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フランス流絶交の洗礼を受けた日の話をしよう

*私の個人的な経験と意見です。

ある日、夫とノルマンディー地方にある観光地のお土産屋さんでフランス人ムッシュと遭遇。

遭遇したムッシュと夫は、元同僚。

そして彼は、以前私の日本語のクラスに来てくれていた生徒さん。

以前、職場で嫌でも毎日顔を合わせていたので、私の顔を忘れるはずがない。

そんな彼から私は

「フランス流絶交術」

「嫌いな人は、自分の視界に入れない方法」

を学んだのだ。

夫と別行動でお土産屋さんをうろちょろ

夫が、お土産のクッキーを真剣に選んでいる私のところにきて

夫:「いやぁーびっくり。今、クリスチャン見たよ。」

私:「えーここで?なんで。話たの?」

夫:「いやぁ、向こうは気づいていないと思う。見たってだけ」

まぁ、ここでの私達夫婦のやりとりはどーでもいい。

夫:「店を出る前に、クリスチャンに「ボンジュール」挨拶だけでもしに行こうよ。」

私は、内心面倒くさいなぁと思いながらも、夫について行った。

カルバドスを真剣に物色しているクリスチャン

私達:「ボンジュール クリスチャン」

ク:「おー、イヴォン、久しぶり」

夫には「Bonjour」ではなく「Salut」と少し砕けた感じの挨拶をしてニコニコ

夫の隣にいた私のことは完全に無視

目の前にいるのに私は彼の視界には入っていないらしい

そんな彼の異常な行動を察した夫は彼に、

「クリスチャン、プチドラ(私)覚えているだろう?」

で、もう一回私は彼にニコッっと作り笑いを交えて「ボンジュール」

それでも彼は、私のことを視界に入れようとせずに夫と話し続けようとしたのだ。

お店を出て直ぐに

夫:「彼となんかあったの?いくらなんでもあれはないわー。完全に君は透明人間だったねぇ。」

私: 「あー昔、彼の授業妨害がひどいから、日本語の授業は強制じゃないから無理して来なくていいよって言ったことがある。」

夫:「確かに彼は返しに困る下品なジョークが多いよなぁ。」って大笑い。

にしても、目の前でのガン無視は悲しい。

もやもやしてやりきれない、怒りと悲しみの気持ちでいっぱい。

私はこんなモヤモヤした気持ちを数年も引きずりながらフランスで暮らしていたのだ。

そんなある日、偶然パリ在住の辻仁成さんのこんなツイートを発見

そして私はこの記事に救われた。

そっか、私は彼の中ではいない人、存在しない人。完全に「削除・消去」されたのかぁ。(笑)

私もフランスで生きているから負けるわけにはいかないのだ。

私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。
私はあなたの期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
そしてあなたも、私の期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
もしも縁があって、私たちが出会えたのならそれは素晴らしいこと。
たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいことだ。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ゲシュタルトの祈り

*登場人物の名前は仮名です。

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