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【SARS-CoV-2】手洗いによる効果

2020.5.7(2020.5.22追記)

 COVID-19の原因となっているSARS-Cov-2というウイルスは、一般的なエンベロープをもつウイルスより消毒剤に強いという性質があることがわかってきました。(スパイク蛋白をもって感染するため)しかし、このようなウイルスでも簡単に落とすことができる方法があります。

 「きれいな流水による手洗い」です。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000105095.pdf
 上の資料は調理に係る人向けのノロウイルス感染防止対策のためのものです。毎年冬になると小児を中心に流行るノロウイルスも消毒に強いウイルスで、石鹸もアルコールでは消毒できず、効果があるのが次亜塩素酸ナトリウムで、食品の場合は85℃以上の加熱90秒間が必要とされます。
 こんなノロウイルスであっても、物理的に水で流す方法で取り除けます。


 石鹸を使うのは、手についた脂肪などの汚れを取り除くことで、ウイルスも取り除くことができるためです。石鹸を付ける前に十分な水で手を洗いましょう。石鹸が泡立ちやすくなり、界面活性剤の効果が発揮されます。
 泡立てた石鹸で15秒以上洗いましょう。泡立てた石鹸を落とすのにはこれまた十分な量の流水が必要となるので、物理的に汚れを洗い流すことができます。
 公衆トイレなど、石鹸がない環境だと、15秒以上流水で洗うだけでも行いましょう。ウイルス量は1/100になります。

 水でなくてもお湯でも効果は十分にあります。ノロウイルスの場合はお湯で洗うことが推奨されます。

 結果として手の潤いが奪われて手が荒れます。手荒れ対策としては寝る時にハンドクリームを塗ってその上から面の手袋を塗るとよいです。食品を扱うなど昼間にハンドクリームを塗ることが許されない方でも実践が可能です。

石鹸は何を使う?
 上記の説明からも、石鹸の種類は問いません。別に薬用石鹸でなくてもいいです。ハンドソープでなくてもかまいません。自宅にある石鹸でよいです。ボディソープでもかまいません。
 ポンプ式の石鹸の場合は、ポンプ部を拭いて汚染を防ぎましょう。
 詰め替え品を使う場合は必ず瓶を洗って、乾燥させてからにしましょう。
(雑菌が繁殖するため)
 固形石鹸の場合は使用後の乾燥をしっかり行いましょう。
 おすすめの保管方法は「石鹸を早く使い切れるように小さく切って蛇口にみかんのネット状の入れ物に入れて吊るす」です。
乾燥していない石鹸及び石けん台から緑膿菌の繁殖が報告されています。

 出先で石鹸がなくても対応できるように「紙石鹸」「フィルム石鹸」という選択肢もあります。(追記:トップ画像は無印良品の「フィルム石けん」です。自宅以外の洗面所を利用する際、盗難防止のために石けんが配備されていないところが多いです。そういう場所での利用を想定しています)


SARS-Cov-2に限らず、菌やウイルスを取り除くには
 まめに手を洗う(汚れを長時間ためない)
  汚れたと思ったら手を洗う
 家に帰ったら、トイレから出たら、食事の前に手洗いをする
 (帰宅後すぐに入浴という方法は体中の汚れが取れます)

手洗い画像(厚生労働省による)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593494.pdf

ピコ太郎による手洗い動画です。こちら動画のとおりに手洗い(水ですすぐ→石鹸を泡立てて洗う→水で流す→石鹸を泡立てて洗う→水ですすぐ)をすると、ウイルス量が100万分の1になります。

参考資料
慈恵医科大学 Team COVID-19 PCRセンター「What's corona?」
https://jikei-tropmed2.wixsite.com/covid-19/what-s-corona
厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
サラヤ 学術羅針盤 手洗い剤(石けん)の細菌汚染について
https://med.saraya.com/gakujutsu/rashinban/001.html

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