ペットショップってペットが好きな方が働いているのか?→全ての人が好きとは限りません。No.1

「本当にペットが好きなんだね!」「ペットと仕事ができて幸せだね!」「毎日こんなにカワイイ子たちと一緒で良い仕事だね!」

店舗で働いていた頃、よく頂いた言葉です。

ペットショップで働いた事がある方は、経験があると思います。一度は必ずお客様から頂く言葉です。確かに大前提として「動物が好き!!」ということが必須とされるお仕事です。私自身もちろん動物が大好きですし非常に癒される時間を過ごしてきました。

ただし私の場合「ペットショップで働く」は、将来絶対にやりたくない仕事でした。


ここで簡単に私がペットショップに就職するまでの道筋を話すと

某動物系の大学で在学中就職活動→動物と関わる仕事を探す→「獣医」、「看護師」、「トリマー」、「トレーナー」、「ペットショップ」で迷う→専門的な資格が無かった為→資格なしで動物と関われて、給料がちゃんと頂ける仕事→「ペットショップ」ある意味消去法と言わざるおえないです。


では、なぜ将来絶対なりたくなかったのか・・・

①幼い頃から獣医になって、動物を助けることが夢だった

②大学生時代にアンチペットショップな考えを学んでいた

③大好きなペットの命をお金で取引したくなかった

④命を物として扱うような感覚に違和感があった

⑤テレビなどで悪質なペットショップの話題が報道されることがよくあった

⑥世界的に見ても非常に世間の風当たりの強い仕事

これが理由です。


今でこそペットと関われる仕事は多種多様になりましたが

当初は、動物と一緒に働くと言えばしっかりと給料が頂ける仕事は

「獣医師」「動物園・水族館」「ペットショップ」の三択くらいでした。

「獣医師」は国家資格が必要で非常に狭き門です。人の医者になるのとほぼ変わりません。「動物園・水族館」は、一見すごく魅力的で入れそうな仕事ですが、これも人気の職業で倍率も非常に高く、入れたとしても希望の動物の担当になろうとするとかなりの下積みが必要です。

そこで上記の中で良くも悪くも一番ハードルが低いのが「ペットショップ」です。スキルや経験値が高ければ、最初から社員として働くこともできますし、バイトから社員になるのも比較的難しくない職業です。

ペットと関わる仕事の中では、非常にハードルが低く、入れる業種の一つが「ペットショップ」の店員さんということです。


話を戻すと、10年近くこの職業に携わってきましたが、働くスタッフは①「ペットに出来る限り愛情を注ぐ人」

②「好きだけどそこまで過剰に好きではない人」

に分かれてきます。

結果どちらがスタッフとして長く勤め、良い結果を出すかというと②の方が多かったように感じています。※あくまで私の経験における主観です。

①の方は、特に動物たちの販売業務で必ず息詰まるタイミングが来ます。特に入社して半年~1年程で。好きすぎる気持ちとビジネスの感覚の狭間で押しつぶされて、苦しくなって仕事を辞めるスタッフを何人も見てきました。

②の方の特徴としては、しっかりとビジネスとして動物たちと向き合えている人が大半です。もちろん好きな気持ちは、ありますが

「いかにこの仔たちの良いパートナーを見つけられるか」

「興味のある方にこの仔の良さを知ってもらいたい」

「大きくなる前になるべく早く家族を見つける」

「この仔たちを育てるボランティアではない」

など自分の仕事に対する考え方がハッキリしている人が大半です。このような考え方を持っているスタッフは、お客様とのトラブルも比較的少ないですし、むしろ良好な関係を築いているケースもあります。過剰に好きなわけでは、ないので動物たちと暮らす「メリット」「デメリット」をよりお客様目線で伝える事ができるからです。


ここまでの話を見てお気を悪くされる方もいるかもしれません。

あくまでショップに居た頃の目線で書いております。

私自身、好きとビジネスの狭間で押しつぶされた1人かもしれません。

もちろんこちらに書いたことが全てでは、ありません。


「ペットショップってペットが好きな方が働いているのか?→全ての人が好きとは限りません。」

見極めるのは非常に難しいです。なぜならその事を表に出さないように、他のスタッフと同じようにお客様と話しているから。1つ見極めポイントを挙げるなら「デメリット」もしっかりと話せるスタッフです。こういったスタッフと出逢えるとかなり良いです。

ペットショップで「過剰に好きな人でないスタッフ」に出会うと「より良いパートナー(ペットたち)」との出逢いがあるかもしれませんね。

非常に風当たりが強く、マイナスの印象が強い業界ですが、実際に居たからこそ伝えられるリアルな良い所、良くない所、色んな事をお伝えできればと思います。

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