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年長さんの劇「夢の色ってどんな色?」作者が語る②

「ピクシー」が好評で生活発表会、年長さんの劇に!

作者が語る①で紹介した「ピクシー」のストーリー、こども達に妖精という設定が可愛くていいのではないかということで、生活発表会向けに新たに書き下ろしました。それが「夢の色ってどんな色?」です。園の発表会となると、主役が一人というのは差がつきすぎるのでピアノの精ポロロンに加え、花の精フラワーや水の精マリンを増やしました。それぞれの場面で大切な役割を担う役・登場人物も増やしました。
そして卒園して巣立っていく年長さんの園生活最後の発表会にふさわしい場面を、と書いたのがよく学校の卒業式で行われる「呼びかけ」です。「シュプレヒコール」とも言いますね。このセリフはまたあらためて紹介するとして…

「夢の色」の答えですが、「ピクシー」では「白」でした。どんな色にも変わって、絶対に変わらない色、だからです。でも「呼びかけ」のセリフを書いて、こども達指導をし始めて…こども達が辿り着く答えとは違うと感じたのです。

きっかけになった群馬の保育園

と言うのも「ピクシー」から「夢の色〜?」に書き換えるきっかけになった保育園様がありました。生活発表会の全ての脚本を頼まれたんです。
この園は60周年を迎えます、園舎も建て替えてハード面は充実しました、あとはソフト面、要は発表会を充実させたいんです、と。その為に新しい劇発表の脚本を書いてくださいと言われました。
こちらの園長先生は、PETIPAがフレーベル館の講習会の講師として呼ばれ、ダンスを指導していた私をご覧になって見初めて?(笑)下さったんです。もちろん、劇発表教材を書いているのもご存知でした。

脚本のオファーなんて! 最高に嬉しい!!

もちろん私は二つ返事でお受けしました。脚本家にとって、自分のところのために本を書いてくださいなんていうオファーほど嬉しいものはないからです。
おまけにオリジナルで自由にどうぞ、とコレまた最高のお言葉。
この保育園様のために6本の脚本を書き下ろしました。その中で年長のために書いたのが「夢の色〜」だったのです。
そして直接園児の指導にもお伺いしました。音楽を決め(当時はまだオリジナルができていませんでした)、ダンスも振付け…こども達は生き生きと、私の予想を超えた演技を見せてくれました。園に行ったらこども達は私を同じレベル扱い?で「まみっち、一緒に踊ろ〜」「一緒におやつ食べよ〜」、ついにはトイレにも誘われていました(笑)

そんなこども達の演技をみている間に、最後の「白」という答えに違和感を感じるようになったのです。「白」は「白」で、あくまで限定されているからです。
まだ見ぬ世界に力強く、自由に、夢を持って未来に向かっていく生命力。
そこで一つの色に限定されるのはおかしいと思い、園長先生に相談して答えをかえました。その答えは、大人が読むと「おー、ちょっと哲学的」と言われる方もいらっしゃいますが…こどもが素直に、まっすぐ胸を張っていう姿をみて、「変えてよかった、これでよかった」と心から思えました。

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