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ペットショップの生体展示販売禁止に向けての各社の動き

ペット後進国だと言われている日本。「いつまでペットショップで命の展示をするんだ」と国民から怒りの声が相次いでいます。

日本では今のところ、フランスのようにペットショップでの展示販売が禁止になる動きは感じられません。現在は、ペットショップやブリーダーに対して、運動スペースの確保や出産回数及び年齢、従業員の数などの規定が組み込まれたところです。

ペットの実家

いきなり生体の展示販売を禁止にする法律ができれば、ペットショップで働く従業員や、ペット保険会社、ペットメーカーなど、あらゆるところまで影響がでてしまうからです。

が、命の展示について、なんの動きもないかといえばそうではありません。


実はペットショップは、水面下で生体の展示販売禁止に備えて動いています。ペットショップ会社も、いつかは法規制されると分かっているんですね。

現在は、10年単位での準備段階です。で、何が動いているのかというと。


多くのペットショップやホームセンターが、次々に赤字の大型繁殖場を買い取っているんです。ブリーダーから。

ペット業界について詳しい方であればご存知かもしれませんが、ペットショップ会社が繁殖も行っているケースもあるんですね。

そのペットショップが保有する繁殖場は、ペットショップが一から場所を借りて、従業員を雇って、親犬・猫候補になる子犬・子猫を一から育てて・・・はじめた訳ではなく、行き詰った大型繁殖場を運営しているブリーダーから、従業員や親犬・猫ごと丸ごと買い取っているんです。

現在、各社このような売買が盛んに行われています。

なぜか?ペットショップでの展示販売をやめるためです。

ペットショップの今後は


ペットショップの今後

①ペットショップが保有する繁殖場で繁殖をする
②産まれたら、家族募集をサイト上で行う
③家族候補者がサイトから気になる子犬・子猫を申し込む
④申し込まれた子犬・子猫が、家族候補者の自宅近くのペットショップに移動する
⑤ペットショップで引き渡しを行う

つまり、繁殖場で家族を募集するためにサイト上に募集状況(写真や性別など)をアップし、ご家族が見つかれば、今あるペットショップに移動し、家族が引き取りに来る・・・。

という「ペットショップでの販売」と、「ブリーダー直販」の間をとったような販売方法。

動物たちがペットショップで家族を待つ、から繁殖場で家族を待つ。という動きになりそうなのである。

これについて、どう思いますか?

「展示販売が禁止になれば、ペットショップが廃業するのかと思っていた」

「展示さえなくなれば、いいのでは?」

「お客さんの目に触れない繁殖場なのであれば、ペットショップよりもっと過酷な待ち時間になるのではないか。掃除は行き届くのだろうか」

「それは、ブリーダーではなくパピーミル」

などなどのたくさんの想いがでてくると思います。

この引き渡し方法は一例で、各社どんな流れで「生体の展示販売禁止」を受けれていくか試行錯誤中です。

ペットの実家のママたち

現在のペット業界は

ペットショップやブリーダーなどの第一種動物取扱業者に対して、犬・猫の飼養施設の構造の規定、従業員数、繁殖回数などについて、数値を定めるように法改正されました。これを、動物愛護法の数値規制といいます。この数値規制の数々が、ペットショップやブリーダーにとって重荷となっているのは事実です。

例えば従業員数。従業員1人あたりの飼育数の上限を、繁殖用の犬は15匹まで猫は25匹までとなっています。

一般の方から見れば、それはそれはまだまだ緩いと思われるかもしれません。

ただ、ただ、人間の保育士の配置基準は、
4歳・5歳児クラスは子ども25人に対して保育士は1人。3歳児クラスは20人に対して1人なのです。(2024年度から施行された配置基準)

この配置基準より、厳しいのが現実です。

その結果、従業員の給与や社会保険料も重荷となり、何千万と赤字が膨らんでいるブリーダーは数多くいます。その繁殖場を、資金のあるペットショップが買い取っています。ペットショップが買い取ったからといって繁殖場の環境が良くなることはあまりなく、そこにいる親たちは同じような環境で過ごしています。(法律は守られるようになりましたが…)

これが、現在のペット業界の近況です。

生体の展示販売禁止に向けた動きは、ペット業界における重要な転換点であり、多くの思いや懸念が生まれています。

これからのペット業界におけるさらなる変化と課題に対し、一緒に考えていただければ嬉しいです。

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