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物語【絶望への秒読み】第十一話

「お前達準備はいいか!」

あぁ。「はい。」僕と夏陽は覚悟を決めた。

「念のため、今夜のうちにシェルターに入ってもらう。明日、隕石の影響がなければドアを開けるからな。」父さんは大きな声で言った。


「はい。これ。」母さんが食べ物を用意してくれていたみたいだ。


「ありがとうございます。」と夏陽は頭を下げる。


「ケータイも繋がるからいつでも話はできるぞ。」「パール!」「ワン!」「頼んだぞ。」父さんがパールに言ったのを見て夏陽が笑った。


「まぁ大丈夫だ!明日生きていたらみんなで生還祝いをしよう!」



「みんな生きているに決まってるでしょ!」父さんは母さんにまた叩かれている。


生還祝いって。



「夏陽をよろしく。」おじさんに言われて僕は頷いた。



僕と夏陽とパールは、三人に見送られながらシェルターの中に入った。その時の両親の笑顔は忘れられない。



僕のスマホが鳴る。父さんからだ。「一応、生活に必要なものはすべて揃っている。さっきも言ったように明日何事もなければ、ドアを開けるからな。」


分かった。



「夏陽ちゃん不安そうじゃないか?」うん、大丈夫そう。パールと遊んでる。



「今まで黙っていて悪かったな。」



いいよ別に。。。



ん?父さん?父さん!



「どうしたの?」



急に繋がらなくなった。


父さん!僕は慌ててシェルターのドアを開けようとするが開かない。



父さん!僕はドアを叩きながら叫んだ。



父さん!父さん!父さん!


それからスマホはまったく繋がらなくなった。



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