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スピークバディの「音楽から英語を学ぼう」60年代ROCK/POP編 【中級】Wouldn't It Be Nice (by The Beach Boys)


皆さん、こんにちは!
オンライン英語コーチング「スピークバディ パーソナルコーチング」のコーチ、Motohiroです!
今回は「音楽から英語を学ぼう!」のプレイリスト第7弾60年代ROCK/POPから英語を学ぼうのご紹介と、その中から Wouldn't It Be Nice を紹介していきますよ!

・プレイリスト「60年代ROCK/POPから英語を学ぼう」について

まずプレイリスト「60年代ROCK/POPから英語を学ぼう」について簡単にご紹介します。これは名前のとおり1960年代に発表された楽曲を集めたもので、ロック音楽が誕生した年代の象徴的なアーティスト、バンドの代表曲を集めています。今までの「音楽から英語を学ぼう」シリーズのプレイリスト同様、60年代の音楽に馴染みのない人にとっては入門編として最適だと思います。

・60年代に誕生したロック音楽

まず、60年代がどういう年代だったかというと、近代音楽史においては間違いなくビッグバンが起こった最重要の年代であると思います。50年代から Elvis Presley(エルヴィス・プレスリー)がさまざまなジャンルから作り上げてきた Rock'n'Roll(ロックン・ロール)というジャンルの流れを受けて、前回ご紹介したモータウン・サウンド(アメリカ・デトロイトを中心として爆発的人気を誇った音楽ジャンル)などの影響も包括して誕生したのが、ロック音楽でした。

・ロック音楽の礎を築いたバンドたち

そんなロックというジャンルを確立させる立役者であり、その万華鏡のような可能性を惜しげもなく打ち出したバンドが、ご存じ The Beatles(ビートルズ)です。彼らの存在があったからこそ、その後、現在に至る無数の音楽が存在できている、といっても過言ではないかもしれません。初期のロックの時代を作ってきた代表的なバンドとして The Rolling Stones(ローリング・ストーンズ)、The Who(ザ・フー)、The Kinkis(キンクス)、The Velvet Underground(ベルベット・アンダーグラウンド)などが挙げられますが、ロックというジャンルの可能性を押し広げ、後世に残した影響の強さなどからも、歴史的に最も重要なバンドは間違いなく圧倒的に The Beatles なのです。

・The Beatles に歴史を作る刺激を与えたバンド

そんな The Beatles の代表作で歴史的最重要アルバムの一つであるのが「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」という作品なのですが、この作品の音楽的方向性に大きな刺激を与えたと言われているのが、今回ご紹介する楽曲が含まれている The Beach Boys(ビーチ・ボーイズ)の「Pet Sounds」というアルバムです。
今回はその「Pet Sounds」から、オープニング・ナンバーの「Wouldn't It Be Nice」をご紹介していきます。

⦅楽曲の背景⦆

まず The Beach Boys について簡単にご紹介すると、1961年にBrian Wilson(ブライアン・ウィルソン)を長男とするウィルソン3兄弟を中心として結成されたアメリカのバンドです。デビュー間もなくバンド名そのままな夏のビーチをテーマとした「Surfin' Safari(1962年)」や「Surfin' USA(1963年)」といった楽曲のヒットで人気を確立しました。

・Brian Wilson という悩める天才

大人気ポップ・バンドとして世界を股にかけて活躍していた1964年頃に、突如として登場した史上最強のライバルが The Beatles でした。その衝撃と時を同じくして、ツアー三昧かつ作曲、レコーディングという超多忙な日々に疲れ果ててしまった Brian Wilson は、精神破綻をきたしツアーから戦線離脱することになります。
バンドメンバーとも疎遠になり、1人スタジオにこもり、曲作りに専念するようになった彼は、軽いポップ・バンドのイメージから脱却し、ロック・バンドとして次のステージに進むための作品作りに精を出し始めるのです。

・そして最高傑作「Pet Sounds」の誕生

バンドメンバーが忙しく世界中をツアーで巡っている中で、あらゆるヒップな人々との交流やドラッグ漬けの生活を送るようにはなりますが、Brian Wilson は意欲的に、かつ実験的にさまざまな音楽の創作を行います。そして完成されたのが「Pet Sounds」でした。ドラッグの影響も精神破綻による影響も色濃く反映された、とても内証的で個人的な内容、そして今までとはまったく異なる音、しかも、アルバムの楽曲のほとんどをすでに彼1人で完成させており、バンドによる作品ではなくソロ作品かのような印象まで受けたバンドメンバーは、この作品を初めて聞かされたときに、当然困惑しました。
そしてリリースされても、アメリカの批評家やレコード会社もあまり好印象を示さず、チャートセールスもあまり振るいませんでした。ところが、大西洋を挟んだイギリスでは一転大好評を博し、6か月にも渡りトップ10以内にチャートインし続けたのです。そしてこのアルバムが、先にも述べた The Beatles の最高傑作に大きな影響を与えたのです。

・そんな傑作のオープニングを飾る「Wouldn't It Be Nice」

その後、時が経つごとにあらゆる音楽関係者から「Pet Sounds」への評価が高まり、90年代には複数の音楽誌が発表した「史上最も偉大なアルバム」で堂々の1位を冠しています。そして2020年までで計2回改定された米ローリング・ストーン誌の「史上最も偉大なアルバム500選」では、なんと3回ともすべて2位にランクされているのです。(ちなみに、2020年最新版の1位は前回ご紹介した Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の「What's Going On」で、2003年版と2012年版ではいずれも The Beatles の「Sgt. Pepper's 〜」が1位を獲得しています。)
それでは、そんなアルバムのオープニングを飾り、シングルとしてもリリースされた楽曲「Wouldn't It Be Nice」の歌詞を見ていきましょう。


⦅歌詞と和訳⦆

Wouldn't it be nice if we were older?
(もし僕らがもっと歳を取ってたら素敵じゃないかな?)
Then we wouldn't have to wait so long
(そしたらそんなに長く待たなくてもいいんだよ)
And wouldn't it be nice to live together
(そして一緒に住めたら素敵じゃないかな?)
In the kind of world where we belong?
(僕らに相応しい世界の中で)

You know it's gonna make it that much better
(それがどれだけいいことなのかがわかるよ)
When we can say goodnight and stay together
(おやすみって言っても一緒にいられるときにね)

Wouldn't it be nice if we could wake up
(もし一緒に目を覚ませられたら素敵じゃないかな?)
In the morning when the day is new?
(新しい1日を迎える朝にさ)
After having spent the day together
(そんな1日を一緒に過ごした後に)
Hold each other close the whole night through
(一晩中抱き合っていられることができたら)

But happy times together we've been spending
(でも僕らが一緒に過ごしてきた幸せの時間)
I wish that every kiss was never-ending
(すべてのキスがずっと続けばいいのにな)
Oh, wouldn't it be nice?
(あぁ、それって素敵じゃない?)

Maybe if we think and wish and hope and pray, it might come true
(もしかしたら僕らがそれを考えて願って望んで祈ったら叶うかもよ)
Oh, baby, then there wouldn't be a single thing we couldn't do
(あぁ、そしたら僕らができないことなんて一つもないだろうな)
Oh, we could be married (Oh, we could be married)
(僕らは結婚できるかも)
And then we'd be happy (And then we'd be happy)
(そして幸せになれるかも)
Oh, wouldn't it be nice?
(あぁ、それって素敵じゃない?)

You know it seems the more we talk about it
(そんなことを話せば話すほど)
It only makes it worse to live without it
(それなしに生きることを酷くさせるだけだよ)
But let's talk about it
(でも話そうよ)
But wouldn't it be nice?
(だって素敵じゃない?)

Goodnight, my baby, sleep tight, my baby (x3)
(おやすみ、僕のベイビー、しっかり寝てね、僕のベイビー)

(Music & Lyrics by Brian Wilson, Tony Asher & Mike Love)

⦅英語のポイント⦆

2人が一緒になれることを夢見ている、そんな微笑ましい情景が歌詞から浮かんできますね。とても無垢でポジティブな歌詞が、それにぴったり合うようなメロディに乗って素晴らしいアルバムの幕開けを担っています。
歌詞は基本的には「〜だったらいいなぁ」という仮定法の助動詞 wouldcould が多く使われていますね。タイトルの「Wouldn't It Be Nice」には「素敵じゃないか」という邦題がつけられていますが、ちゃんと訳そうとすると「素敵じゃないだろうか?」という感じになります。この否定疑問文に仮定法が加わってくるとちょっと混乱しやすいかもしれませんね。
では、今回は英語のポイントとして以下の2つを選んでみました。

(1)副詞で使われる that

You know it's gonna make it that much better. という文で使われている that は普段よく目にする「それ」という代名詞でも「その」という形容詞でも、関係代名詞でもなく「そんなに/それほど」という意味の副詞として使われています。例えば Is it that good? という文があるとしたら、「それってそんなにいいの?」という意味になります。
なので今回の文を直訳すると「それはそれをそんなにとてもより良くさせることが君もわかる」と、bettermuch を加えた上でこの that を重ねてかなり「良さ」を強調していますが、つまりは「そんな風に一緒にいられたらどれだけいいか君もわかるでしょ」ということを言っているんですね。

(2)副詞で使われる the

You know it seems the more we talk about it, it only makes it worse to live without it. という文の中で使われている the more ですが、この the は冠詞ではなく、「かえって、ますます」という意味の副詞で使われています。the に副詞の役割があることを知らなかった人がほとんどかもしれません。
ですが、比較的よく目にするのは「the (形容詞の比較級) 〜, the (形容詞の比較級) 〜」で「〜であればあるほど〜」という構文で使われているもので、それと一緒です。こうやって形容詞の比較級の前につくことがほとんどであり、今回の文でもそのように使われています。なのでこの文は「それについて話すほど、ますますそれなしで生きることを悪くさせるだけだ」という意味になるんですね。


さて、いかがでしたでしょうか?歴史的名作、僕が学生時代に没頭した大名盤、ぜひ機会があればアルバムとして聞いてみてください。また、この「Pet Sounds」の時期を絶妙に捉えた映画「Love & Mercy(2014年/邦題:ラブ&マーシー 終わらないメロディー)」も興味があればぜひご覧になってみてくださいね。

次回は、プレイリストの第8弾「2000年代ROCK/POPから英語を学ぼう」を紹介しますよ!
今後も続々と新しいプレイリストの紹介とその中の楽曲についての解説もしていきますので、ぜひお楽しみに!

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