子猫と出会ったのは

かれこれ15年程前の確か週末、買い物に行こうと通りかかった電柱の足元に子猫が横たわっていた。

子猫を覗き込んでいた娘の同級生の男の子が「こいつさっきからここにいるんだよー」と言う。子猫は頭だけをもち上げて体を横たえたまま動かない。抜け道で車通りも多い道だから車に轢かれたのか?怪我しているのか?猫を飼った事も無いし、そのまま抱きかかえるのも怖くて、取り敢えず家に戻ってプラカゴとタオルを持ってきた。

電柱の所へ戻ると、娘の同級生はいなくなり、まわりには誰もいない状態で子猫だけがその場に倒れていた。

倒れている下側が血だらけだったらどうしよう、、、とか、触れようとしたら噛みつかれたり引っかかれたりしたらどうしよう、、、とドキドキしながら、タオルでそっとくるんでカゴに入れた。子猫は抵抗することもニャーと鳴く事も無くタオルにくるまれてカゴに入った。逃げる元気も無いようだ。でも、目はキラキラしてるし顔(表情?)は元気そうに見える。

家に連れて帰って、動物病院が開くまで玄関で待機してもらう事にした。当時、小学校3年生だった娘は子猫を見ると「きたなーい家で飼うの〜?」と嫌そうに言った。日頃から犬や猫の動物を見かけると「かわいい♪」とキャッキャ言ってるタイプだったので意外だった。逆に普段から全く動物に興味を示さない小5の息子は「大丈夫か〜?ヨシヨシ」とタオルの上からそっと撫でて「こいつ喉乾いてるんじゃない?」などと言い甲斐甲斐しく世話をしようとしていた。

夕方、午後の診療が始まった近所の動物病院へ子猫を連れて行く。獣医師いわくこの子猫は野良猫の子どもで栄養失調。多分育たないと思って親猫に置いていかれたんだろうとの事だった。

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