今の仕事、ONとONとOFFとOFF

今の仕事に関連して、自分のことを書いてみようと思う。



めちゃくちゃ広義で拾えば、接客業をしている。

主に、20歳以下ぐらいを対象に。


初対面の人と話すことを仕事にするなんて、昔の自分からは全く考えられない。今でも、若干の違和感のようなものを抱えながら、働いている。

典型的な人見知り。だけど、人見知りなのは、「ダメな自分」を見せることを怯えているだけだということに気づいた。割と最近。


自分という人間へのコンプレックスを多々抱えている。「できない」自分が嫌いだ。これでも、だいぶ諦めた方だけど。

1つ諦めると、1つ欲が出る。その欲ができるかできないかで、自信が増えるかコンプレックスが増えるか。運次第。

コンプレックスが露呈して傷つかないように消極的な態度で他人に接すると、初対面からなんとなくうまくいく人も少なくなるし、初対面以降に仲良くなっていく人も少なくなる。

それに気づいたのは、今の仕事を始めて、人と特別な状況で接したり、そのための勉強をしたりしたからだ。



早いうちに、タイトル回収、伏線回収なるものをしておこう。

僕は、ONに、2段階ある。OFFにも、2段階ある。

対人スイッチ、とでも仮の名称をつけておく。


「ON」の度合いで言うと、仕事用の僕>友人たちと接する僕>「普段」の僕>一切の接触を拒む僕、と表現できる気がする。


仕事用の僕は、かなり無理をしている。普段からヘラヘラしていて、明るい、物分かりのいい、分け隔てのない、優しい、にこやかで、穏やか。そんな人間を演じている。演じ切れずに粗が出る部分は、そこはご愛嬌〜!とヘラヘラする。ちょっとそそっかしい、「かわいいやつ」を演じている。

文字にして並べると地獄。キツい。

ちなみに前職では、今以上どころか自分の全てをぶん投げて完全に無理をしていた。表面上だけでも完璧な人間にならなきゃならない、とまで思っていた。真面目で品行方正、何事にも実直、そんな人間を演じていた。


「本来の自分よりも上のステージ」を演じることは、無理をすることと同義だ。せめて、今自分がいるステージを把握して、目指しているステージがどれだけ遠いのか、どれだけ負担がかかるのか、ぐらいは把握しないとどこかでガタが来る。

前職ではたった1年でガタが来た。

現職ではどうか。まあまあ上手くやれている。

背伸びはしているが身の丈は超えずに演じている、つもりだ。地に足は着いている。あるラッパーの言葉。

前職では感じられなかった、これでお前のやった仕事は成功だよ!みたいな実感もある。

目の前に人がいて、わかりやすく、雰囲気と態度と表情が変わる。それが、嬉しい。

この文章を書く直前、仕事でとてもいい手応えを得られた。そのテンションでこの文章を書き始めたところもある。


ただ、1日のうち1/3もの長い時間、強烈なONを演じるためには、その前後で徹底的な「OFF」が必要になっている。

起きてから出勤前と、退勤後から家に着くまでがその時間。

テンション高めの音楽を大音量で聴きながら、死んだような目で。移動の合間にはタバコを2〜3本吸う。コンビニで何か買うときも、ONの時からは考えられないような不機嫌な声で「あざます↓」と感謝を言う。

ゴリゴリONの時は「すみません↑、ありがとうございますぅ↑」。

深く沈み込んでからの方が高く飛べる、みたいな話だと解釈している。だいたいは合ってると思う。だいたいは。


そして、それぐらいOFFはOFFでまあまあな底があると、友人くらいの気楽な関係でも、リアクションを大きめに取ったり、にこやかにしたり、たわいのないことを話すだけでも、半分くらいはスイッチをONにする。

普段のOFFな僕は、感情が素直に出すぎる。そんでテンションは低い。暗い。それが気恥ずかしい。

ちなみに酒を飲むと、寂しがりになったり、酷く不安定だと泣いたりするが、そのへんは、まあ、許してほしい。友人たちよ。



締めに向かうために、強引に今の仕事の話に戻す。

やっている作業自体はとても大変な職業だ。人を愛し、人をよく見て、人の手を引く、ような作業だ。

けど、品行方正、完璧人間を装うよりよっぽど気楽だ。

大変な職業なので、むしろ僕の失敗や弱い所を見せることで、分かり合えることも多々ある。今の僕が最大限に発揮できる「ON」には、ピッタリだ。

そんな仕事を、している。


いつまで続けるかなんて決めてないし、難しい仕事で、制約も多くて、とても面倒だ。

でも、過剰なONのスイッチも、制御できる範囲だ。

弱い所を完全に消すスイッチなんて入れてはならない。僕は、たった1年で潰れてしまった。



自分の商売相手には多くの言葉で様々な角度で語りくさっているが、「要するに」伝えていることを、自分にも言い聞かせている。

気楽に、行こうぜ。


不器用な人間が生きていくのに必要なのは、それだけだ。

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