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まさかの事態が発生!? 完成までの道のりを全公開! #50日後に完成予定のプロトタイプ③

ピラミッドフィルム クアドラ(以下:クアドラ)では日々進化するデジタルテクノロジーの研究として、プロトタイプ(=技術デモ)を定期的に開発しています。クアドラの魅力であるプロトタイプ制作の面白さ、技術力、企画力などをたくさんの人に知ってもらうためにスタートした、プロトタイプ制作過程の観察企画「50日後に完成予定のプロトタイプ」。先日、ついにプロトタイプが公開され、この企画も無事に幕を閉じることができました!

前回の記事ではプロトタイプ制作の意外な動き出しから、本格的にデバイスを作っていく段階に入ったところまでを振り返りましたが、今回の記事ではその続きから完成・公開までの日々を振り返っていきます。
前回の記事をまだご覧になっていない方は、ぜひそちらからご覧ください!

「50日後に完成予定のプロトタイプ」がなぜ始まったのか、どんな企画なのかはこちらから。

制作過程の観察を始めて約1か月頃。制作開始から中間地点までの振り返り記事はこちらから。


順調そのもの! 一歩ずつ完成へと近づいていく。

この頃、頻繁に機械音が社内中へと響き渡っていました。鵜飼さんは何やら大がかりな作業中のよう。観察してみると、3Dプリンターとレーザーカッターで部品作りをしていました。以前、3Dプリンター用の図面を描いている様子を観察しましたが、実際に稼働している場面を目にすることができなかったため、ようやく見ることができて興奮しました…!
部品を作って、微妙に形が合わなかったら作り直し。そして組み立て。ひたすらにデバイスを作りあげていく段階でした。

ここで鵜飼さんから教わった知識を2つご紹介。
①今回はレーザーカッターで木を切ってますが、薄いものであれば金属も切れるそう。
②3Dプリンターで作った部品はABS樹脂という素材でできているそう。電化製品の外装部品などにひろく使われている汎用熱可塑性樹脂で、剛性・耐衝撃性・疲労強度などのバランスがよく、塗装などの後加工もしやすいのが特徴らしい。
分からないながらも、観察しつつ鵜飼さんに質問することで、少しずつ知識がついてきたように思います…!

徐々に完成へと近づいているのが伺えますね。想定スケジュール通りに作業が進んでいるようで安心。むしろ順調すぎて公開予定日までに投稿ネタが無くなっちゃうんじゃないの!?と逆に心配になるくらいでした。

気になっていた輪ゴムで結合している部分は、そもそもこういう設計だったそう。鵜飼さんを悩ましてしまいましたが、結果このまま進めていくことになりました。いつの日かアップデートする機会があれば改良されることを願っています…!

完成かと思いきや!?

数日間、鵜飼さんを社内で見かけず、進捗が気になっていた頃。7割くらいまで完成してるって言ってたし、きっと順調なんだろうな~と思いながら、久しぶりに会う鵜飼さんに声をかけてみると、驚きの一言が。
「あ、もうできたで。」
え?いつの間に?驚きを隠せませんでした。それと同時に完成までの過程すっ飛ばしちゃったし、この企画どうしよ…とめちゃくちゃ焦りました。

動作の最終確認をするとのことで、しばらく様子を見ていましたが、納得のいかない表情を浮かべる鵜飼さん。巻き取りの摩擦が強すぎてトイレットペーパーが絡まってしまうため、少し調整が必要だそう。
調整はいつ終わるのかなぁと鵜飼さんをチラチラ観察していましたが、時間がかかりそうとのことで、作業する鵜飼さんに心の中でエールを送りながらこの日は帰宅しました。

公開予定日が迫る中、まさかの事態!

前回の観察から数日、調整は終わったのだろうかと心配しながら鵜飼さんのデスクへと向かいました。一応完成はしているものの、巻き心地を滑らかにすることでもっと良いものが作れそうとのこと。そのために改めて検証を行っていました。

トイレットペーパーも芯も素材を変えて大幅な改良。公開日も迫ってきてるのに間に合うの!? とはいえ鵜飼さんの作業を手伝うこともできないので、ただソワソワしながら鵜飼さんを観察。
心配はありつつも、より良いものをつくるため、こだわり続ける姿勢に胸打たれました…!

ようやく名前が決定!

怒涛の追い込みで改良をしている最中、鵜飼さんから報告がありました。ずっと(仮)だったこのプロトタイプの名前が決定したとのこと! 名前は当初の予定通り「MAKIMAKI」。
観察をしていく中で「MAKIMAKI」に対して謎の親心のようなものを感じていたため、ようやく名前を与えられたことになんだか嬉しくなりました。
ロゴも鵜飼さん作。個人的に太めの字体が好きなので勝手にめちゃくちゃ気に入ってます。

ついに完成! 残すはプロモーションムービーの制作のみ!

公開直前での大幅改良を経て、ついに「MAKIMAKI」が完成!! 残すは公開に向けてのプロモーションムービー制作のみ!鵜飼さんのディレクションで撮影を行っていきます。編集ももちろん鵜飼さん。私は機械系が激弱なので、鵜飼さんってなんでもできてすご~~と感心しました。

公開前日。本当に明日公開できるのだろうか?とドキドキしていましたが、夕方ごろ、ようやく鵜飼さんからキービジュアルとプロモーションムービーが届きました。よかった~~~間に合った!! 鵜飼さんお疲れ様でした…!

観察開始から50日。無事公開!

そして、4月18日(火)。予定通り50日ぴったりで「MAKIMAKI」を公開しました!
キービジュアルやプロモーションムービーを撮影したのはクアドラのトイレ。こんなにかっこよく撮影されることは二度とないと思います(笑)。

改めて「MAKIMAKI」の説明。
「MAKIMAKI」はトイレットペーパーホルダー型のセンシングデバイス。誰もが使ったことのあるものをモチーフにすることによって体験導入をスムーズにします。単なるセンシングデバイスとしてではなく、モーターコントロールによって正転・停止・逆転をすることで、体験者に負荷や感触を与えることができます。映像やVR、音響など様々なメディアやデバイスと連携することでエンターテイメントとしての拡がりを期待して制作しました。

最後に

ここまでの50日間、「MAKIMAKI」の制作過程を観察していきました。スケジュール通りに進まないとこも多いと聞いていましたが、今回もまさにその通り。ものづくりの大変さを改めて感じました。しかしそれ以上に感じたのは、「ものづくりって面白い!」ということ。徐々にできあがっていくのを観察しているだけでもワクワクしたので、自分で考えて作っていくって、その何倍も面白いんだと思います。
そして私自身、ほとんど知識がないところからの観察でしたが、この企画を通してプロトタイプ制作の基本を少し学ぶことができた気がします! 皆さんにもプロトタイプ制作に興味を持っていただけたでしょうか?

クアドラはこれからもデジタルテクノロジーの研究として、プロトタイプ制作に励んでいきます。今後の新作にもご期待いただけますと幸いです。
また、過去のプロトタイプ作品もぜひチェックしてみてください!

(この記事の内容は2023年4月25日時点での情報です)


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