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ねこさん・わんちゃんのアレルギー その12 低アレルギーフード


はじめに

前回の記事ではアレルギー用の療法食の選び方について解説しました。

アレルギー用の療法食を利用する場合は、まず、ねこさん・わんちゃんが食物アレルギーであると診断しなければなりません。

アレルギー用の療法食は、あくまでも「食物アレルギーの原因となるタンパク質(アレルゲン)を含まないフード」であり、どんな種類のアレルギーにも有効なフードでもなければ、ましてやアレルギーをなおしてくれるフードでもないからです。

そして、ねこさん・わんちゃんが食物アレルギーであると診断するには「除去食試験」を行います。除去食試験によって、フードをアレルギー用の療法食に変えることで、アレルギーの症状が改善することを確認します。

詳しく知りたい人は前回の記事をお読みください。


■ 低アレルギーフードとは?

今回の記事では、市販されている低アレルギーフードについて解説します。
ここで言う「低アレルギーフード」というのは、アレルギー用の療法食ではなく、ペットショップやホームセンターなどで販売されているフードの中で、「低アレルギー」をうたっているフードのことです。

このような低アレルギーフードは、アレルギー用の療法食とどう違うのでしょうか?

まず、低アレルギーフードは、ねこさん・わんちゃんが食物アレルギーであると獣医さんが診断したうえで選ぶのではなく、飼い主さん自身の判断で選ぶフードであるということです。

そして何よりも大きな違いは、このような低アレルギーフードは食物アレルギーの治療に使うことを前提としていない・・・点です。
ですから、もしも動物病院でねこさん・わんちゃんが食物アレルギーだと診断されている場合は、市販の低アレルギーフードを使うのは避けてください。食物アレルギーの症状が改善しない可能性が高いです。


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