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糖尿病は薬では治りません

こんにちは。
今日は糖尿病の話。


糖尿病の治療目的

糖尿病っていうと、多くの人が病院に言って、お薬を飲んで治療をしていますが、今回の題名どおり、その状況で糖尿病が治った人っていうのは、ほとんどいないです。

じゃ治らないのになんで病院に行くんだというところですが、
何を目的として病院に行っているのかというのが大事になります。

糖尿病は基本的には血糖値が高い状態のことですが、大体の人は、定期の健康診断なんかで血糖値が高いことを指摘されて、病院にいって、検査をして、あなたは糖尿病ですよと診断を受けます。

糖尿病は血糖値が高い病気ではありますが、要は、血管の病気です。
血液中の過剰な血糖で血管が傷ついていくと。
血管が傷つくと、臓器なんかも傷ついていきますので、いわゆるちょっと血糖値が高い、糖尿病予備軍と言われるような人でもカラダの至るところが少しずつ傷み続けているということです。

糖尿病の治療は、血管が傷ついてとか臓器がいたんでとか、そういったことから起こる合併症を起こさせないってことなのです。

特に、心臓とか脳となどの、生死に大きく関わる臓器の血管が詰まらないように。あとは腎臓とか目の血管、手先・足先の細い血管もそうですね。そういったところの細い血管が詰まると、腎臓病とか失明とか、手足の細胞が死んで壊死を起こして切断ということになりますので、それを起こさなせないようにします。

なので、基本的には、糖尿病を治すというよりは、悪化して最悪の合併症を起こさせないように、血糖をコントロールしていくということが大きな目的になっています。

合併症を予防するために治療をすると言うのは非常に大事ではあるんですが、これ、見方を変えると、ずっと糖尿病でいるということを前提に治療が行われているということで、糖尿病そのものを治すための治療ではないということです。
なので、冒頭でも書きましたが、糖尿病の薬を飲んで糖尿病が治ったという人はほとんどいません。

糖尿病改善に必要な数値

糖尿病は、大半が生活習慣病ですので、その習慣を診るというのが、根本治療にはなりますが、病院では合併症を起こさせないように、「空腹時血糖値」や「HbA1c」という数値を見ています。
HbA1cは1-2ヶ月の平均の数値、血糖値もその日だけの血糖なんですね。

何が言いたいのかというと、糖尿病そのものを治したいのであれば、それだけの数値では不十分ということです。
「空腹時血糖値」や「HbA1c」というのは、
「2-3ヶ月前とくらべて数値が悪化しているから合併症のリスクが上がるよ」「改善しているから合併症のリスクが少し減ったね」という判断をし ているだけなのです。

では、糖尿病を治すという観点で、何の数字を見る必要があるのかというと、「食後の血糖値」です。
この食後の血糖値というのは、糖尿病かどうか診断するときに使われる程度で、通院するようになるとほとんど使わなくなります。

成人してから血糖値が上がる・糖尿病になるというのは、ほぼほぼ食事の影響です。食習慣・生活習慣ですよね。
なので、糖尿病を脱したいのであれば、食事のあとの血糖値を観て、習慣を変えるということが本当は必要なんです。

でも、医療を提供する側も、受ける側も、平均値であるHba1cとか、朝一番の、一番血糖値が下がっている数値をみて、根本的な部分が治っていないのにも関わらず、その数値をみて、なんとなく安心してしまっているというような状況なんです。

たまに、HbA1cが下がったといって嬉しそうにしている方もいらっしゃるんですが、よく聞くと、食事の内容は変えずに薬で下がったということなんですね。
数値が下がることはいいことなんですが、薬だけで厳しく血糖を下げれば下げるほど、あらゆる原因の死亡リスクが上がるということがわかっています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18539917/

これは2008年アメリカ糖尿病学会から報告されたことで、血糖コントロールを厳しくしたほうが死亡率も下がるだろうということで、当時臨床試験を行っていたのですが、結果としては、その逆のことが起こってしまいました。
そのため、途中で臨床試験が中止になっています。そのくらいリスクがあるということですが、この結果から、糖尿病の血糖コントロールは厳しくするのではなく、程々にしましょうということになって、それが今もずっと継続されているということです。

ですので何度も書きますが、薬物治療では治らないんです。

ただ、生活習慣が元でなった糖尿病であれば、治療開始時に生活習慣を改善すれば、薬を使わずに血糖値を改善することができるわけです。
そして、やはり改善すべきは食事になるわけですが、どんな食事がいいのかというのは、すでに研究論文で発表されています。

糖尿病改善に効果がある食事

一つが「地中海食」です。
地中海沿岸で食べられている食事ですが、野菜・ナッツ・まめ・全粒の穀物と少しの赤ワイン、そしてオリーブオイルが中心になっていて、加工食品やジャンクフードはほとんど食べません。料理方法も生や蒸すことが多くて、高温で焼く・揚げるということがない食事方法になります。


そしてももう一つが「糖質制限食」です
過剰に摂取している糖質を減らした食事になります。たんぱく質は程々に、MCTやオリーブオイルから脂質をとります。お酒も嗜む程度あれば飲んでいいですが、ビールや日本酒など糖質が含まれているものは避けます。ワイン・ウイスキー・ジンは糖質が含まれていないので、飲んでいいとされてます。

どちらとも糖尿病に効果がある食事方法ではあるんですが、地中海食はあちらの食文化でもありますので、慣れないという方は、今の食事から少し糖質を減らすほうが取り組みやすいかもしれません。

積極的に摂りたい食品


どちらの食事方法をするにしても、積極的に摂って頂きたいものがあって、それが、発酵食品と食物繊維です。

発酵食品は、乳酸菌とか酢酸菌なんかが含まれていますので、腸内環境を良くしてくれますし、食物繊維は、腸内細菌の餌になるからなんです。

食物繊維が腸内細菌の餌になることによって「短鎖死脂肪酸」というものが合成されます。短鎖脂肪酸というのは、腸の栄養分になりますし、腸やカラダの炎症を抑えるという働きがあります。
炎症が抑えられることによって、血糖値が安定してきます。
実際、糖尿病の人は、腸内の短鎖脂肪酸が少ないことがわかっています。増えることによって、血糖コントロールが改善されるということで、臨床試験でも報告されています。

短鎖脂肪酸というのはそれだけではなく、脂肪の燃焼を促してくれるという働きもあると言われていて、血糖コントロールがうまくいかない肥満体型の人には向いている食品・食事方法となります。

たんぱく質には気をつけて

あと気をつけていただきたいのが、たんぱく質を多く摂りすぎないということです。
今、食事によるダイエット支援なんかもさせて頂いているんですが、そんなに糖質摂っていないのに血糖値がさがらないとか、体重が減らないという人は、たんぱく質を多く摂りすぎていると言うことが稀にあります。
ネットなんかで、「糖質制限でたんぱく質はどれだけ摂ってもいい」なんてことがよく書いてあるんですが、決してそんなことはなく、その人の体重と運動量によりますので、お気をつけください。

実際、動物性たんぱく質を摂りすぎることによって、血糖コントロールがうまくできずに死亡リスクが上がる研究結果なんかも報告されていますので、高タンパク質ではなく中たんぱく質な食事を心がけてください。

食後血糖値の捉え方・考え方

食後の血糖値を観ていく必要があるということを書きましたが、その数値としては、糖尿病の方は、「食事をして2時間後の血糖値が180mmg以内」というのが目安になります。
ただ実際、家庭で食後血糖値を測ろうとすると、血糖値測定器だったり、血を採取するための針・検査するためのチップを揃えないといけないので、なかなか大変です。
毎日・毎食、血を採取するとなると、心理的にも負担になりますし難しいですよね。

ですので、食後の血糖を調べてみたいという方は、ドラッグストアなんかで売られている尿試験紙でも判断することができます。

具体的な数値までは判定できませんが、方法としては、食事をして1時間後に尿検査するだけです。そのときに糖がでているようであれば、食後2時間の血糖は180mmgを超えてる可能性が高いです。
これを目安にしてください。

さらに、180mmgを超えている場合、糖質を控えることで食後の血糖値を下げることが可能ですが、今回は、糖尿病の方に目安としていただきたい数値とその捉え方もお伝えします。

ただ、空腹時血糖値がわからないと知ることできないので、興味がある方は、ご自身の健康診断の結果をみて計算してみてください。

血糖値というのは、摂取した糖質量からどれだけ上がるのかというのがわかります。
一般的に、生活習慣病からくる糖尿病の方は糖質1gで血糖値が3mmg/dLあがります。

ご飯、茶碗1膳150gを食べると、糖質量は55.2gとなります。

55.2mmg/dL×3で165.6mmg/dL上昇することがわかります。
これに自分の空腹時血糖、ここでは仮に130mmg/dLとしますが、それを足します。

そうすると食後の血糖値が295mmg/dLとなります。

目安が180mmg/dL以内となるので、その差が115mmg/dL。
これを3mmg/dLで割ると、38gの糖質分ということがわかります。
なので、糖質を38g減らすと食後の血糖値が180mmg/dL以内になると言う事です。
食べても良い糖質をご飯換算すると、約50gのご飯量となります。

これは、あくまで目安で考え方になるので、食後の血糖値を下げる薬なんかを飲んでいたりすると、また違ってきます。
ですので、これを見て糖質を減らしてみようかなと思った糖尿病の方、すでに診断を受けて薬物治療をはじめている方は、実行する前に、必ずかかりつけのお医者さんとよく相談をしてください。

そして、これは糖尿病の方向けの食後血糖値の考え方となりますので、糖尿病ではない方はこれに当てはまりません。お気をつけください。

最後に

今回糖尿病について書きましたが、何度もいいますが、薬で糖尿病は治りません。

血糖値が高い状態っていうのは、カラダに相当負担をかけていることになります。人は本来、自分で治そうとする力や血糖値を一定に保とうとする力があります。上がりっぱなしというのは、その力ではもう対処できないという状況で、自分で「危ないです」というサインをだしている状態です。

ですので、生活習慣を変えずに薬だけに頼った糖尿病対策をするとか、血糖値を高いままで放置しているというのは、将来、自分は心筋梗塞や脳梗塞になります、失明してもいいです、透析も受けますと宣言しているようなものなんです。

もちろん糖尿病の方全員がそうなるわけではないですが、血液検査で異常がでているということは、カラダが対処できない、生活習慣を変えて欲しいと訴えているサインだと言うことを強く認識していただきたいです。

何事も初期で対応すれば、カラダは本来持っている回復力を発揮することができます。長い間放置しておくと、その回復力では対応できなくなって、ドミノが倒れるように症状がどんどん悪化していきます。
健康診断でなにかひっかかった時・治療を始めるとき、薬に頼りっぱなしにするのではなく、必ず生活習慣も見直してください。


それでは。

追記

あなたの健康診断の結果はいかがですか?
異常を放っておくと、将来、糖尿病や心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすかもしれません。
病気の発症リスクは健康診断の結果から予測することができます。
気になる方・将来大きな病気になりたくない方は、まずは、そのリスクを判定しましょう

リスク判定はこちらからできます。

https://zelkova-health.com/tbys1


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