①の定義はJobの拘りはあまり重視せず、標準的な昇進・昇給をもとに定年まで会社員を全うすることを目標にすることにしましょう。また、転職の可能性はあっても良いが積極的に探すわけではなく、人間関係やプライベートの関係で転職の必要性が出た場合にはする程度の基準で話していきたいと思います。

上記の方、多いんじゃないでしょうか。一般的な日本人の感覚や家庭を持った後、年齢を重ねてくると安定志向として①にあたる方は多いのではないかと想像します。

先ずは結論から①を目指す方は以下についてリソースを分配することが良いと考えます。

<目標>
・製薬業界の社内業務メインの部署への異動
(※社内業務の定義としては会社の中でグローバルとのつながりや組織の行動決定に近いor影響力が強い業務と考えてください。例では臨床開発や薬事、経営企画、グローバル直結部署等)

<手段>※優先順位別
・英語の研鑽
・組織内での人間関係の構築
・成果の見える化
・業界活動の収集

なぜこのような目標が良いのかと考えると組織の中枢に関わる人間は簡単には手放したくないのです。当たり前ですが組織の中枢業務はいわばBrainですので人が欠けることで計画に時間がかかったり、外部に組織情報が洩れることも懸念されます。また内部状況を知ることは組織内での部署の持つパワーバランスや様々な人間関係の繋がりが強くなるので長く業界や会社にいる上では大きな強みとなります。

ではこの目標のために研鑽するべき項目は<手段>で記載の通りですが、兎にも角にも英語です。四の五の言わずとりあえずTOEIC等で数字として出せる評価もしくは業務で英語を使用する場合は意思疎通が会話・mailで出来るレベルには上げてください。

英語に関しては新卒就職時に行ったであろうSPIやCBTのような足切り課題程度に考えてください。あなたがどれだけ人間的な魅力や可能性、業務での成果があってもこの基準が無ければスタートラインに立てません。英語は製薬業界において社内・外転職では必須事項です。実際にスコアを見せてもそれ以上に何かを面接時に訊かれたり、入社後に英語について問われることは先ずありません。これは英語が出来て当たり前であり、自己研鑽の中で継続することを前提としているだけで、社内・外転職後に重要視していないという意味ではありません。実際に疎かにしていると自身が業務を遂行する上で大きなストレスになりますし、仕事のやりがいも減っていきます。現在ではおおよそ700以上あれば部署移動時等での足かせにならないので努力あるのみです。

体験談にはなります日に平均1-2時間程度を3年継続(英会話、業務、自習)して、自身のリソース多く当てました。特に新卒入社後から3年は重要視して全体リソースの40%程度を使いました。

次に組織内での人間関係の構築ですが、これを聞くと飲み会、社内接待などあまり気乗りしないwordが出てくると思いますがそのようなことではありません。現在の皆さんの業務に関わっている社内の他部門、業務内で連携したほうが良さそうな部門、社内交流会での繋がり、等あくまでビジネスでつながる人間関係を強化して欲しいのです。

(勿論たまには飲み会もありますが、成果が出たときの飲み会や仲良くなる際の交流会はネガティブにはなりませんよね)

自身の業務ばかりしていると全体の流れが見えてこないこと、様々なヒントやきっかけに触れられないことがあります。どんな業務にも他部署や様々な人を巻き込みながら進めることで事前な根回しや情報共有が出来る人材になれますし、意見に反対されることも少なくなります。
また、自身が次にやりたい仕事や部門の特徴を知ることも出来るので大切な活動となります。

重要なことは遊びやプライベートで1st contactではなく業務での相談や協同、提案で人間関係を強くしていくことです。例えば、、
・業務改善提案での社内発表(全体)
・成功例・失敗例の共有(全体)
・会議時に意見の発言

等々、業務の中でも自身の存在をアピールすることが先ずできる一歩です。
恥ずかしさや消極的になってしまう感情は無理もありません。緊張もするし質疑応答も不安だし、バカにされてないか気になるし、そんな感情になることは皆同じでそれでも会社の為、皆の為に発言すること提案すること、準備することに他人との違いが出て次世代のリーダーの候補になれるのです。

この部分はpublic speakingにも関係するので別途、詳しく方法論や心構えを記事にしますが先ずは一歩踏み出してみてください。

さて3つ目は成果の見える化です。これは作業自体はそれほど大変ではないですが実施している人が少なく、会社の評価制度で代替えしている場合が多いです。

会社の評価制度が正しく、反映されているのであれば作業は不要ですが往々にして会社の評価は結果までの過程が省略されることが多いです。また、過程を評価されてもその評価時点で「頑張ったね」「すごいね」など感情的かつ評価者が退職したら誰も分からないものになってしまいます。

評価時の誉め言葉だけで十分な人はそれでも構いませんが重要なことは記録として残せること、自身の履歴書や面接時に明確に話せることを意識してください。

ビジネスにおいて何よりも重要なことは何でしょうか?

私の答えは「再現性」です。

今回の成果を他で活かせるのか。この思考で別の課題をどの様にクリアするのか。要は「結果」は短期評価、「過程」は長期評価で重要となるのです。このことを前提に置くと、皆さんのこれまでしてきたこと、(苦労やハードルの乗り越え方)を文字として起こして評価時に提出。これを積み重ねていくのです。

冒頭に記載した通り、自身での作業は簡単なのです。1年間取り組んだ事柄の経緯を記載すれば良いだけですし、年に1回、多くて2回更新すれば済みますのでやるかやらないかそれだけなのです。

最後に業界活動の把握ですが、目覚ましく変動する製薬業界において常に気にかけておく必要がある話題です。数年前に多くの製薬会社が営業部門を中心とした大量早期退職の募集がありました。またガイドラインや規制に伴い業務範囲の変更や組織の最適化が行われた会社も多くありました。

自身がその影響を強く受ける部署なのか、それとも影響を受けにくいのか敏感に捉える必要があります。今回は①の「製薬業界で長く社会人生活を送る」ことが目標ですのでなるべく影響を受けない部署をしること、自身の身を置くことが重要になります。

時代と共に変動はするので現時点では製薬業界の社内業務メインの部署が変動を受けにくいと思いますがこの先も同様なのか注意してください。

今回は少し長い記事となり最後まで読んでいただいた方ありがとうございました。これまで書いたことだけが成功の方法ではありませんがキャリア形成を考える中での足かせやハードルを潰していける内容になったのではないかと思います。

次回は②以降についても記載するのでまた読んでください!!

それではまたお会いしましょう!

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