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3つの「もしも」から大切なペットを守るために【コジマ健康相談室#3】

一緒に暮らしている飼い主様にとって、ワンちゃん・ネコちゃんは大切な家族の一員ですよね。
そんな大切な家族にもしものことがあったらどうすればよいのか、不安に思ったことはありませんか?

体調を崩した時や災害時など、ワンちゃん・ネコちゃんの身に危険が迫った場面で適切に対処するには、知識をつけ、日頃から準備・対策をしておくことが肝心です。

今回の記事では「誤食」、「風邪」、「災害時」の3つの場面で適切に対処するための方法や日頃からできる対策についてご紹介します。


もしも①:もしもワンちゃん・ネコちゃんが誤食してしまったら


今年も9月に入り、秋の気配が迫っていますね。
秋といえば、食欲の秋。果物や野菜など、おいしい食べ物が旬を迎える季節です。
人と同じように、ワンちゃん・ネコちゃんにもたくさん食を楽しんでほしいですが、人間の食べ物のなかにはワンちゃん・ネコちゃんたちにとって有害な食べ物もあります。

こうしたものを食べてしまうことを「誤飲・誤食」と言います。

誤飲・誤食はワンちゃん・ネコちゃんのどの年齢にも起こり得ますが、特に1歳未満のワンちゃん・ネコちゃんは成犬・成猫より4倍以上も誤飲・誤食が多い傾向にあります。

誤飲・誤食したものの種類や量、ワンちゃん・ネコちゃんの体重や体質によって重症度は異なりますが、誤飲・誤食後に時間が経過してしまうと治療が困難になるケースや症状が重くなるケースがあり、場合によっては死に至ることもあるので大変危険です。

ただし誤食は飼い主様次第で未然に防ぐことができます。
今回の記事を参考に誤食についての知識を深め、注意していきましょう。

まずはワンちゃん・ネコちゃんにとって危険な食材の一部を解説します。

チョコレート

チョコレートに含まれている「テオブロミン」は、ワンちゃん・ネコちゃんの心臓や中枢系神経を刺激し、血圧上昇・不整脈・興奮・痙攣・昏睡等の中枢系神経における異常が起こることがあるため、注意が必要です。

「テオブロミン」はビターチョコレートに多く含まれ、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートの順に少なくなり、コーラやお茶にも含まれています。

ネギ類

ハンバーグやオニオンスープなどネギ類を使ったおいしい料理は沢山ありますね。
しかし、ネギ類はワンちゃん・ネコちゃんにとっては危険な食材なんです。

野菜そのものを食べなくても、鍋に溶け出した出汁も危険です。
食べ終わったお鍋を冷ましている隙に出汁を舐めてしまっていたなんてことも。
お食事後も注意が必要ですのでワンちゃんやネコちゃんが近づけない場所に移動させておきましょう。

ネギ類は中毒量に個体差があるため、少量であっても食べてしまった場合は必ず動物病院に相談しましょう。

人用の医薬品

種類によって大量摂取でなければ問題がないものもありますが、薬の種類や摂取量によっては中毒症状を起こすものもあります。

また、薬の外装ごと食べてしまうと食道を傷つけてしまうことも。
薬の保管を見直して、ワンちゃん・ネコちゃんが口に入れてしまわないように注意しましょう。

タバコ

タバコに含まれる「ニコチン」は、人間にとっても注意が必要な成分ですよね。
この「ニコチン」をワンちゃん・ネコちゃんが誤食してしまうと摂取後数分以内に下痢・嘔吐・興奮などの症状が起き、低血糖症を起こすことがあります。

最近では肝臓に障害を起こす可能性があることも報告されています。

キシリトール

ガムや歯磨き粉の成分としてよく耳にする「キシリトール」。
「キシリトール」をワンちゃん・ネコちゃんが摂取すると血糖を下げるホルモンである「インスリン」が急速に分泌されるため、大量摂取に接種した場合には痙攣・起立困難・虚脱・チアノーゼなどの症状がでる場合があります。

キシリトールの入った食べ物や製品は、ワンちゃん・ネコちゃんの口の届かないところで保管するようにしましょう。

お酒

ワンちゃんやネコちゃんはアルコールを分解することができずに有害なまま長時間体内に残ってしまいます。

さらに有害であるアルコールを吸収するスピードは速く、ワンちゃんやネコちゃんの体に大きな影響を及ぼす危険性があります。

特にイベントやお祝いごとのシーズンは油断大敵。お酒を飲む機会が増え、お祝いや親戚の集まりなどいつもと違う人数や状態のなかだとワンちゃんやネコちゃんへの注意が疎かになりがちです。
いつも通りの注意を心掛けてください。

アルコール度数が低くても危険なため、舐めてしまった場合はすぐに動物病院に相談しましょう。

甲殻類(カニ・エビ など)

カニやエビなどを生で食べてしまうと中毒症状を起こすことがあります。

加熱処理をするとワンちゃんやネコちゃんに与えても問題はないとされていますが、硬く尖った甲羅や殻ごと食べてしまうと、口内や消化器官を傷つけてしまったり、喉を詰まらせてしまう危険があります。

アレルギーを起こしてしまう可能性もあるため、注意しましょう。

お餅

お餅はワンちゃんやネコちゃんにとって有害な食べ物ではありませんが、沢山食べると嘔吐や下痢をしてしまう可能性があります。

また、人と同じで喉に詰まると、窒息してしまい危険です。

お雑煮などに入っているお餅は溶けかかった状態になっており、小さくても喉に張り付いてしまうことがありますので、少量であっても与えないようにしましょう。

タコ糸や骨、串など

お肉を縛っているタコ糸や骨、串などは美味しそうな匂いが染み込んでいるため、ワンちゃん・ネコちゃんが誤って食べてしまうことがあります。

タコ糸のような細長いものを食べてしまうと、ペットの体格と糸の長さによっては腸閉塞を起こしてしまう危険があります。
また、チキンの骨や焼き鳥の串などの尖ったものは消化器官に刺さったり、傷つけてしまう恐れがあり大変危険です。

糸や骨、串は早めに処分し、ゴミ箱もしっかりと蓋をするなど注意しましょう。

その他

ぶどう類、ナッツ類、アボカド など

もしも、ワンちゃん・ネコちゃんが誤食をしてしまったら
すぐに近くの動物病院に連絡をとり、獣医師の指示を仰ぎましょう。
その時は【いつ】、【何を食べたか】、【どのくらい食べてしまったのか】をできるだけ正確に伝えて下さい。
食品や薬物などの場合は内容の表示がある袋や箱、その他の場合でも誤飲・誤食した物や、その一部などがあれば治療方針の目安となるので一緒に持っていきましょう。

誤食を防ぐ心得

  • おうちではワンちゃん・ネコちゃんの口が届くような場所に物を置かないようにしましょう。

  • 時と場合によって、サークルなどで行動を制限するようにしましょう。

  • 人の食べ物は与えないようにしましょう。

  • 散歩では落ちている物を口にしてしまわないように名前を呼んだり、リードを短く持ってしっかりとワンちゃんをコントロールしましょう。「誤飲・誤食なんてしないだろう。」という油断が事故に繋がってしまいます。

飼い主様が気をつけてあげることが一番の予防となります。
大切なワンちゃん・ネコちゃんのため、日々注意をはらって過ごしましょう。

もしも②:もしもワンちゃん・ネコちゃんが風邪をひいてしまったら


つづいてはワンちゃん・ネコちゃんの風邪についてです。

実はワンちゃん・ネコちゃんも人間と同じように風邪をひくことがあります。
特にこれからは寒暖差の激しい季節なので注意が必要です。

風邪の症状

ワンちゃん・ネコちゃんの風邪症状は、主に咳・くしゃみ・鼻水などの呼吸器症状が見られ、ネコちゃんは目ヤニが増えることも多いです。
発熱や鼻づまりが起きると食欲不振や元気が無くなるなどの症状にも繋がります。
また、風邪が悪化すると肺炎になることもあるので注意が必要です。

特に幼齢期や老齢期のワンちゃん・ネコちゃんは肺炎になると重症化するケースが多いので、ただの風邪だからといって様子見せずに病院へ相談しましょう。

人間への感染

そもそもペットの風邪は人間へ感染するものなのか気になる方も多いのではないでしょうか。
結論、ワンちゃん・ネコちゃん・人間の風邪は基本的に互いに感染することはないといわれています。
ワンちゃん同士・ネコちゃん同士では感染してしまいますので、多頭飼育されている場合は風邪をひいている子と他の子を分けてあげるようにしましょう。

風邪の原因

ワンちゃん・ネコちゃんが風邪をひいてしまう原因はさまざまですが、ひとつは「冷え」です。寒暖差など気温の変化やシャンプー後にしっかり乾かさないことなどでカラダが冷えて風邪になることがあります。

免疫力の低い幼齢期や老齢期のワンちゃん・ネコちゃんは風邪をひきやすく、悪化しやすいので特に気をつけてあげましょう。

またはドッグランやお散歩中に他のワンちゃんから感染する可能性もあります。
風邪の症状が見られた場合は他のペットとの接触は控えるのが望ましいでしょう。

もしも、ワンちゃん・ネコちゃんが風邪をひいてしまったら

もしもワンちゃん・ネコちゃんが風邪をひいてしまったら、病院で処方された風邪薬を飲ませて暖かくし安静にしてあげましょう。
咳がひどい場合は病院にて薬を霧状にして吸い込む治療を行うこともあります。

予防としては特に冷え込む夜から朝にかけてペットのいるお部屋に暖かい場所を作ってあげることが大切です。
ベッドに毛布を敷いてあげたりペットヒーターを置いてあげるとよいでしょう。

また、ワクチンを打つことでウイルスによる風邪症状は軽症で抑えることが可能となります。
定期的に混合ワクチンを受けるようにしましょう。
ただしワクチンを打っているからといって風邪をひかないわけではないので、温度調節や体調管理は日頃から注意してあげるとよいですね。
 
風邪かな?と心配になったらまずは病院にお気軽にご相談ください。

もしも③:もしも災害が起こったら


3つ目の「もしも」は大雨や地震などの災害時。災害は人間にとっても非常に危険な現象ですが、未然に防ぐことが難しいものです。ただし、日頃から災害時に備え避難準備をしておくことが安心やトラブル回避に繋がります。

ペットのいるご家庭ではご自身やご家族だけでなくペットたちのことも考慮して準備をしておく必要があります。

今回は災害への備えとして、どのような備えを行えば良いかいくつかの対策をご紹介します。

ペットとの避難

安全な場所への避難が必要な場合、飼い主様とペットが一緒に避難する「同行避難」が推奨されています。
避難所は近隣の学校や市区町村の体育館など公共施設となり、避難所によってはペットとの同行避難ができない場合があります。

また、ペットは屋外などの決められたスペースでの避難生活を余儀なくされる可能性もあります。
避難予定先のペットの受け入れ可否をあらかじめ確認することや、避難所でペットの飼養管理が困難である場合は、避難時のペットの預け先を決めておくなど事前に対策を立てておくことが重要です。

避難生活

避難先では決められたルールや自治体の指示に従う必要があります。
公共の避難所は多くの方々が利用し、なかには動物によるアレルギー疾患をお持ちの方や、動物が苦手な方がいらっしゃるかもしれません。
また、避難先でのペットに対するトラブルも多数起きています。

周囲の方々へ迷惑をかけずにペットとの避難生活を過ごすため、日頃からペットへのトレーニングや予防医療を行うなどの準備をしておく必要があります。

日頃からできる準備・対策

ほかにも、もしもの災害に備えて準備をしておくと良いことをご紹介します。

【トレーニング】
●ケージ:避難時の移動や避難所で過ごすため、ケージ内へスムーズな出入りができるように慣れさせておきましょう。
●トイレ:決められた排泄場所で適切に排泄ができると避難所での排泄物処理や生活がしやすくなります。
●吠えや噛み癖の抑制:騒音や咬傷トラブル防止に繋がります。

【予防医療】
●ワクチン接種、寄生虫予防:決められた時期にワクチン接種や寄生虫予防をすることにより、避難所内で動物や人への病気等の感染防止に繋がります。
●避妊・去勢手術:繁殖の予定がなければ、避妊去勢手術を行うことで発情期によるストレス回避やペット同士のトラブル防止に繋がります。
●迷子対策:迷子になってしまった際にペットの所有者に連絡を取れるようにするため、迷子札の装着や個体識別用マイクロチップを挿入しておきましょう。
(マイクロチップは動物病院でも挿入することができます。)

【ペット用災害時持ち出し品】
人用とともにペット用の災害時の持ち出し品を準備しておきましょう。
<持ち出し品の一例>
●普段食べているフード・水・食器
●ケージやキャリーバッグ・首輪・リード
●トイレ用品(ペットシーツやトイレ用猫砂など)
●ゴミ袋
●タオル・マット
●暑さ・寒さ対策用品(保冷剤や毛布など)
●常備薬
●ペットの情報を記録したメモや手帳(ワクチン接種歴や既往歴など)
●ペットの写真



大切な家族の一員であるペットたちを守るため、災害への意識を高めて備えていきましょう。

まとめ

ワンちゃん・ネコちゃんにもしものことがあると、焦ったり大きな不安に苛まれたりしてしまうかもしれません。
しかし、日頃から対策・準備をすることでワンちゃん・ネコちゃんの身を守り、飼い主様も安心することができます。

今回の記事を参考に、今後もワンちゃん・ネコちゃんとの充実した共同生活を楽しんでくださいね!

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