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【ベトナム】第三次産業で特にサービス業の可能性について考えてみる②

日本では札幌を中心に展開しているメガネの小売店が選んだベトナムという国は経営者の判断が的確だったのかもしれないし、その戦略が適切だったのかもしれない。業種は違えど参考になる知っておくべきポイントは数多いです。(前回

メガネプリンスを少し掘り下げたいと思います。

第三次産業のサービス業で、他業種・他領域であっても参考になる点が非常に多く、知っておいて得しかないと思うためです。


◆ 実行項目

① ベトナム人マネージャーに本社で3ヶ月間の開業前徹底研修を実施
② 高品質商品の販売に際し、保証とアフターケアを充実
③ 現場スタッフの商品知識と顧客対応のプロフェッショナル化を徹底
④ 顧客の期待値を裏切らないよう現場教育を充実、スタッフの劣化防止
⑤ 日本人店長が常駐、日本企業経営を視覚的にも顧客に対して日々実践

◆ 参考になるポイント

① 3ヶ月の日本研修が要となる人材の必要条件として比較的難易度低い
② 既存の多くの企業で保証やアフターケアが意識が薄いため、顧客満足度上昇ハードルは高くなく実施しやすい
③ 顧客ニーズの理解と顧客ファーストの実行が日本品質の理解度と信頼に直結
④ 市場の数字を追うだけでなく、今日の顧客に向き合うことが長期的なコアファン獲得に影響
⑤ 日系企業という名だけに留まらず、現場に日本人がいることが安心感と信用、付加価値を生む


日本で日本人に対して日本人がサービスしていると全く気付かないし、比較することもない部分であっても、海外、特に潜在的に印象の良い日本にとっては上記の傾向がある。参考になるポイントについては事前にオンラインの公開情報を収集し、ソースを明確にした状態で分析した資料から抜粋しました。
※ 全てベトナム語なため、日本人が日本語で調査すると出てこない情報かと思います。が、情報というのは世界に溢れていて、それをどう取得するかに因ると思います。

上記のポイントで、能力も経験も必要ないのが⑤の日本人常駐です。仮に小売でベトナム市場に攻めようと思った際に、ベトナム人が顧客となるとしても日本人がその場にいるだけで雰囲気がローカルの同業種と異なります。これは英会話のNOVAが今思えばどういうキャリアの欧米人かよく分からずも、英語をネイティブで話している先生がレッスンしてくれるだけで価値を見出し、僕たち日本人は日本人先生よりもネイティブに教えてもらおうと思い、通ったのと似ています。

国籍だけで無条件に権威性が付き、その上で顧客の期待値を上回ればサービス提供価値が十分成り立ちます。暴利な市場価格を崩壊するような金額を推奨するわけでないのですが、利益追求する上でも、その利益を働いてくれるスタッフに還元する上でも合理的です。

100円均一で大手のダイソーもまたベトナムに進出していますが、100円ではなく200円を超える金額で提供しています。それでも大繁盛とは言いませんが、経営を継続しているので一定の利益を上げていると思います。これもベトナムのどこのスーパーやコンビニでも売ってない日本語でダイソーと書かれた廉価商品とは言えベトナム産でない外国産のものが手に入るからでしょう。

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◆ 飲食店で日本人経営で日本人が立っても、既にベトナム飲食領域では付加価値は付きにくい。しかし、小売業であれば潜在的ニーズの高さや日本発という差別化から勝ち戦になりやすい。

AEONの次にイトーヨーカ堂が来たとしても、
UNIQLOの次にスーツカンパニーが来たとしても、
スタバの次にドトールが来たとしても、
公文の次に武田塾が来たとしても、

まだ戦える市場は十分に残っています。
しかし、日本発で日本製を持ってくるから日本価格の3倍でも売れるだろうなんて安直な発想で参入すると失敗するでしょう。10年前と違い、既にベトナムの都市部は経済的にも十分日本の大都市同様に力を付けてきています。今ベトナム人は消費するものを探し続けていて、昭和後期の「高いものは良いもの」思考が強いものの、比較することも知っています。単純な製品の比較では中国産や韓国産と競争する必要がありますので、先のような期待値を上回るソフトサービスの充実も重要です。これは日本人だから当たり前に出来ているきめ細かい(必要以上な)無償のサービスだと感じています。

しかしきめ細かいサービスだけが勝ち戦の方法とは言いません。その前にベトナム市場の過去・現在・未来を調べて予測し分析するだけでなく、競合分析や顧客分析も当然必要になります。(3C分析

表面的な情報取得だけでなく、ニールセンに頼むまでせずとも一定数の事業規模に合わせたヒアリングとインタビュー実施も必要でしょう。ベトナムは個人情報に対するリテラシーがまだ低いため、比較的容易にリアルな情報を取得できると思います。SNS社会全盛期なベトナムではFacebookを通じた企業PRや企業比較、企業評価も数多く行われており、一方的な広告情報だけでない消費者のビジネス領域情報も非常に大きな参考となります。


次回


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