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社員発!PRIDE指標2022の「ゴールド」を受賞 LGBTQアライコミュニティの軌跡

パーソルグループで2019年に立ち上げられた有志コミュニティ「Rainbow PERSOL(レインボーパーソル)」
セクシュアルマイノリティ(以下、LGBTQ)の理解促進を目指し、当事者も非当事者も関係なく、パーソルグループ内で手を挙げた人たちが主体的に取り組み、支援するアライ(Ally)活動の輪が広がっている。そして2022年11月には、LGBTQにとって働きやすい職場環境を推進する取り組み「PRIDE指標2022」において、最高評価の「ゴールド」を受賞。今回は、Rainbow PERSOL立ち上げの経緯や、受賞に至るまでの具体的な取り組みを運営メンバーの上田純佳、西出彩香、三輪絢子に聞いた。

上田 純佳 PERSOL Global Workforce株式会社 営業部 営業推進室
西出 彩香 パーソルキャリア株式会社 人事本部 組織・人材開発部
三輪 絢子 パーソルキャリア株式会社 採用ソリューション事業本部 
マネジャー

それは1人の社員の声から始まった


現在は、グループ内5社から約25人のメンバーが参加し、その活動の輪はパーソルグループ全体に広がっている「Rainbow PERSOL」だが、活動は1人の社員の声から始まったという。
 
「2019年12月に、立ち上げメンバーの1人が、『LGBTQの当事者だけでなく、アライ(理解・支援を示す人)も含めてコミュニティを作って、ビジョンの“はたらいて、笑おう。”につなげていく活動がしたい』という声をあげたことがきっかけでした」(西出)
 
すぐに人事本部でダイバーシティ推進を担っていた組織とタッグを組み、コミュニティ化を実現。立ち上げから3年間で、社内でLGBTQに関する理解浸透を目的とした基礎知識ガイドブック「Do You Know LGBTQ?」の発行、東京レインボープライドのイベント出展、ゲストを招いてのトークイベントなどを実現してきた。
 
しかし、コミュニティ発足時は、グループ内でもダイバーシティの活動が始まったばかり。どのように仲間を集めたらいいのか、どう広めていけばいいのか、また各施策の実行や運営においても試行錯誤の連続だったという。
 
「有志活動なので、予算は0。本業の合間に時間を捻出する必要もあります。ハードルはたくさんありましたが、『強制ではないので、士気の高い人が集まっている』『評価に関係なく活動できるので、自由にやりたいことができる』など、いまでもボトムアップならではの良さがあると思っています」(上田)

採用や本業とのシナジーなど、さまざまな成果を実感


コミュニティ発足直後にコロナ禍に突入。思うように活動ができないもどかしさもあったが、Rainbow PERSOLは着実に取り組みを続けた。これまでの3年間の活動を通じて、4つの効果を実感しているという。
 
①   LGBTQに対する社員の理解、興味関心の向上
「最初は参加も少なく、正直どんな反応をされるのか不安もありましたが、参加者が増えるにつれて、関心の高まりを実感しています」(上田)
 
②   本業とのシナジー効果
「コミュニティの活動はパーソルグループ横断なので、通常業務では接点のない人と一緒に活動します。職種や年次を超えてメンバーと関わるなかでの気づきが多くあります。また、例えばコミュニティのデザイナー職のメンバーに、本業でデザインが必要になったときに相談するなどの連携もできており、本業への好影響を感じています」(西出)
 
③   社外への浸透も
「イベント時に、Rainbow PERSOLの活動を知ったのでパーソルへの入社を決めましたと言ってくれた社員がいて、うれしかったです。内定者や学生からも、ダイバーシティを推進している会社で働きたいという声が増えています」(西出)
 
④   グループビジョンの実現
「パーソルのグループビジョン『はたらいて、笑おう。』が実現できているという実感を持てることです。私はRainbow PERSOLの活動を始めてから、コミュニティ活動と志を同じくする仲間というよりどころができ、本業もさらに前向きに取り組めています。特に、メンバーが主体的によりよくしようと動いている、そんなコミュニティの在り方がすごくすてきだなと思っています」(三輪)

PRIDE指標「ゴールド」を獲得


PRIDE指標とは、「企業・団体等の枠組みを超えてLGBTQ+が働きやすい職場づくりを日本で実現すること」を目的に、任意団体「work with Pride」が2016年に策定した評価指標。
パーソルキャリアは、Rainbow PERSOLの活動によって、5つの項目(行動宣言、当事者コミュニティ、啓発活動、人事制度、社会貢献)すべてで高い水準の取り組みをしていると評価され、11月に最高評価「ゴールド」に認定された。
 
「2年間活動を続けてきて、そろそろ評価基準を満たしてきているのではないかと、一定の自信がついたタイミングでした。まずは多くの企業がすでにゴールドを取得しており、それに追いつきたいという思いがありました。
ただ、今回の応募はゴールドを取得することが目的ではなく、チェック項目に沿って会社の制度を整備することで、よりLGBTQフレンドリー(LGBTQを差別せず、協力的な姿勢を持つ)な会社になれると考えたから。チェック項目と照らし合わせることで、Rainbow PERSOLが会社に対して貢献してきたこと、いま足りていないものを可視化できると思いました」(上田) 

社外にも積極的に発信し、次のステップへ


授賞式は11月10日に東京・大手町の経団連会館で開催された。今年は「企業から変える。LGBTQ+にとって平等/公平な社会とは?」をテーマに、3年ぶりにリアル会場で実施されたという。受賞の思いを、立ち上げメンバーの西出はこう話す。
 
「受賞が決まったときは、うれしかったですし、安心しました。同時に、ゴールドを取得した企業の一員として、それに恥じない行動をしなければならない。会社としても、改めて理解の浸透や制度を徹底していかなければならないと、身が引き締まる思いでした」(西出)
 
プライド指標「ゴールド」の受賞確定後、社長の瀬野尾裕とDI&E推進の責任者への報告会も行った。
 
「ゴールド獲得はもちろん、何より社員発のコミュニティとして主体的に取り組んでいるのが本当にすばらしい。まさに、当社が目指すキャリアオーナーシップを感じる取り組みであり、取り組む意義は大いにあると思っています。
これからは活動のステージを一段あげ、『会社として取り組むべきこと』という視点で考えていきたい。今後ますます取り組みを活性化してほしいし、要望や要求をどんどん出してくれることを期待しています」(瀬野尾)
 
これまでは社内を中心に活動の輪を広げてきたRainbow PERSOL。自社が持つ人材サービスとの連携や、LGBTQの求職者に寄り添う体制の構築など、次のステップへ歩みを進めることを考えているという。
 
Rainbow PERSOLのコミュニティ活動そのものが、まさにパーソルキャリアが目指す“キャリアオーナーシップ”の体現であると言えるだろう。この活動を通じて、LGBTQだけでなく、社内で多様性に関するさまざまなテーマの理解促進の活動が広まっていくきっかけになることが期待される。

受賞報告会の様子

文:尾越 まり恵
編集:パーソルキャリアnote編集部