りつかこ @ 声と文章

ゆるゆるラジオ配信。ゆるゆる日記。

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  • わたしのすきなひと

    明るくて暗くて明るい日記です。

  • ほのぼの日記

    気ままにゆるーくしゃべります。 あまりにも平和で、どこまでも穏やかで、どうみても仲良しな毎日の記録。

  • 療養日記

    新型コロナウイルス発症してからの出来事 (主にホテル療養) についての日記です。

  • りりりりっかこの気づいたこと

    中身のない日記のようなものを音声でお送りしますっ!ねえねえ聞いて!

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終わりと始まりのあいだ

夏の朝帰りはたいへん気持ちいい。 思えば、朝帰りの日はいつも晴れている。 このままずっと、ここでこうして眠っていられたらな。 何もかもがどうでもよくなってしまう、だるくてやさしい夜が明けたら、わたしは少しだけ急いでうちに帰る。 誰かとの一日がまた始まってしまう前に。 ラッシュの時間帯に、空いているほうの電車に乗って、スタート地点に戻る。 雨に濡らしてしまった日傘を乾かすこと。 コンビニで支払いをすること。 大好きなひとの温度をおぼえること。 昨日忘れていたことたち。

    • 目を閉じるとおじさんがいる

      さいきん、目を閉じるとおじさんがいる。 目の前にいる。 おじさんは小さく、白黒で、ちょび髭を生やしている。 鼻炎薬カプセルみたいな形をしていて、首のようなつなぎ目はない。 手足は塩こんぶみたいなのがぴょろぴょろ出ているだけだ。 口元がどうなっているのかわからない。 笑っていないけれど、怒ってもいないと思う。 細くて短いまつ毛が2本、くるんと上を向いている。 おじさんはイスに座っている。 キャスター付きだ。 足が短いのでプラプラさせている。 なんだかよくわからないハンドル

      • 6月3日

        ぼんやりと、近づいては通り過ぎていく光を感じていた。目を閉じてもわかる。あなたはまるで光のよう、とはよく言ったもので、目を背けても閉じても、感じてしまう存在は本当にある。つぎに会う約束があることに安心し、何かあるごとに報告が増え、焦がれて焦がれて仕方がない。 「香川で乗り換えがあります。」 突然、そんなことを言われたものだから眠れなくなってしまった。そっと両腕を服の中に隠して、冷えた二の腕をさわる。カイテキではないこの空間が、わたしにあの人のことを考えさせる。 こんなにも

        • シャワーヘッド 20170821

          実は、うちにはシャワーヘッドがなかった。 いやいや、最初はあったんだ。 「なにやらボイラーがおかしい」 「お湯が出ないぞ」 とざわついていたとき、原因をシャワーヘッドだと見抜いた知り合いの手によって外された。 京都旅行から帰ってきたわたしが見たのは、先端が銀色に光るホースだった。 以来、わたしたちはホースで水浴びしていたわけで。シャワーヘッドがないことは日に日に自然になっていった。 案外ホースは不便さを感じさせない。 むしろ、なんて言うか、……いい感じだ。 住民であ

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          ひとしずく 20170517

          コンプレックスというものは誰もが何かしらに対して抱いているのだろう。 彼女のそれはまた違う。 たとえば、腕が3本あればいいのに。 たとえば、超能力があればいいのに。 悩む隙のない、諦めたもの。 彼女は自分の睫毛をそういうものと捉えていた。 睫毛が長い人は美しくて憧れだ。 睫毛の多い人が羨ましい。 そんな思いはとっくに消化済みなのだ。 前向きな諦めなの、と言う。 これ以上減らさないよう、流行りの睫毛エクステなどしないし、マスカラで睫毛をのばすことも、しない。

          ひとしずく 20170517

          おわる

          いまならこんなにはっきりと思い出せる。 あの言葉を。光を。温度を。 忘れてしまうことが、かなしい。 一度にたくさんの恋をして、すべて失くしたような。 きれいだけど、切なくてどうしようもない。 失うわけじゃない。 心の中の大きなものが、きっと小さくなっていく、という予感。 離れただけで、うそのように忘れてしまう。 守りたいものは、たくさん。 守れるものは、ほんの少し。 わたしはわたしの中で、たったいくつかの、なにを守る? 選べないから苦しいのか、苦しいから選べないの

          およぐ人、はしる人 20170414

          指先に力を入れる余裕がない。水の抵抗を考えられない。今までどうやって進んできたのか、浮いていたのかと、不思議に思うほどもがき溺れている。絶望という言葉を思い浮かべる暇もないわたしは、確実に「ひとり」だ。 負荷がかかると、まったく新しいことをしたように戸惑う。無意識に出来ていたことが出来なくなり、ああそうだ、「当たり前」なんて無いんだったと気づく。わかっているつもりでわかっていなかった、知っていることにしたかったことを、温水プールからでて川に飛び込んではじめて実感として飲み込

          およぐ人、はしる人 20170414

          ナスと挽き肉

          ‪わたしは実家にいると毎日ごはんを自分で作る。 と言っても、毎日おなじものを食べる(たいていは)。 ナスと挽き肉を炒めて、しょうゆとみりんとごま油で味付けをして白米にのせたもの。 日によってみそ汁やとん汁がつく。 挽き肉はコストコで大量に買ったものを冷凍してあり、ナスは祖母がよく送ってくれる。 (言い忘れたけど、挽き肉は豚のもの) 今日も、昨日や一昨日とおなじように、ねこが入らないようにそっと、冷蔵庫からナスと挽き肉をとりだした。 ナスをすこし炒めたあとに、フライパン

          忘れたくないこと 20170424

          「ここのコーヒーおいしいの。」 「ここの卵かけごはん食べてほしい。」 ただそれを伝えるだけなのに、堪えきれないという風に笑います。 駅でまちあわせだと思っていたのに、着いたら「まず南口を出て歩きます」とメッセージを送ってきて自分のいるところまでわたしを歩かせます。 おすすめのメニューをたんと頼んでおきながら、「ご飯を食べてきたわけではないけれど気分的に食べたくない」といってわたしの胃を困らせます。 自分はなんにも相談なんてしないのに「え、その話きいてないんだけど」とわ

          忘れたくないこと 20170424

          命の範囲はどこからどこまでか

          大切なものを増やすのが本当に苦手だ。 わたしはとても臆病だ。 自分で「恋人」や「友達」と定めたものに対してどう向き合えばいいのかわからない。 優先順位を決めることができず、そのしゅんかん、いちばんちかくにあるものしか大切にできないときが多くある。 遠くで悲しんでいる人に、本当の意味で寄り添えない。 顔が見えない人に思いを馳せることができない。 目の前で涙を流している見知らぬ人に、心を持っていかれてしまう。 それだから、大切なものなんてつくるべきじゃないとどこかで常に思

          命の範囲はどこからどこまでか

          キノコな彼女

          鼻から空気を吸ってみたら、紙のにおいがした。 本屋にいるのだった。 きっと長い間このにおいに包まれていただろうに、まさかはじめて息をしたのか。 なにか悪さでもした後のように、わたしはそっと本を棚に戻して辺りをきょろきょろ見回した。 入ってきたときには、となりに姉がいたはずだった。 わたしを見下ろすようにそびえ立つ本棚たちの間を、ひとつひとつ覗いてみる。 気がつくとわくわくしていた、子どものころみたいに。 一体おねえちゃんはどこにいるんだろう。 これが彼なら、きっとコミッ