鈴木清順『陽炎座』―アナ・ボルの時代
“Utaroの私的な、文学的な、サブカルと芸術に関する記録ノート”。
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「鈴木清順『陽炎座』―アナ・ボルの時代」。
清順監督の3つの映画について書き上げるのに、これだけ時間を要してしまった…。
一昨年前の6月でしたか、最初の『夢二』から書き始めたときから、こりゃ大変なことになるぞと予感してました。なんといっても清順先生の映画をじっくり観なきゃいかんだろうと20代の半ばに決心してから、もうすでに数十年の月日が流れてしまったこと。それから、『夢二』自体がまあ手強いのなんの。
さらにもっと手強かったのが『ツィゴイネルワイゼン』。清順先生は、理屈で映画を捉えようとしていないから、観ようによってはいくらでも解釈できてしまう。あの世で「それでもいいんだよ」といってくれてるのかもしれないけれど、一応、間接的に先生と生徒の関係ですから。ヘタなことは書けないし、清順先生に叱られそうと思ってしまう。
それで、1年以上空けて『陽炎座』を今回書いたわけですけど、ちょっと楽だったというか、楽になった。肩の力を抜いて、じっくり観ることができた。3回以上観ましたけども。
映画狂だった少年時代に、もう少ししっかりと『陽炎座』を観ていたならば、ホオズキどばばああっと溢れ出てくるシーンに感動して、「先生、あのホオズキはすごすぎます」くらいの話はしたろうに、世の中そう上手くはいかないものである。
鈴木清順監督の“(大正)浪漫三部作”は、「なんだかよくわからない」でいいんです。そのうちきっと、好きになっていきますから。
ぜひ興味のある方は、『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』の3作品を観てみてください。
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