アレルギー性鼻炎薬の使い分け
今回は、アレルギー性鼻炎薬(市販内服薬)の使い分けをご案内。
この薬が特に使われるのは季節性アレルギー性鼻炎、いわゆる花粉症の時期ではないでしょうか。
花粉症、辛いですよね。
今や国民病と言われているほどの花粉症。私もこの時期は鼻をぐすぐすしております。多くの人は春のスギやヒノキに、中には秋のイネやブタクサ、ヨモギにも反応する方も・・・。
花粉症時期の耳鼻科さんや内科さんはすごく混みますよね。
仕事や学業でなかなか医療機関を受診できない方や、待ち時間が苦痛な方は市販薬でセルフケアするのも一つの方法かと思います。
もちろん注意点もありますので、それらも含めて説明していきますね。
動画に出てきたアレルビはこちらから
こんな方は気をつけましょう
まずはどんな方が市販薬を使うことができるのか。
以下の症状がある方や当てはまる方は、受診してくださいね
①喘息や蕁麻疹を伴っている
②味覚・嗅覚異常・膿のような鼻水・頭痛を伴う鼻詰まり
③薬を使っても鼻詰まりが緩和しない
④点鼻薬を頻繁につかっても鼻詰まりがよくならない
⑤2歳未満の乳幼児 市販薬の成分には熱性けいれんのリスクを高めてしまう成分があるので基本的に医療機関の受診を勧めています。熱性けいれんのお子さんでも安全に使える薬は医療用にはありますが、市販薬にはない為どのみち受診が必要です。
それに加えて気をつけてほしい方が
①緑内障
②前立腺肥大
③高血圧症などの循環器疾患
後ほど記載しますが、上記の方は使用できない市販薬がありますので購入の際は注意が必要です。
アレルギー性鼻炎薬は種類が豊富
では、具体的に商品名を出して使い分けをご案内。
・・・・なんですが、アレルギー性鼻炎の市販薬。
ものすごく豊富・・・・
なんでこんなにあるんでしょう?
この中から自分にあった薬を見つけるのは・・・。
私も全部は説明できないので近くのドラッグストアを周り、何が売られているのか調査してきました!
アレグラFX
アレジオン
セシオン鼻炎カプセルL
パブロン鼻炎カプセルSα
パブロン鼻炎速溶錠EX
ストラリニS
ストラリニZ
新コンタック600プラス
新コンタック600プラス 小児用
コンタック鼻炎Z
プレコール持続性鼻炎カプセルL
プレコール持続性鼻炎カプセルLX
エスタック鼻炎カプセル12
ベンザ鼻炎薬α
コルゲンコーワ鼻炎フィルム クール
コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセル
ロートアルガード鼻炎内服薬ゴールドZ
・・・・・
多すぎてどう分類したらいいのか。。。
すごく悩みました。。
が、
とりあえず・・・単味製剤(有効成分が1種類)と配合製剤に分けてみました。
1.単味製剤(有効成分が1種類)はこんな方におすすめです。
価格は参考です。
【どれでも構わないから症状を抑えたい方】
【口が渇く・眠気がでるのが嫌な方】
【前立腺肥大・緑内障の方】
【ご高齢の方】
これらは眠くなりにくい成分で、医療用成分と同量含まれています。
車を運転する方や勉強や仕事等で集中力を欠かせたくない方におすすめです。また、緑内障や前立腺肥大の方、高齢者の方でも使用することができます。
だた15歳未満のお子さんには使用できませんのでご注意を。
この中でどれが良いでしょうか?と言われると少々困るのですが、、しいて言うのであれば、アレグラが1日2回服用ですので飲み忘れそうという方は1日1回のものを選んでくださいね。効き始めがマイルドですので、花粉が飛散し始める前から服用するようにしましょう。
アレグラは小児用も市販されるようになりました!
ただし、本人がいなければ購入できませんのでご注意を!
そして・・・
【頓服薬としてほしい方】
急に鼻水やくしゃみが出て困るときってありますよね。
そんなときは
《アレルギール錠》
第一三共ヘルスケア 110錠 1430円
「かゆみどめ」となっていますが、鼻炎症状にも即効性があり頓服として使用できます。ただ眠気が出ることが難点でしょうか。緑内障や排尿困難の前立腺肥大の方は注意が必要です。わたし個人としては、連用をおすすめしない薬です。服用するとしても5日ほどにしておきましょう。5日飲んでも症状が緩和しない場合は受診をおすすめします。
またこちらは4歳以上のお子さんでも使用することができます。
と、ここまで単味製剤でした。(アレルギールは炎症を抑える成分も含有)
2.配合製剤
市販薬の良いところは有効成分が複数含まれていて、1剤服用するだけで、効果が得られるところなんですが、、どれを選んで良いのか悩んでしまいます。
どうにかこうにか分類をと思ったんですが、なかなかうまくまとまらなかったらので、個別に説明していきます。
配合製剤の有効成分は主に
①鼻水やくしゃみを止める「抗ヒスタミン薬」
②鼻詰まりを緩和する「血管収縮成分」
③鼻みずや なみだ目を改善する「分泌抑制成分」
④鼻炎に伴う頭重感をやわらげたり、抗アレルギー薬による眠気を和らげる「無水カフェイン」
⑤炎症を抑え、鼻炎症状をやわらげる「抗炎症成分」
です。
鼻炎薬の多くはこの5つのうち何種かが配合されています。
そして、
ここからご紹介する製剤は全て7歳未満は服用できません。
製剤によって7歳以上15歳未満および15歳以上の用法がありますので、服用の際はそれぞれの添付文書をよく確かめてくださいね。
中には15歳未満の方も服用できない製剤もありますので、ご注意を。
また、前立腺肥大による排尿困難、高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病の方も服用は避けましょう。どうしても鼻炎症状が出て困る方は、今ご紹介した単味製剤を使用するか、医療機関を受診するようにしてくださいね。
また、使用期間の目安は5~6日です。服用していても症状が改善しない場合や、服用が2週間を超える場合も医療機関を受診するようにしてください。
《パブロン鼻炎カプセルSα》
「すぐに症状を止めたい方に」とあるように、こちらは即効性の
①「抗ヒスタミン薬」が配合されています。
他に
②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」
が配合されています。
《パブロン鼻炎速溶錠EX》
大正製薬 24錠1078円
こちらも即効性の①「抗ヒスタミン薬」が配合されています。
その他に
②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」も配合されています。
速溶錠なので水無しで飲めること。そして血管収縮成分が2成分配合されています。 鼻詰まりがひどい方向けの製剤です。
水なしで服用できるため、清涼感が広がるミルク&メントール風味だそうです。
《ストラリニS》
胃で溶ける外層と腸で溶ける内核の二重構造なので、1日1回1錠でも作用が長時間つづきます。もちろん2回服用も可能です。
即効性の①「抗ヒスタミン薬」を配合。
他に②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、副交感神経を遮断する生薬のダツラエキスも配合されています。ダラツエキスは鼻水を止める効果があります。
ストラリニSには無水カフェインが含まれていないため、眠気が出やすいかもしれません。
《新コンタック600プラス》
速放性と徐放性の顆粒が混合された処方で、服用後速やかに効果を発揮し、1日2回の服用で効き目が持続します。
即効性の①「抗ヒスタミン薬」を配合。
他に②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」も配合されています。
《新コンタック600プラス 小児用》
小児用の鼻炎薬です。7歳以上15歳未満のお子さんが使用できます。
配合は新コンタック600プラスと同じで、
①「抗ヒスタミン薬」、②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」
となっています。小児用となっていますので、新コンタック600プラスと有効成分が異なるのかと思い調べて見ましたが、同成分で用量が半分になったもののようです。つまり、新コンタック600プラスを1回1カプセル1日2回服用で代用できます。
※新コンタック600プラスの用法にも小児用量が記載されています。
《プレコール持続性鼻炎カプセルL》
持続性のカプセル剤で、1日2回で効果を発揮します。
即効性の①「抗ヒスタミン薬」を配合。
他に②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」、⑤「抗炎症成分」も配合されています。
成分名をみましたが、新コンタック600プラスに「抗炎症成分」が追加されている製剤でした。いつもよりも鼻炎症状を強く感じる方はこちらの製剤を利用してみてはいかがでしょうか。
《プレコール持続性鼻炎カプセルLX》
第一三共ヘルスケア
LX…プレコール持続性鼻炎カプセルLにもう1成分②「血管収縮成分」が加わったものです。
持続性のカプセル剤で、1日2回で効果を発揮します。
即効性の①「抗ヒスタミン薬」を配合。
他に②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」、⑤「抗炎症成分」も配合されています。
鼻づまりがひどい方向けの製剤となっています。
《エスタック鼻炎カプセル12》
持続性のカプセル剤で、1日2回で効果を発揮します。
即効性の①「抗ヒスタミン薬」を配合。
他に②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」
加えて生薬成分のサイシンも配合されています。鎮咳、去痰、解熱、鎮痛作用があり、鼻炎症状に使われる漢方製剤にも配合されています。
《ベンザ鼻炎薬α》
即効性の①「抗ヒスタミン薬」を配合。
他に②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」、⑤「抗炎症成分」も配合されています。ベンザに含まれている抗炎症成分はトラネキサム酸です。トラネキサム酸は喉の痛みを緩和します。
《コルゲンコーワ鼻炎フィルムクール》
コルゲンコーワ鼻炎フィルムクールは、口の中で速やかに溶ける薄く小さなフィルムの中に鼻炎症状にすぐれた効きめをあらわす有効成分を閉じ込めた鼻炎用内服薬です。
即効性の①「抗ヒスタミン薬」を配合。
他に②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」も配合
素早く服用できることができますが、鼻詰まり改善効果は興和製剤以外のものと比べるとやや劣ります。鼻づまりよりもくしゃみや鼻水を素早く止めたい方向けです。
メントールの風味となっています。フィルム製剤なので携帯にとても便利で、水無しで服用することができます。1日3回まで使用できますが、使用間隔は4時間空けるようにしましょう。
《コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセル》
即効性の①「抗ヒスタミン薬」を配合。
他に②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」、⑤「抗炎症成分」も配合されています。
中味が、液状のカプセルで溶け出すのは早いですが、鼻詰まり改善効果は興和製剤以外のものと比べるとやや劣ります。鼻詰まりよりもくしゃみや鼻水を素早く止めたい方向けです。
《ロートアルガード鼻炎内服薬ゴールドZ》
眠くなりにくい①「抗ヒスタミン薬」を配合。
他に②「血管収縮成分」、③「分泌抑制成分」、④「無水カフェイン」、生薬成分のシンイも配合されています
今までご紹介してきた製剤で最も眠くなりにくいものとなっています。また「血管収縮成分」を2種類配合しています。
シンイは鼻の通りをよくする作用があり、さらに、鼻水・くしゃみなどにも効果的です。特に鼻づまりがきになる方や鼻づまりから副鼻腔炎を起こしやすい方向けの製剤になっています。
わたしがドラッグストアで見かけた製剤は以上です。
ドーピング違反になる成分も
この中にはドーピング違反になる成分が含まれている製剤もあります。スポーツをされてい方は注意が必要です。
違反になる成分は「血管収縮成分」のプソイドエフェドリン、メチルエフェドリンです。
紹介してきた製剤の中で、これらが含まれていないものはストラリニS・コルゲンコーワ鼻炎フィルムクール・コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセルとなっています。
参考になれば幸いです。
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