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論文紹介① 新卒看護師の職業コミットメント─入職前後の変動ならびに職業継続意欲との関連性─

はい、みなさんこんにちは。

つかさ@パーソナルプリセプターです。

今回は、新しい取り組みとして新卒看護師についての論文を紹介していこうかなと思っています。

論文ってむずかしいんですけど、やはり便利。ありがたく、先人の知にあやかる戦法を取りたいと思います。先行研究バンザイ!

で、1つの論文を複数回に分けて見ていきながら、実践の場でつかさはどう思うのか、感想や考察なんかを付記していきたいなーと思っています。

それでは行ってみましょう!

原著の紹介 「新卒看護師の職業コミットメント─入職前後の 変動ならびに職業継続意欲との関連性─」 (竹内朋子ほか)

原著はこちらから http://janap.umin.ac.jp/mokuji/J1601/10000001.pdf
日本看護管理学会誌 2012 年 16 巻 1 号 p. 5-12

▼抄録▼
本研究は,3つの下位概念から構成される新卒看護師の職業コミットメントの入職前後における変動を記述すること,新卒看護師の職業コミットメントと職業継続意欲との関連性を明らかにすることを目的とした.

 新卒看護師138名を対象とし,入職前(T1),入職後3ヶ月(T2),入職後1年(T3)の3時点における縦断調査を実施した結果,以下の2点が明らかになった.

第一に,情緒的職業コミットメントはT1からT2にかけて低下し(p < .001),T2からT3へかけて上昇した(p < .001).計算的職業コミットメントはT1からT2にかけて(p<.001),T2からT3へかけて(p=.012)それぞれ有意に上昇した.規範的職業コミットメントはT1からT2にかけては有意な変動はみられず,T2からT3へかけて低下した(p<.001).

第二に,T3の職業継続意欲には,T3の情緒的職業コミットメント(p<.001),T3の計算的職業コミットメント(p=.010),T3の規範的職業コミットメント(p=.045)が関連した.さらに,情緒的職業コミットメントのT1からT2(p=.001),T2からT3(<.001)への上昇,計算的職業コミットメントのT2からT3への上昇(p=.022)もまた有意な関連性を示した.

以上のことから,新卒看護師支援に際して,職業コミットメントの一時点の状態だけではなく,入職前後における形成状況を考慮する重要性が示唆された.

さっそく抄録をそのまま乗っけています。

もう「むずっ!」って言いそうなんですけど、ちょっと頑張ってみますw

この論文のメッセージ(つかさ訳)
で、この論文の言いたいことはなんだ?というと、

新卒看護師(新人さん)について
●職業コミットメントの推移を3つに分けたら、それぞれ特徴的な変化が読み取れたよ。3つっていうのは、①情緒的 ②計算的 ③規範的の3分類ね。

 ※「看護師が好きだなー」は、①情緒的。
 ※「看護師やめたら経済的に損するやん」が、②計算的。
 ※「看護師だから世間のためにも働かなきゃ」が、③規範的。

で、それぞれコミットメント(内発的動機づけ)として、入職前・入職3ヶ月後・入職1年後で定点観測して点数だしてます。

●新人看護師が病院に入職してから1年後、「これからも看護師したいですか?」という職業継続意欲の調査において、①②③の何が影響を与えていたのか明らかにした。とくに①情緒的と②計算的の職業コミットメントで統計的に有意な結果がでたよ。

こんなところ!!

図にしてみた。

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本論文のポイント①

ポイントをかいつまんで紹介していこうと思うのですが、まず「情緒的コミットメント」がこの論文ではとても大事になるところだと思います。

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入職前に30点だったものが、27へ減少しているんです。これは原著の中でも触れられているんですが、入職してまず看護師の現実を知ります。

良くも悪くもリアルを知ることで、一旦「看護師への好きという気持ち・誇り」が低下するんですね。この時期は新人さんにとっては、失敗の連続だったり、初めて責任を持って患者さんに向き合う訳ですから、自信を失うこともあるでしょう。

そして、その後、上がるんです。27から33へ!よかった笑 やはり人間は適応します。おそらく知識も技術も少しずつ出来てくる。そこで「看護が好き」という気持ちが上昇してくる。

現場はどうやって新卒看護師を支援すべきか。

ここから先は、つかさの現場の意見を述べます。

教育担当者としては以下の2点ですね。

▼情緒的コミットメントへの教育サポート(つかさ)
 ・T1からT2への下降を、大落下にはしない
 ・下がった気持ちを上昇に転じられるように、さり気なくサポートする。

たとえば、インシデントをしてしまっても一緒に振り返って、そのインシデントを「意味のある失敗経験」にすることが大事かなと思います。そして、「看護が好き」という上向きの気持ちにできるように、新人さんを追い込み過ぎない。

「毎日、出勤するだけで頑張ってるってことよー」
そんな声かけをこの時期の新人看護師さんにはしてます。

「こんな失敗続きの僕・私は看護師に向いていないに違いない・・・」
このように思ってしまわないように、さり気なくサポートするのが一番重要と捉えています。はじめは失敗はしても、ちゃんとポイントを掴めばできるようになることが多いですからね。男女ともに。

はい!今回はここまでにしたいと思います!

今回は、新人看護師についての論文で「情緒的コミットメント」について触れてみました。いかがだったでしょうか。

最後に

こんな感じで、このnoteでは、男性看護師や新人看護師にむけたワンポイントアドバイスやコラムを発信しています。もしよかったら、つかさ@パーソナルプリセプターをフォローしてくださいね。

そして、無料対談も受け付けしていますので、「職場のことを誰にも相談できない」「看護師の教育やキャリアについて迷っている」などありましたら、つかさ@パーソナルプリセプターへお声掛けください。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

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