およぐ人、はしる人 20170414
指先に力を入れる余裕がない。水の抵抗を考えられない。今までどうやって進んできたのか、浮いていたのかと、不思議に思うほどもがき溺れている。絶望という言葉を思い浮かべる暇もないわたしは、確実に「ひとり」だ。
負荷がかかると、まったく新しいことをしたように戸惑う。無意識に出来ていたことが出来なくなり、ああそうだ、「当たり前」なんて無いんだったと気づく。わかっているつもりでわかっていなかった、知っていることにしたかったことを、温水プールからでて川に飛び込んではじめて実感として飲み込