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過去・現在・未来を存在させているのはあなたの脳

こんにちは!アロマ心理学開発者大島鶴枝です。

本日は、『アルケミスト〜夢を旅した少年 パウロ・コエーリョ著』を読んで、この本に登場する『心』というものが語りかける『夢』を叶えることを阻止する脳内の言葉を解説していこうと思います。

アルケミストは、羊飼いの少年がピラミッドの夢を見たことで、そこに眠る宝物を探しに、様々な導きをもらいながら、困難と立ち向かい、成長していく物語です。

『何かを強く求めれば、宇宙の全てが協力して実現するように動いてくれる』『前兆に従うこと』など、目に見えない大いなる存在からのメッセージを受け取りながら進んでいくその物語は、

『星の王子様』に並び称賛されるほど、多くの人の心を掴んだ作品と言われています。

私たちに語りかける頭の中の言葉

私たちは、新しく何かを思いついたりした時、少し時間が経つと、「やめよう」と思うような、あらゆるリスクを想像します。

それは、脳が語りかけてくる言葉で、

不安や恐怖など、その思いついたことをやろうとしたときに、発生するネガティブな出来事であることが多いのです。

この私たちに語りかける頭の中の言葉によって、私たちは、大人になると子供の頃のように『夢』を語ることはほとんどなくなり、目に見える現実的な事柄に囚われ、生きる目的を見失います。

アルケミストの中に出てくるある一場面で、少年は宝物を追い求める中、砂漠のオアシスで運命の女性と出会うシーンがあります。

その時の少年は、宝物を見つける旅の中で、お金を生み出していたので、運命の女性に出会ったことで、もう、あらゆるリスクを負ってまで、宝物を探しにいく必要はないと、

その女性と砂漠のオアシスで、幸せに暮らすことを選ぼうとしたのですが、

そこで出会った錬金術師に、

「夢を追いかけないと、後悔する」と言われ、その女性と、自分の宝物を見つけるという夢のために、離れる決断をし、そこからその女性を思って、苦しむというシーンがあるのです。

その時に、登場する『心』について。少年はこう語るのです。

「『心』は自分の夢を持ち、感情的になり、砂漠の女を思って情熱的になります。そして、僕にいろんなことを質問し、僕が彼女のことを考えると、何日も僕を眠らせてくれません」

少年の『心』は、ある時には、砂漠を渡り、宝物を見つけるまでに死んでしまうかもしれないと、少年を脅し

またある時は、自分は満足した、愛と富を手に入れた、今のままで何がいけないのかと、自分が宝を探しにいくのを、あらゆる理由をつけて、やめさせようとするのです。

少年は、「僕の『心』は裏切り者です。『心』は旅を続けて欲しくないんだ」と錬金術師に語ります。

この物語同様、このような会話を私たちは、脳内で、幾度となく行なっています。

少年が言うように、この脳内で語りかける『心』と言う存在は、一体、なんでこのように、自分のしたいことをやめさせようとするのでしょうか。

『心』は傷つきたくない

この少年の問いに、錬金術師はこう答えます。

「夢を追い求めると、全てを失うかもしれないと心は恐れているのだ」

恐れ、悲しみ、苦しみ、痛み・・・。

私たちの『心』は、何か挑戦しようとしたり、新しいことをしようとすると、私たちの頭の中に、ネガティブなことを語りかけ、それを止めようとします。

それだけではありません。

過去に起きた嫌な出来事を何度も見せ、その時の怒りや、苦しみ、辛さを再体験させることもあるのです。

この物語を読んで、少年と同じように、私は、この『心』の声さえなければ、何も恐れず、前に進んでいけるのに、

直感や前兆によって、進む道が現れ、自分が進む道は、絶対に間違っていないと強く思っても、

数分後には、この『心』の声にやる気を失わされることを、何度も経験してきたことを、自分の人生を振り返って考えていました。

この物語の錬金術師は、少年にこう言います

「君は、心に耳を傾けなければいけない。なぜならば、心を黙らせることはできないからだ」

自分の決意を揺るがすことを、過去や未来まで引っ張り出して、やめさせようとする『心』という存在に対して、耳を傾け、『心』が何を恐れているのかを知ること。

それは、『心』が実は、私たちを愛しているからこそ、語りかける『愛の言葉』だからなのだと言うのです。

『心』の声に耳を傾け友となる

錬金術師の言葉を聞いて、少年は『心』の声を聴き続けました。

『心』の声に耳を傾けると、『心』の誤魔化しや企みがわかってきて、それをそのまま受け入れられるようになったと書かれています。

『心』が少年の夢を止めようとする理由、それは、少年を愛しているからなのです。

少年は、宝物を求めにいかなくても、もう充分、満たされている。

羊が何十頭もかえるお金と愛する人・・・。

それらを全て失ったら、少年は立ち直れないだろう。

『心』は、少年のことを守ろうとしているのです。

私の脳内の語り手も、同じように何か挑戦しようとしたり、何かを手放す時、不安や恐怖、過去の悲しみや苦しみを何度も脳内に、投影させ、そのことをやめさせようとします。

もう、関わりのない過去、自分を傷つけた人まで、引っ張り出して、新しいことをするのを阻止しようとするのです。

その度に、私は、いつも、そんなことばかり考える『自分』はなんと情けない人間なんだと、

『自分』と『心』は同一人物であるからこそ、その『心』を否定し、そんな『心』を発生させる『自分』を非難していたんですね。

でも、この物語で、少年に『心』はこう語ります。

「私は人の心ですからね。人の心とは、そうしたものです。人は、自分の一番大切な夢を追求するのが怖いのです。自分はそれに値しないと考えているか、それを達成できないと感じているからです。

永遠に去っていく恋人や、楽しいはずだったのに、そうならなかった時のことや、見つかったかもしれないのに、永久に砂に埋もれた宝物のことなど考えただけで人の心は怖くてたまりません。

なぜなら、こうしたことが本当に起こると、非常に傷つくからです」

少年は、『心』が自分を思って、傷つくのを恐れていることに気がつきます。

そして、こう語りかけます。

「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」

少年は、『心』に、

「僕が真剣に宝物を探している時、毎日が輝いている。それは一瞬一瞬が、宝物を探しているという夢の一部だと知っているからだ」

人は、夢に向かっている時、ワクワクし、胸が高鳴り、全てのものが自分に必要な出会いだったと思わせるような奇跡を体験する。

それは、神がその体験を通してしか、得ることができない多くのものを与えてくれるからだ。

私も、何か新しいことを閃いた時、胸が高鳴り、ワクワクし、楽しい未来を想像します。

私も含め、この社会にとって自分という存在は、何か役に立っているのだろうか、とても小さな存在に見える時がありますが、

夢に向かって進み、その夢の道中で出会ったかけがえのない人たち、その人たちが、自分を傷つけ、蔑んだ人であったとしても、

そこから学び、前を向いた自分に多く出会えば出会うほど、人は自分に自信を持ち、その経験を財産として夢を追いかける希望を見出せるのではないか。

だからこそ、『心』よ。もう嫌な人を脳内で、再生するのはやめて・・・。

その人たちに今私は感謝しているのだ。

それでも、脳は、再び同じ過ちを犯さないように、何度も過去の出来事を投影し続けるのです。

私たちの脳は未来と過去を行き来する

アインシュタインは、友人に綴った手紙の中で

「過去と現在、未来と言う考えは幻想に過ぎない。時間は同時に存在している」と綴っています。

一体、これは何を示すのか。

アインシュタインは、脳内の思考実験を繰り返すことで、特殊性相対性理論や一般相対性理論などを定義した天才ですが、

実は、このアインシュタインの言葉は、私たちの脳内は、すぐに過去にも未来にもいけると言うことを示していると理解したのです。

私たちの脳内は、記憶を伝達するシナプスとシナプスを電気信号で、伝達します。

つまり、電気信号、『光』です。

相対性理論では、『光』はこの世の中で最も早く、『光』の周りの空間は止まっていると話しています。

つまり、脳は、瞬時に過去に戻って、過去を映し出すことができると言うことです。

こちらの記事でも解説していますが、私たちの脳は、記憶の断捨離を行うことの方が得意なので、感情というタグをつけて、同じ感情を経験することで、その記憶を引き出すということを行っています。

簡単な例を出して言うと、
今、私が、娘と美味しくカレーを食べているとします。

その時に、脳は

「あの時も、2人でカレーを食べていたな」とカレーを食べていた時の匂いやその時に感じた感情をもとに、『今と言う現実』を見ながら、過去の記憶を遡り、『あの時カレーを食べていた娘』に合わせてくれます。

と、言うことは、『今カレーを食べている私と娘』と言う現実と、『あの時カレーを食べていた私と娘』が脳内で同時進行で、映し出されているのです。

これは、未来も同じです。

今カレーを食べながら、

「娘が大きくなったら、赤ちゃんを連れて、このお店でカレーが食べたいな」と娘の赤ちゃんを連れた姿と私という『未来の私と娘』を

同時進行で、『今の私と娘』がカレーを食べている瞬間、脳は未来を映し出すのです。

脳内は電気信号。つまり高速で進む『光』

過去も現在も未来も、脳内(光)によって、自由に行き来でき、そして、同時に見ることができるということになるのです。

過去は書き換えられる

今まで、人間関係の辛い過去があった人ほど、この脳の過去の描写を投影するという行為で、

そこに存在していない人が脳内で存在し続けるということを繰り返し行ない、自分で自分を苦しめていると言ったことを、日々経験しているかと思います。

でも、嫌な人を想像している時、今、目の前にその人は存在していません。

私たちは、現実社会で苦しんでいるように見えて、実は、脳内が作り出す『投影』のなかで、生きている時間がとても長いのです。

脳は、現実で起きた”目に見えるもの”を、感情と紐付けし、その出来事を感情をきっかけに、過去として脳内で投影します。

だから、私は、思ったのです。

嫌な相手は、脳内からすぐに排除。

一瞬だって、脳内に嫌な人を存在させないように思考を塗り替えていくことを気長にやるしかないと思ったのです。

人は嫌な出来事の方が、覚えている生き物です。

でも、いいことも体験しています。

もし、過去の辛さを脳が再生する時、瞬時に過去のいいことを再生し、笑顔になることができたら・・・。

その再生は、いつか『いいこと』の連続に変わります。

そして、過去のいいことで、塗り替えられない人こそ、『今』のワクワクする体験や笑顔になる体験を増やして、楽しくなる過去を作っていって欲しいのです。

悪い過去は、いい過去で塗り替え、今楽しく生きることで、未来、思い出す過去の投影を良いものに変える。

そのために、『今』最大の幸せ体験をしに、私たちは、物質社会で生きている。

ぜひ、今を楽しむことを日々、行なってくださいね。

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