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病気コラムvol.3《フィラリア症という病気を知っていますか?》


フィラリア症という病気を知っていますか?

わんちゃんを飼っている方は、
ご存じの方も多いのではないでしょうか?

最近では、
ねこちゃんの突然死の原因になっていることが分かってきています。

フィラリア症は、予防することで防げる病気です。

今回は、これからの季節に
予防が重要な『フィラリア症について』お話ししたいと思います!

フィラリアとは・・・

内部寄生虫の「線虫」というグループにいる
「糸状虫」という寄生虫です。

乳白色をしており、1㎜くらいの太さで、
15~30㎝程の長さのあるそうめん状の虫です。

このが何匹も体の特定の場所に住み着くことで、
病気の症状が起こってきます。

また、フィラリアはが媒介しています。

フィラリア陽性の蚊に刺されることで、
フィラリアに感染してしまいます。


引用『エデュワードプレス出版 犬・猫・エキゾチックペットの寄生虫ビジュアルガイド』


フィラリアの寄生部位

・右心室
・肺動脈
・その他臓器(あまりない)

わんちゃんは、
主に肺動脈(心臓から肺に血液を送り出すための太い血管)や、
その手前の心臓の右心室に寄生します。


まれに、肺動脈から移動してしまい(迷入)、
腹腔や前眼房、足や腕の血管から
虫体が出てくる(異所寄生)こともありますが、
主に寄生する場所は、肺動脈になります。

一方で、ねこちゃんの寄生部位は肺動脈にとどまらず、
肺や肝臓などいろいろなところへ迷入することが多く、

ねこちゃんのフィラリア症は、
突然死の原因となっていることが分かってきています。


フィラリア症にかかったときの症状

・咳
・元気がなくなる
・血尿
・お腹が張っている
・肺炎(猫に多い)など

フィラリアは、心臓に住み着くため心臓病の症状が出てきます。

血液循環が悪くなるので元気がなくなったり、
肺水腫となり咳がでたり、
うっ血して腹水がたまりお腹が大きく見えたりします。


フィラリア症の診断方法

・抗原検査キット
・ミクロフィラリア(幼虫)の検出
・レントゲン検査や超音波検査、血液検査など

フィラリアの成虫の抗原を検出する検査や、
顕微鏡で血液を直接見ることで、
フィラリアの幼虫を見つける検査があります。



また、進行度合いにより、
心臓や腎臓の検査として、
血液検査や超音波検査なども必要になります。

ねこちゃんでは検出が難しく、診断が遅れる原因となります。


フィラリア症の治療方法

・外科的治療
外科的な治療方法は、フィラリアの成虫を手術で取り除く方法です。
首の血管から器具を入れて虫体をつり出します。

・内科的治療
フィラリアの成虫は、いっぺんに駆虫することができません。

なぜかというと、
死骸が肺動脈から流れ血管に詰まってしまう恐れがあるからです。

そのため、いったん寄生してしまうと、
幼虫が成虫にならないように定期的に投薬し、
成虫の寿命が尽きるのを待つことになります(3年前後)。

幸いにもフィラリアがいなくなったとしても、
虫体が傷つけてしまった心臓の弁や内膜が治らず、
後遺症として心臓病が残ってしまうことも少なくありません。

治療方法は病気の進行度合いにより様々です。

心臓病の症状がでてしまっていれば、
フィラリアの投薬と一緒に心臓の薬も必要になります。


【予防することで防げる病気】

地域差はあるものの、
まだまだフィラリアに感染し、
陽性となってしまうわんちゃん、ねこちゃんはいます。

蚊もフィラリア陽性のわんちゃんやねこちゃんの
血を吸うことで、フィラリアにかかってしまい、
そしてまた、その蚊が広めてしまうという悪循環になっています。

陽性の蚊を作らないためにもしっかり予防をしていきましょう。

最近はガイドラインが変わり、
暖かい時期だけでなく、予防薬の通年投与(一年中)を推奨しています。

予防薬の種類は様々です。
おやつタイプやスポットタイプもあります。



フィラリアだけでなく、ノミとマダニも一緒に駆虫できるタイプもありますので、詳しくはペット家族動物病院までお気軽にお問い合わせください。



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