みらい奥様ストーリー【6】
部屋に入り、互いの荷物を置くと、みらいと俺はバスルームに入った。 「ふふっ」 「え、なにかおかしい?」 「ネクタイ、四十代なのに派手なのつけてるなって」 「それ、妻のプレゼントなんだよね」 みらいにスーツの上着を脱がせてもらったところで、彼女が笑った。 どうやら四十代では付けない紫色のネクタイをしていたから、らしい。 「この柄、アニメのやつじゃない?」 知らなかった。ただの柄だと思ってた。 アニメのタイトルを聞くと、劇場版の売り上げが百億円を超えた有名作品のものだった。そういえば、これを貰った頃、このアニメ映画を動画配信サイトで観ていたような。 「知らないで付けてたんだ。珍しいね」 「主人公の葛藤とか、ロボットの派手さとか……、面白い作品だったよ。これ、妻のプレゼントで貰ったものなんだ」 「へえ、奥さん、よーちゃんが好きなものちゃんと調べてる人なんだね」 話題になったネクタイを外す。 大事なものだと聞いたからか、ネクタイは小さく折り畳み、洗面台の上にそっと置いてくれた。 「いいカラダしてるのに、エッチしないなんてもったいない」 シャツのボタンが一つ一つ外され、俺の鍛え上げた上半身が露わになる。 「私だったら、夜のお楽しみにしちゃうのに」 「……」 夜のお楽しみ。 みらいの口からそう言われると、ドキッとしてしまう。 「よーちゃん、欲しそうな顔してる」 みらいは二ヤついた顔をしないよう、唇を噛みしめて堪えている俺を見てニヤリと笑った。 みらいの小さな手が、俺の両頬を包み込む。 「今から、いーっぱいあげるからね」 みらいの顔が近づき、俺の口に熱い口づけを零す。
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