【ベトナム】第三次産業で特にサービス業の可能性について考えてみる①
第三次産業はどこの国でも参入障壁が低く、初期コストも低く進出しやすい分野です。第三次産業内でもベトナムにおいては小売業・飲食業・不動産賃貸業・人材紹介業に日系企業の参入は集中しているように思います。
どの分野でも日本の大手は参入してきており、同時に中小も参入しています。よく目にする進出企業としては以下の通りです。
小売業ーAEON、セブンイレブン、ファミリーマート
飲食業ー牛角(コロワイド)、大戸屋、CoCo壱番屋、すき家
不動産賃貸業ーダイビル、東急
人材紹介業ーパーソル、パソナ
大手の中で感覚的に上手く行ってると思うのはAEONやダイビルです。数値的に上手く行ってると分かるのはAEONやすき家でしょう。
とは言え大手でない中小以下の企業(個人)でもベトナムの第三次産業では戦うことが可能です。大資本を盾にせずとも、ビジネスの可能性は未知数です。実際にハノイやホーチミンには毎年毎月毎日多くの日本人が視察や出店、起業のために訪れています。この2都市だけでも2,000万人の人口を抱えるので、ちょっとした東京並みの消費力を潜在的に秘めています。都市別GDPを見ても、ハノイとホーチミンは表面上はそれぞれ3,500$や5,500$でも、実態としてそれを遥かに超える数値を訪れた人は感じるでしょう。
圧倒的購買意欲に加えて、その消費能力の強さはここ5年で急激に高まっています。
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Googleで検索すると誰でも手に入れれる上記の情報はそこまで価値がありませんが、事実として知っておく必要があると思います。一般的な日本人の会社員よりもベトナム人の会社員の方が遥かに経済的にも豊かな生活をしているのが現実ですが、なかなか想像してもらえません。
そんな中、日本で第三次産業に従事する人の総数は4,200万人(2005年)と言われている一方で、ベトナムでは1,500万人(2015年)を超えて増えてきている。日本側の統計局のデータが古いけど、大幅に産業構造図に変化はないと思うので、4,000万人程度が継続的に従事していると想定し、ベトナムでは増加傾向は変わらない。
ここで言いたいことは第三次産業に従事する人数が増え、それを支える都市人口と収入も増えているということで、各種サービス業の市場拡大は明白です。
同時にベトナム人の気質について考えてみたい。
ベトナム人は中華圏の影響を受けたのか、新品嗜好が強く、中古品を好みません。また見栄を張る文化です。そして多種多様な製品で外国製(アメリカ・ヨーロッパ・日本・韓国)を国産以上に好みます。なので、分かりやすい例だとiPhoneの普及率は25%になります。(下記参照)
しかし全国での統計になるため、これを大都市2都市に限れば50%を超えてくる感覚値です。
サービス業と言っても範囲が広いため、対ベトナム人比率が98%を超える小売業で支持を集めている企業について分析したいと思います。
その企業はメガネのプリンスです。
出店開始は2015年でAEON内で開業しました。そしてメガネのプリンスは海外出店はベトナムが初めてです。中国や韓国、あるいはアメリカという諸外国に進出経験がなかったのですが、ベトナム市場及びベトナム人の特性をよく理解したサービスを最初から始めていたように思えます。
◆ 新店舗のベトナム人マネージャーに対して、日本研修を実施(3ヶ月)
会社のイズムを伝えて学ばせるためにも、一般的な本社研修。これはできる限り行った方が良いです。
◆ 日本経営なので期待値が高く、スタッフ一同プロフェッショナルに務める
レピュテーションが凄まじいことを調査してて分かったのですが、自社Facebookやベトナム人向けの比較サイトなどでは、
「スタッフがプロで自分に合った商品を丁寧に説明してくれた」
「フレンドリーの中にもプロ意識を感じた」
「価格は高いが、保証や交換のサービスがあり安心して購入できる」
など、日本の一般的な小売店で受けれるサービスをメガネプリンスでは実施しています。一方この一般的なサービスに共感や感動を覚えるのは、ベトナムではそれが徹底されてないことの証にもなるように思えます。
メガネの新品をレンズとフレーム合わせてベトナムでは2,500円で購入可能です。一方メガネプリンスでは9,000円しますので、4倍弱の金額です。
ただ価格だけを見るのでなく、レンズやフレームがMade In Japanというブランドと品質が担保されているので中流以上のベトナム人には圧倒的支持を受けています。同時に口コミで広まるのがベトナム市場です。評判も噂も全てSNSを介したオンラインネットワークで展開していきます。
確かなサービスを確かなスタッフと商品でベトナム市場に展開する。価格はベトナム一般市場価格より高いかもしれないが、決して日本で買える価格以上に暴利を貪るわけでない。僕は意外に真摯に経営しているように思えます。完全ベトナム市場にフォーカスしている点もブレがありません。セグメントがきちんとできており、そのための準備を怠らなかった。
このnoteではメガネのプリンスが展開するメガネプリンスについて、非常に簡単にまとめています。ので、表面的な情報だけで判断しないでもらいたいです。
とは言え、日本では札幌を中心に展開しているメガネの小売店が選んだベトナムという国は経営者の判断が的確だったのかもしれないし、その戦略が適切だったのかもしれない。業種は違えど参考になる知っておくべきポイントは数多いです。
(次回)
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