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同世代の人よりキャリアが遅れている…不安な気持ちを原動力に。30代で障害者の就労支援の道を選び、業界の発展に情熱を注ぐ【わたしのキャリアストーリー#15】

パーソルダイバースでは、「障害者雇用を成功させる。そして、その先へ。」をミッションに掲げ、多様な社員がはたらいています。
”わたしのキャリアストーリー”では、多様性を尊重する組織で異なるバックグラウンドや経験を持つ社員が、どのように活躍し自己成長を遂げているのか、インタビューを通して紹介します。

15回目は、パーソルダイバース 人材ソリューション本部 Neurodiversity事業部に所属する松宮 千士里。

彼女は自身のキャリアについてこう語ります。
「20代の私は自分の進むべき道を模索していました。人と比べるものではないですが、同じ年代の方と比べて、キャリアが10年ほど遅れていると感じることがあります。そのため、障害者の就労支援に携わることを決意し、一念発起した30代からは、とにかくがむしゃらに、自分の経験を積み重ねてきました。」

そんな彼女のこれまでの歩み、仕事に対する価値観、そして将来についてインタビューしました。
※2024年8月取材当時の内容です。

【プロフィール】松宮 千士里(2022年入社)
最初の就職は飲食業界。星付きのフレンチレストランのサービススタッフとしてのキャリアを極めようと数店ではたらく。
30代になり、障害者の就労支援の道にキャリアチェンジ。以後は、就労移行支援事業所で支援員として就職し、現場での経験を積む。その後、2022年3月からパーソルダイバースに入社。Neurodiversity事業部に所属し、当社が運営する先端IT人材を育成する就労移行支援事業所「Neuro Dive」の障害のある利用者さんや、卒業生の専任キャリアドバイザーに従事。
趣味は、ヨガと和太鼓。


飲食業界からキャリアチェンジ:学生時代の想いを形に

―20代の頃のキャリアについて教えてください。


学生時代から、「何らかの制約で、頑張っていても社会で自分の好きな選択ができない人や、もう少しサポートがあれば、自分の在りたい姿に状況を変えられそうな人の力になりたい」という漠然とした想いがありました。
大学では、そういった方々の力になりたいと心理学などを学んでいましたが、何かが違うと違和感を抱き、学生時代から続けていたフレンチレストランでアルバイトをする生活を送りました。

しかし、「このままでいいのだろうか」と将来に対する不安が募り、フレンチレストランのサービススタッフとしてキャリアを極めようと決意。
最初の就職では、今とまったく別の道を選び、星付きのレストランに就職し、正社員として数店ではたらきました。この経験は、非常に充実していたのですが、学生時代からの想いは心の中にずっと残っていました。

ー飲食業界に就職してから、障害者の就労支援へのキャリアチェンジを決意したきかっけと、その後の歩みについて教えてください。

現場のサービススタッフに従事しながらも、飲食業界は体力勝負のところもあり、年齢を重ねたら営業や広報など別の職種で携わりたいと入社時から考えていました。そのため、その道があるレストランではたらいていました。

しかし、30代になり上司にサービススタッフから別の職種に異動したいという意向を伝えたところ、その道がもう存在しないことを知らされました。

その後、同業や近い業界での転職活動を試みましたが、うまくいかず、長期的にはたらける仕事について考え始めました。
そして、学生時代に抱いていた「何らかの制約で、頑張っていても社会で自分の好きな選択ができない人や、もう少しサポートがあれば自身の在りたい姿に状況を変えられる人の力になりたい」という想いを再び強く感じ、障害者の就労支援に携わる仕事を今後のキャリアに選びました。

その後、就労移行支援事業所で支援員として就職。はたらきながら、精神保健福祉士の資格取得を目指して、通信制の大学に編入し勉強にも励みました。

支援員としての業務は、利用者の方向けに、職業準備性を整えるプログラムの企画、個別面談や通院同行。そして、就労の準備が整った方に対しては、就職活動のサポートや、ハローワークや求人を出している企業様との連携、就職後の定着サポートなど、幅広い仕事に挑戦しました。

現場を経験したことで、業界全体の現状を把握し、課題や支援について広い視野で理解する必要があると考え、今も継続していることですが、外部の研修や勉強会にも積極的に参加しています。

―その後、パーソルダイバースに入社したきっかけを教えてください。


パーソルダイバースのことは、仕事上でのつながりがあったため、入社する前からよく知っていました。
就労移行支援事業所の利用者さんの実習や、dodaチャレンジを通じて、お仕事を紹介していただいたことがありました。

入社を決意した大きなきっかけは、大学時代の同級生がパーソルダイバースではたらいていて、キャリアアドバイザーを募集していることを知らせてくれたことでした。

障害のある方々や、障害者雇用に取り組む企業向けのご支援など、多角的にビジネスを展開している会社ではたらくことが、この業界全体の価値を高めることに寄与できるのではないかと考えました。こうして、採用面接を受けて見事オファーを受けることができ、2022年3月に入社しました。

障害者支援に関する専門的な知識や経験を活かして、キャリアアドバイザーとしてスタート


―入社から今までの業務内容や印象に残っているお仕事を教えてください。


私は、人材ソリューション本部 Neurodiversity(ニューロダイバーシティ※)事業部に所属し、当社が運営する先端IT人材(データサイエンスやAI・機械学習など)を育成する就労移行支援事業所「Neuro Dive」の障害のある利用者さんや、卒業生の専任キャリアドバイザーを務めています。
 
精神保健福祉士としての専門知識や支援員としての経験を活かして、利用者さんの適性を理解し、就職の実現とその後の活躍や定着に向けたサポートを行うことが主な仕事です。

用語解説:「ニューロダイバーシティ(神経・脳の多様性)」
脳や神経の多様性を尊重し、それを社会で活かしていこうという考え方です。社会的スキルやコミュニケーション力といった発達障害ならではの不得手を補完し、優れた集中力やプログラミングとの親和性(パターン志向)などその方が持つポジティブな側面を職場や社会でどのように生かせるか」に焦点を置いた多様性推進で、持続可能な雇用モデルとして期待されています。
ニューロダイバーシティとは:経済産業省

利用者さんは、「障害者雇用だと高度な専門職に就けない」と悩む方や、「一度就職したがうまく行かなかった」という悩みを持つ方が多いという特徴があります。そういった過去の経験を抱えて就職のために通所している方たちと深く関わるため、印象に残っている仕事はたくさんありますが、最近特に記憶に残っているエピソードがあります。
 
ある日、利用者さんから「就職するために通っているのに、納得のいく就職活動ができない。ここに居ても意味がないのではないか」と、ご相談を受けたことがありました。
私は、今ここで辞めて一人で就職活動をするという選択肢だけではなく、まだ通うことができる中(最長で2年間)で、プログラムで学んだことを活かした成果物を作り、支援員のサポートを受けながら就職活動をする選択肢ももあることを伝え、利用者さんと一緒に最善策についてしっかり話し合いました。

その後、その利用者さんは、通所を続けることを選び、見学訪問に来られた企業様に対する成果物発表を経験しながら就職活動を続け、ついにご本人が希望する分野で内定をいただくことができました。

せっかくご縁があって関わりを持った利用者様には、どんな些細な悩みにも耳を傾けることを大切にしています。

その上で、自分の考えを押し付けず、利用者様がどのような状況にあるかを理解して、様々な選択肢を提示することで、ご自身で納得して選択できるようサポートをしています。

それが、今後就職された後も、社会に出た際に自分で問題を解決するための力となり、仕事においてもスムーズに対応できるようにするための重要な基盤となると考えるからです。

松宮さんは2022年3月に当社に入社した際、その年の4月から社会人大学院に通うことが決まっていたと言います。

―新しい環境に慣れながら仕事と勉強を両立させるのはハードだったのでは?


勉強と仕事の両立は確かに大変でしたが、今まで満足のいくキャリアを積めていないと感じていたので、そこを何とかしたいという強い想いがありました。

また、就労支援などの障害者福祉サービスにおいては、まだ多くの知見が集まっているとは言い難いと認識していました。
また、この業界の発展のためには、「効果的なプログラムの実施方法」および「就職率や定着率に影響する要因」など、就労方法や結果に関するエビデンスを積み重ねることが重要だと考えています。そのため、障害者の就労に関する研究ができる大学院を選び、無事に今年3月に修了することができました。

―それでは、パーソルダイバースの魅力について教えてください。もし、一言で表現するとしたら、どのように伝えますか?


「周りの人を応援する風土がある会社です」
 
日々の業務の中でも、事業部内では意見を言いやすい雰囲気があり、安心してはたらきやすい環境があります。
それは、事業部だけではなく、会社全体に感じたエピソードがあります。
 
大学院の修論では、当社が運営する就労移行支援事業施設(ミラトレ)に通所する、主に精神障害のある利用者さんに対して、対人関係など社会生活に必要なスキルを学ぶプログラムであるSST(Social Skills Training:ソーシャルスキルトレーニング、以下SST)を取り入れた利用者と、そうでない利用者を比較し、ご自身でのリカバリーやソーシャルスキルの習得度に違いがあるか研究しました。

用語解説:SST(Social Skills Training:ソーシャルスキルトレーニング)
SSTは、対人関係スキルや疾病自己管理スキルを高める方法として開発されました。現在では、精神科領域だけでなく、教育、就労支援、矯正教育、更生保護、産業領域、一般市民など、様々な領域で実践されており、家庭や職場への訪問など地域生活者の現場での支援も行われています。
一般社団法人SST普及協会 

この研究を実施するためには、事業部の理解だけではなく、ミラトレを運用する事業部の協力も必要でしたが、「今後の利用者さんや支援員として働く社員のためになるのであれば」と、嫌な顔一つせずに協力を得ることができました。このエピソードを通じて、パーソルダイバースが持つ人を応援する風土と協力体制を強く感じました。
 
さらに研究結果においても、「今までつまずいていたことに対する対処法を実践することができた(利用者)」「テキストに沿って進めることで、プログラムに慣れていなくてもわかりやすかった(支援員)」といったコメントをいただき、今後よい支援の助けになると大変うれしく思います。

―最後に、今後の展望をお願いします。


障害のある方の就労支援に携わる仕事を選んでから、現場での経験、専門知識を習得するための自己啓発など、様々なことに挑戦してきました。「何らかの制約で、頑張っていても社会で自分の好きな選択ができない人や、もう少しサポートがあれば、自分の在りたい姿に状況を変えられそうな人の力になりたい」という想いを着実に形にできていると感じています。

星付きのフレンチレストランではたらいていた時は、いつでもどんなときでも最高のクオリティを目指すことに熱心でした。
やりたいことがまだまだたくさんありますので、今は失敗を恐れずに、まずは挑戦してみることを大切にしています。

今後の展望については、まずはキャリアアドバイザーとして、障害のある求職者様の就労支援に全力を注ぎ、その後の活躍をサポートしていきたいです。そしてさらに、企業様に対しては、はたらく意欲や能力がある障害者を雇用することの意義、ダイバーシティ雇用の重要性を伝えていくこと。また、就労支援に関わる仕事など、業界全体が魅力的で価値のあるものだと感じてもらえるような取り組みをしていきたいです。


この記事を読んで、少しでも共感してくださった方がいれば、採用ページものぞいてみてください😊

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パーソルダイバースは「グループ障害者雇用事業」と「対外支援事業」の2つの領域で事業を展開しています。障害者雇用に関する豊富な知見とノウハウを保有し、個人・法人・支援機関・自治体など多様なステークホルダーの皆さまとともに障害者雇用の可能性拡大に努めています。