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ブーレーズ/《12のノタシオン》

ブーレーズ(1925-2016)はフランスを代表する作曲家で、指揮者、音楽教育者、音楽行政官としても活動していた。

この小品集が書かれた1945年は第二次世界大戦が終結し、音楽界にも大きな変化が起きた年だ。戦時中ナチスによって禁止されていた前衛的な音楽が解放され、各地で現代音楽の演奏会が積極的に開催されるようになった。

一般に現代音楽は難解とされるが、効果音や環境音のような響きは映画や魔法を"聴いて"いるかのようだ。また、音素材の相互に影響したり反発したりする様は、幾何学的な抽象絵画やモダニズム建築を彷彿とさせる。素材の形そのものの美しさや取り合わせの妙が感性のみならず知性も刺激し魅力的だ。

2019.11.8 第32回荻窪音楽祭/IMA茨城音楽文化振興会コンサート/学生演奏家による室内楽の夕べ Vol. 3 より
於:Gran Duo

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