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【イベントレポート】今あらためて考えるフルリモートでうまくいくプロダクトチームの作り方

こんにちは、広報の上島です。
PharmaXでは、2023年1月より月1ペースでテックイベントを開催しています。
先月は「ドメインエキスパートとエンジニアがどのように工夫しながら、プロダクトや組織体制を作っているのか」についてディスカッションしました。

2月のテーマは「今あらためて考えるフルリモートでうまくいくプロダクトチームの作り方!」

創業時よりフルリモート体制のモニクル社、スタイルポート社、ハイブリット体制を取り入れているPharmaX3社で、ぶっちゃけリモートでプロダクト開発するってどうなの?今後も続ける?などリアルな話を交えてディスカッションしました。

どのような議論がされたのかレポートします!
(お時間がある方はアーカイブとあわせてご覧ください)

今回の登壇者とLT紹介

では今回の登壇者・モデレーターのご紹介と各企業のLT資料をご紹介します。

株式会社モニクル Corporate Productivityチーム
中川 幸哉さん

ReactやAndroidを軸に、モバイルアプリ開発やWebサイト制作、プログラミング技術記事の執筆等に携わっている。2011年にウォーターセル株式会社の初期メンバーとして参画し、国内アグリテックの黎明期には珍しかったモバイルアプリでのサービス提供を社内外で主導した。2021年からは家庭で役立つお金の知識を学ぶために金融サービス「マネイロ」に参画し、内製社内システムによる業務効率化に携わっている。1987年生。会津大学卒。
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LTタイトル「純粋培養フルリモート開発組織のワーク&ライフスタイル」

ほぼ丸3年、フルリモート勤務を標準化した会社との生活を続けたことで、フルリモート勤務は特別なものではなく当たり前のものになり、フルリモート環境下における会社組織の中で孤独を感じない過ごし方、家庭での家族との過ごし方、地方に居続ける価値についても一定の意見を持てるようになりました。一過性のものではないフルリモート勤務へのリアルな意見をお届けします。


株式会社スタイルポート CTO 木村 將さん

SIerとしてキャリアをスタートし、大手携帯電話会社のポイント決済や収納代行のシステム設計などを手掛ける。2007 年にエムスリー株式会社に入社。エンジニアリンググループのグループ長として複数事業を手掛ける。2015 年には遺伝子事業をスピンオフし、Rexa 株式会社を立ち上げ。同社取締役に就任。2016年、株式会社QLife取締役に就任。2019年、株式会社スタイルポートにて現在はCTOとして事業フェーズに合わせた技術戦略を立案。76年生まれ。
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LTタイトル「リモートワークを成功させるマネジメント論」

リモートワークで重要なのは心理的安全性、特にキャリア形成につながるチャレンジ環境の確保です。周囲を信頼し、より難易度の高い課題に取り組み、自分の能力を十分に発揮できていると感じられるか?リモートワークが成功する鍵は、今の環境で成長が持続的に得られると信じられるかどうかにあります。 リモートワーク化でどのようにチャレンジ環境を作るか?事例を交えてお話します。


PharmaX株式会社 取締役・開発責任者 上野 彰大さん

東京大学農学生命科学研究科卒業。大阪府堺市生出身。新卒でIGPI(経営共創基盤)に入社し、2018年12月にMINX株式会社(現PharmaX株式会社)を共同創業。全社戦略、エンジニアリング責任者。趣味でエンジニアリング勉強会を数年続けている。得意なのは、統計、機械学習、データ分析。
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LTタイトル「リモート時々オフラインで進めるプロダクト開発の工夫」

複数事業を進めていく中で、コミュニケーションの工夫が必要です。 特に0→1のプロダクト開発スピードにおいて、オフラインで会って認識をすり合わせることはかなりの利点があると考えています。 今回は事業の特性やプロダクトの発展段階によって、オンラインとオフラインに分けてどのようにコミュニケーションを取りながら運営しているかお話します。


PharmaX株式会社 エンジニア 尾崎 皓一さん
(モデレーター)

立命館大学院情報理工学研究科卒業。 TIS株式会社でシステムエンジニアとして勤務後、独立しフリーランスのWebエンジニアに。母が調剤薬局を経営していることもあり、PharmaXのミッション・ビジョン・目指す世界観に共感し、2号エンジニア社員としてジョイン。 現在はエンジニアリングリーダーとしてサービス開発に携わっている。

失敗から学ぶリモートワークでうまくいく組織体制

今回のパネルディスカッションでは、各社LT発表をもとに2つのテーマについてお話いただきました。
モデレーターのPharmaXエンジニア尾崎さんより、各々に質問していただきましたので内容をご紹介します。

テーマ①ここだけの話、リモートワークの大失敗

まずはリモートワークでの失敗談について、3つのポイントを中心に実例をふまえてお話いただきました。

  • リモートワークを数年経験した中での失敗談

  • リモートワークにおける、よくある落とし穴や大きな失敗談

  • 失敗からの学びや改善点


PharmaX尾崎:続いてはパネルディスカッションに移りたいと思います。
テーマは2テーマ用意しています。
まずは、リモートワークで失敗したことについてぶっちゃけ話を聞きたいなと思っています。
2つ目のテーマは、会社によってはコロナ禍のリモートワークからだんだんとスタンスを変えて、全員出社のスタンスへと戻しているような会社もある中で、これまでの失敗談を踏まえてぶっちゃけリモートワークを続けるかどうかについて聞けたらなと思っています。
ではまずは、リモートワーク上での失敗した話を起点に、そこからどういう改善したかなどお話を聞いていければと思います。
まずは中川さん。ずっとフルリモートワークとのことですが、失敗したお話があれば聞きたいなと思いますがいかがですか?

モニクル中川さん:そうですね、一時、何か仕事を進めていて困ったことがあったときに、次の定例ミーティングで解消しようということを本当にやっていた時期があります。
出社だとオフィスに話したい相手がいるので、すれ違ったときにちらっと話せばいいんですけれど、その機会がないと次の定例ミーティングでいいや!の選択肢が出てきちゃうんですよね。そのせいで発覚が遅れて問題になったことはありました。手戻りがあったというレベルですけどね。
改善として、できるだけ毎日夕方に15分くらいの定例をやるようにしたり、普段コミュニケーション取らない人同士で1on1をできるだけ設定するようにしたりという取り組みをするようになりました。

PharmaX尾崎:ありがとうございました。ちなみに、常時ビデオ通話を接続されていても、やっぱり小さな気づきなどは上がりにくかったりしますか。

モニクル中川さん:開発チームはいつも同じ部屋にいるため、つながっている人達同士では大丈夫です。
主に問題になりやすいのは、外にいるマネージャーや役員の人達とのやり取りが問題になりやすいですね。
開発チームの中では気づいたら即話しかけてっという感じで解決はできているんですけれど。

PharmaX尾崎:やっぱりビデオだと同時接続の限界みたいなところはありますよね。

モニクル中川さん:そうですね、発覚が遅れた原因は、(開発チーム内だと)普段すぐに解決できてしまっているから、そうでない人たちとも何か解決できているような気になってしまったというのも原因としてあるんでしょうね。

PharmaX尾崎:ありがとうございます。
ではスタイルポートの木村さんにも伺います。対面ではなくビデオ通話ならではの悩みなどがあるのかなと思うのですが、そのあたりはいかがですかね。

スタイルポート木村さん:そうですね、やっぱり対面ではないと話しづらいことは正直あります。
特に厳しいフィードバックなどをするときですね。
評価とかフィードバックとか、これは直した方がいいですよとか、そういったときはやっぱり対面で相手の目を見てしっかり話したい気持ちはあります。
でもリモートワークだと物理的に地方に点在していて難しいため、どうしてもZoom越しのフィードバックになります。
そうしたときになるべく対面でやっているときと変わらないようにするために、普段から会話をすることは心がけています。
普段の会話もカメラをオンにしてしっかり会話をする。そこでいざ厳しいことを言ったりフィードバックをしたりしたときも、その変化をなるべく見逃さないようにすることを心がけています。

PharmaX尾崎:ありがとうございます。
やっぱり何かフィードバックするときには、前提として信頼の上に成り立つみたいな話は1on1などのナレッジとかでもあると思います。
PharmaXの上野さんは、ビデオ通話ならではの難しさなどいかがですか。

PharmaX上野さん:そうですね、リモートでやっている人たちと出社でやっている人が混ざっているときに、かなり問題が起こったなということを後から気づいた経験があります。
まず前提として、新規事業かどうか関係なく薬局店舗で薬剤師のメンバーがプロダクトを使っているので、どの事業部であっても、出社メンバーとリモートメンバーが混ざることが前提としてあります。
その時、出社していたメンバーは口頭で話した内容をリモートメンバーに伝え損ねてしまい、情報共有が遅れたり完全には伝わらなかったりすることで、リモートメンバーに対して心理的にも疎外感を与えてしまったなっていうことは反省としてありました。
我々もずっと困っているため、例えば出社メンバー同士で喋るときも、基本的にはオンラインツール(例えばスラックのハドル)を使ってあえて画面共有しながら出社メンバー同士でしゃべることでリモートメンバーも聞けるような工夫をしています。

PharmaX尾崎:ありがとうございます。
続いてスタイルポートの木村さんにも、これまでリモートワークを続けるうえでの失敗談があればお聞きしたいなと思いますがいかがですか。

スタイルポート木村さん:そうですね、リモートワークだと、基本的にテキストのコミュニケーションが主体になると思います。
批判や悪口がテキストで書かれると内容が残ってしまったり周囲にも見られたり、見たことで余計な憶測を生んでチームが崩壊するようなことがあります。弊社でも実際過去にありました。
例えば、過去にはソースコードレビューでメンバー間の喧嘩が勃発して、それを見ていた周りがヒヤヒヤするようなことがありました。
やっぱりコミュニケーションツールは必要だなと思います。カルチャーの醸成ですね、この設計が非常に重要だと思っていました。
そのため、テキストコミュニケーションはファクト中心で書くことが残るため、書く内容が「本当に相手のためになっているか発信者として責任を持つ」ということを心がけようと、強く意識してメンバーにもお伝えしていることですね。

PharmaX尾崎:ありがとうございます。
コードレビューでの言葉選びについて言葉の文脈や言い方、質問のはてなの付け方などSNSでも話題になってました。みんなが意識することは、相手の立場になるとすごい大事なことですよね。

スタイルポート木村さん:あとテキストにも人間味を込める。もう本当にこれだと思うんですね。絵文字とかちょっと装飾をしてフランクな感じで。

PharmaX上野さん:いいですよね。

PharmaX尾崎:モニクルさんもLTの中で「ナイススタンプ」をたくさん押しているとお話がありましたが、コミュニケーション面での工夫などについて中川さんはいかがですか。

モニクル中川さん:コミュニケーション面での工夫でいうと、これも採用のときから比較的穏やかな人を採るようにするよう意識しています。
批判は正しい場面で行ってくれるのはいいですが、少なくとも悪口をコミュニケーション手段にしなさそうな人を中心に採用しています。
そのため、チクリと言うくらいはありますが、できるだけ悪い言葉は使わないようにみんなで気をつけていますね。

PharmaX尾崎:ありがとうございます。上野さんもコミュニケーション面でどうですか。

PharmaX上野さん:そうですよね、テキストでのコミュニケーションはなかなか難しいなと思いつつ、これまでテキストに関してはあまり問題になったことはないのかなと思っています。
でもおっしゃる通り、我々もスタンプをいっぱいつけましょうとか、Slack上でちゃんと感謝を送りましょうとか、エンジニアチーム中でもやっています。当たり前の事を当たり前にやっていくことが大事なのかなと思っていますね。

PharmaX尾崎:そうですよね。
今はリモートワークがこれだけ浸透したから当たり前になっていますけど、一昔前だとなかったスタンプなどでリアクションを徹底しましょうなどと色んな会社さんが言っていて、このようなカルチャー作りはすごい大事なんだなとやっぱり感じますね。ありがとうございます。
最後に上野さんからもハイブリッドな働き方での失敗談などあればお願いします。

PharmaX上野さん:我々の今までの歴史を振り返ったときに、スタンスを切り切れなかった、あるいは事業場の特性上切ることができなかったことで、リモートに特化したところでのPDCAを爆速で回し損ねたのかなという思うことはありました。
ただ一方で、我々なりにオフラインを混ぜるからこその工夫も同時にやれてきたかなとは思っています。
そのため、結局、振り切った方がいいのか、どこまで混ぜるべきなのかはまだ判断が付ききってはないのですが、混ぜるなら混ぜるための覚悟が改めて必要なんだなということを、今回のみなさんのお話を聞いて、我々としてのスタンスが問われていると思いましたね。

PharmaX尾崎:ありがとうございました。そろそろいい時間になりましたので次のテーマに移りたいと思います。


テーマ②ぶっちゃけ、リモートワークってどうなの?続ける?続けない?

コロナ禍で一気に加速したリモートワークですが、一部の企業では出社に切り替え始めるなど、さまざまな体制を取る会社が出てきています。
そこで次のテーマは、ぶっちゃけ今後はどうしていく予定なのかを2つのポイントをふまえてお話いただきました。

  • 最近リモートワークから出社に戻す企業もある中、これまでの経験も踏まえて現時点や将来的なリモートワークに対して考えていること

  • 実際、ずっと続けるつもりなのか?どこかでやめることも検討するのか?ハイブリッドなのか?


PharmaX尾崎:二つ目のテーマとして、ぶっちゃけリモートワークでどうですか?今後続ける?続けない?などお話ができればと思っています。
スタイルポートさんとモニクルさんは、もう基本的にリモート前提で話をしてしまっているので、続けていくんだとは思いますが、今後組織が大きくなってきたときはどうなんだろうと質問もいただいています。
例えば、エンジニアが5倍になったら体制を変えるのかなどについてそれぞれ聞ければと思っています。
まずは先ほどの続きで、ハイブリッド体制を取り入れている上野さんはいかがでしょうか。

PharmaX上野さん:そうですね。基本的には、医療の体制をリモートで作ることが我々特徴ですし、これまでもいろんなメディアさんにも取り上げられているような強みであるため、続けていきたいなと思っています。
ただ今の考え方としては、新規事業はオフラインにすると決めたら基本オフライン、というように事業ごとにできる限り分けしまうのは、大きな工夫の一つかなと思っています。
ただ、どうしても何度も申し上げた通り、薬局に薬剤師さんがいる関係で(完全に振り切るには)限界はありますが、そのための工夫をたくさんしていく中で、リモートに振り切るならフルリモートにするみたいなスタンスを、事業部ごととかプロダクトごととかで取りつつ、基本はリモートがメインという形になるのかなと思っていますね。

PharmaX尾崎:ありがとうございます。
中川さんにも、今後どうしていくかお聞きしたいなと思いますがいかがでしょうか。

モニクル中川さん:東京に一極集中で出社するという意味での出社はあり得ない、というか今からだとどうにもならないのですね。
そういう意味ではリモートは続くんですけれど、各地域に散らばった人たちが割と近くにいる知り合いへリファラル採用するケースが出てきています。
すると近くに住んでいる人たち同士がちょっとずつまとまりが出てくるんですよね。そうなると、サテライトオフィスぐらいはあってもいいのかもねという話はこれから出てくるかもしれません。
サテライトオフィスにいる人たちのリアルなコミュニケーションと、他の地域の人たちとのコミュニケーションに格差が生まれることが将来起こるかもしれません。
あと単純に規模が増えたときですね。規模が増えたときにも、今のままだとまずいんだろうなということが少し考えています。
ただGitLabさんが約1600人フルリモートで世界中のタイムゾーンで回しているので、おそらく彼らのやり方を参考にしていくことで、規模の拡大にはどうにか立ち向かえるんじゃないかという淡い期待はあります。

PharmaX尾崎:ありがとうございます。木村さんはいかがですか?

スタイルポート木村さん:そうですね。弊社の場合、しばらくリモートワークは続けると思います。
弊社のミッションは「空間の選択に伴う後悔をゼロにする」と掲げています。デジタルツインによって、時間や空間の制約から解放されるみたいなことを意味しているのですけれども、働き方においても実践していきたいと考えています。
実践していかないと「自分たちでできていないのに何言ってんだお前」みたいになるので、大事にしたいなと思っています。
今の弊社の規模だと大体60名ぐらいで、エンジニア組織が20名ぐらいですけれども、感覚的には倍ぐらいまでは普通にリモートワークでいけるんだろうなというのはあります。
ただやっぱり組織の規模やステージによって、別な課題が出てくることはあって、情報の非対称性みたいなことが小渡に上がってくるようになったら、一つの限界なんじゃないかなと思います。
やっぱり人が多くなってくると(ノイズのような)情報も多くなってくるので、何でも共有すればいいのは通用しなくなってきます。
そういったときに情報を与える方も得る方もちゃんと情報の取捨選択が正しくできるかどうかが問題になってきますし、得て不得手がはっきり人によってわかれるものだと思っています。
苦手なメンバーが増えてきたら限界なんだろうなというふうに考えていますね。それまではリモートワーク突き進むと思います。

PharmaX尾崎:ありがとうございます。
上野さん、お二人のこれまでのお話から改めて聞いてみたいことはありますか。

PharmaX上野さん:そうですね、ドキュメントとか先ほど木村さんも会議のときとかに事前にアジェンダなど何を決めるかをかなり細かくやるとの話もあったんですけれど、その徹底度合いについてお伺いしたいです。
我々オフライン・オンラインが混ざってしまうことによって(ドキュメント化が)弱くなってしまっているところがあるので、どの程度までドキュメント化しているのかなとは気になりました。

スタイルポート木村さん:そうですね。基本的に定例類はすべてドキュメントに起こします。
弊社の場合だと、10時からデイリーのショートミーティングがあるんですが、15分のショートミーティングもすべてドキュメントを用意して、そのドキュメントをベースに進めるんですね。
結構な量があるため、こなしてくためにはある程度の型かテンプレート化みたいなものが必要になります。
弊社はConfluence(コンフルエンス)を使っていますが、Confluenceで会議体ごとのテンプレートをたくさん用意して、ボタン一つで1週間分作るなど工夫してやっています。参加者はそのテンプレートにのっとって書いていけばいいので、あまり余計なことに頭を使わせないんですね。

PharmaX上野さん:ありがとうございます。

PharmaX尾崎:情報の取捨選択ですね。
モニクル中川さんからもコメントをいただいているんですけれど、今の分量であれば、みなさんが拾いたいときに情報を拾えている状態を作り出せているんですか。

スタイルポート木村さん:はい。Slackのチャンネルなどを利用して、現実的な範囲で人によってはいらないものは見落としたりメンションをついたものだけを拾っていったりなどバランスをとりながらやっていますね。

PharmaX上野さん:そうですね、その辺はまさにどうした選択をさせるのか、組織構造などでもある程度取捨選択させていくことになるのかもしれないですね。
部門間でも縦割りっぽくなってしまうことはある程度しょうがないのかなとは思いますが、今時点でもっとこういう工夫があるんじゃないかなど考えられていることはありますか?
メンバーの割合が増えてきたときや(取捨選択が)苦手なメンバーから連絡をいただいたときなど。

スタイルポート木村さん:やっぱり苦手なメンバーがいたら対面で話すのが一番手っ取り早くて楽なんですよね。
ただ、共有を何でもかんでもすればいいというわけではないので、必要なときに取りに行ける状態をひたすら徹底することです。
そのため、情報を公開しておいて、欲しい情報にすぐアクセスできるような道筋を作っていくことです。
最近弊社で少し課題になってきたなと思ったことは、メンションの頻度や数について。対象者が増えてきているため今の課題です。適切なサイズに区切って共有する相手を選ぶなど対策が必要です。

PharmaX上野さん:ありがとうございます。なるほど。

PharmaX尾崎:中川さんはいかがですか。ドキュメンテーションとか認知負荷とか、今工夫してされていることはありますか。

モニクル中川さん:はい、そうですね。ドキュメンテーションについては、昔Confluenceを使っていて、テンプレートはめちゃめちゃ便利だなとすごく同意なんですよね。
ただ途中でフォルダ分けなどが、書き始めるときの負荷になっているなと感じ始めたため、今はScrapbox(スクラップボックス)を使っています。
フォルダ分けをしないで全部wikiみたいにタグで繋がるので、書き始めるときのハードルがすごく低いんですよね。
そのため、まずスタイルポートさんと同じようにデイリーでやっているようなミーティングの議事録は書いています。
議事録もそうですし、今日話すテーマについても事前に書いてあります。
週次や定例のミーティングなどは、事前にドキュメントを作ってそこにみんなで書き込みながら喋っています。
そのため、後から参加していなかった人が見ても、どんな会議だったのか参照できるようにはしています。
ミーティングだけでなく技術的なノウハウについてもですね。
あと、セットアップ手順などこういうふうにしたらうまくいったよといった内容も、従来だったら自分のパソコンにメモとして書いていたような内容についても、全部スクラップボックスに入れています。
その中で技術用語とかプロジェクト向けの作業用とか全部タグで繋げておけば、後で検索したときに引っかかりやすくなります。
世の中には、記事がScrapbox10万件ぐらいあるプロジェクトもあるらしいんですが、タグの紐付けさえうまくいっていれば適当なワードで検索した後、3HOPぐらい記事のリンクを追いかければ目的の記事にたどり着けるようです。

PharmaX尾崎:ありがとうございます。
最後に全体のQ&Aを拾いつつ、今の話について時間のある限り続けていきたいなと思います。
ではいただいているQ&Aの中で、「フィードバックの仕組みやリモートでのフィードバックに関すること」について。
個人に対するフィードバックとチームに対するフィードバックがありますが、今回は個人に対するフィードバックについて話してみたいと思います。
基本的にはその個人が改善できるためのフィードバックのためにマネージャーなどが1on1をやると思いますけれども、スタイルポートの木村さんはどのような工夫をされていますか?

スタイルポート木村さん:例えば初めてチームに参加したときに、「あなたのミッションはこれですよ」とオンボーディングを時間かけて行っています。
最初に1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後の短期ミッションを定義して、その達成度合いについて振り替えりミーティングを1ヶ月に1回程度カレンダーに予定を強制的に入れてやるという仕組みで回しています。
正直、面談や1on1が苦手な人も中にはいるとは思うんですけども、苦手な人は苦手な人のやり方があるんです。
私の場合は、カレンダーに予定を入れて強制的に会話の機会を作って、もう有無を言わせずに話すということもやっていますね。

PharmaX尾崎:定期的に予定を入れることは、弊社も今まさに取り組もうとしているので、お互いのフィードバックをちゃんとしていきたいと思います。ありがとうございます。

まとめ

フルリモート体制、ハイブリッド体制どちらともに言えることは、

  • オンライン/オフライン限らず、こまめにコミュニケーションを取るための工夫をすること

  • テキストコミュニケーションでは「相手のためになっているか」を意識した言葉選び

  • 誰でも欲しい情報へアクセスできるドキュメント文化

これらのポイントを大切にすることが、プロダクト開発が円滑にうまくいくチーム体制の秘訣なのだと、今回のディスカッションから伝わってきました。

今回ご登壇いただいたモニクル中川さん、スタイルポート木村さん、各社関係者のみなさん、ありがとうございました。

ぜひみなさんも各社のサービスをお試しになってみてください!

お知らせ

3月は、「エンジニアだからこそできる社会に役立つ「プロダクト開発」とは?」というテーマでウェビナーを開催します。

登壇は、医療業界で社会に役立つプロダクト開発を行っている、harmo株式会社・Ubie株式会社・PharmaX株式会社の3社。

医療業界は多くの課題が山積みされており、ITの力で解決することでの社会貢献の高い業界のひとつです。
近年、急速に規制緩和が行われスタートアップが貢献できる余地は大きくなっている中で、実際のプロダクト開発を進める上でどのようなことを考えているのか、どのような工夫があるのかを議論します。
ぜひご参加お待ちしております!

私たちとともにオンラインを中心とした新しい医療体験を一緒に作ってみたいと思った方、もっとPharmaXについて知りたいと思った方は、こちらを覗いてみてください。
まずは気軽にお話しましょう!


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